V・ファーレン長崎は2026年9月16日、FC町田ゼルビアからMF増山朝陽が期限付き移籍で加入することを正式発表した。
期限付き移籍期間は2027年6月30日まで。
また契約上、移籍期間中にFC町田ゼルビアと対戦するすべての公式戦には出場できない。
増山にとって長崎は、非常に思い入れの深いクラブだ。
2023年から長崎でプレーし、2025年7月7日にFC町田ゼルビアへ完全移籍。
そして今回、約1年後に再び長崎へ戻ってくることになった。
長崎、Jリーグとも今回の移籍を**「1年ぶりの復帰」**と表現している。
本人も加入コメントで、
「1年ぶりにV・ファーレン長崎に帰ってくることになりました」
と古巣復帰を報告。
町田で思うように結果を出せなかった期間についても触れ、再び声を掛けてくれた長崎へ結果で恩返しする決意を示している。
そして現在、両クラブの立場は大きく異なる。
町田はJ1第7節終了時点で、
5勝2分0敗。
勝点17。
J1首位。
19得点6失点で、開幕から無敗を維持している。
一方の長崎は、
2勝1分4敗。
勝点7。
14位。
9得点14失点。
首位クラブで出場機会を得られていなかった増山と、J1で勝点を積み上げるため戦力の幅を広げたい長崎。
双方にとって意味のある期限付き移籍となった。
増山朝陽がV・ファーレン長崎へ期限付き移籍
移籍期間は2027年6月30日まで
9月16日、長崎と町田がそれぞれ移籍を正式発表した。
移籍形態は期限付き移籍。
期間は2027年6月30日までとなっている。
完全移籍ではないため、保有権は町田に残る。
つまり増山にとっては、
長崎で出場機会を得る。
試合勘を取り戻す。
結果を残す。
その先に町田復帰という選択肢も残されている。
29歳という年齢を考えても、今後のキャリアを左右する重要な移籍になりそうだ。
増山朝陽とは?
J1・J2合わせて200試合以上を経験する29歳MF
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 選手名 | 増山 朝陽 |
| 読み | ますやま あさひ |
| 生年月日 | 1997年1月29日 |
| 年齢 | 29歳 |
| 出身地 | 福岡県 |
| 身長/体重 | 173cm/72kg |
| ポジション | MF |
| 利き足 | 右 |
| 保有元 | FC町田ゼルビア |
| 移籍先 | V・ファーレン長崎 |
| 移籍形態 | 期限付き移籍 |
| 移籍期限 | 2027年6月30日 |
| 主な経歴 | 東福岡高→神戸→横浜FC→神戸→福岡→神戸→大分→長崎→町田→長崎 |
2026年9月16日時点の国内主要大会通算成績は、
J1リーグ62試合4得点。
J1百年構想リーグ7試合0得点。
J2リーグ166試合18得点。
リーグカップ29試合3得点。
天皇杯15試合3得点。
さらにACLでも5試合に出場している。
経験値という意味では、長崎の中でも計算しやすい選手だ。
東福岡高校からヴィッセル神戸へ
2015年にプロキャリアをスタート
増山は福岡県出身。
高校サッカーの名門・東福岡高校から2015年にヴィッセル神戸へ加入した。
その後は横浜FC、アビスパ福岡、大分トリニータなど複数クラブで経験を積み、2023年からV・ファーレン長崎へ加入。
J1、J2の双方で豊富な実戦経験を積んできた。
2023年から長崎でプレー
「最愛のチーム」と表現した古巣
増山は2023年から2025年7月まで長崎でプレーした。
町田への完全移籍が決まった際、自身のコメントでは長崎での期間を「2年半」と振り返っている。
さらに長崎を、
「最愛のチーム」
と表現。
クラブや街への強い思いを示していた。
だからこそ今回の復帰は、単なる出場機会確保の移籍以上の意味を持つ。
長崎時代はフィジカルと対人能力で存在感
2024年はデュエル勝利数でチーム上位
増山の特徴は、単なるスピード系ウインガーではない。
2024年のJリーグ公式データでは、長崎でデュエル勝利数74回を記録し、チーム内でも上位に位置していた。
チャンスクリエイト数でもチーム上位に入り、攻撃面でも一定の存在感を示している。
173cmというサイズながら、身体を当てられても簡単にはプレーを止めない。
攻守両面で対人強度を発揮できる選手だ。
2025年7月にFC町田ゼルビアへ完全移籍
タイトルを争うクラブへステップアップ
2025年7月7日、長崎から町田への完全移籍が正式発表された。
町田では国内外の複数大会を経験。
今回の町田退団コメントでは、在籍期間中に天皇杯タイトル獲得やACLE準優勝を経験したことへの感謝を語っている。
また2025年天皇杯準々決勝の鹿島戦では先発し、15分に先制ゴール。
町田の3-0勝利とクラブ史上初のベスト4進出へ貢献した。
町田で全く結果を残せなかったわけではない。
町田では主に右ウイングバック
左ウイングバックでの先発経験も
町田での主戦場はウイングバックだった。
Jリーグ公式は2025年9月のACLEジョホール戦について、
町田加入後は主に右ウイングバックで起用されていたと紹介している。
一方、このジョホール戦では左ウイングバックとしてスタメン出場。
つまり、
右WB。
左WB。
双方で公式戦出場経験がある。
右サイド専任ではないことは、長崎にとっても大きなメリットになる。
2025年終盤にはJ1でも先発
町田で一定の起用実績を残した
増山は2025年9月27日の岡山戦で右ウイングバックとして先発。
本人も試合後、リーグ戦では2試合ぶりの先発だったことについてコメントしている。
10月の広島戦でもスタメン起用され、黒田剛監督は増山がチームへ順応してきたことを評価していた。
つまり町田加入直後から全く戦力外だったわけではなく、2025年シーズンには実際にJ1やACLEで起用されていた。
しかし2026/27シーズンはJ1出場0
今季は公式戦出場記録なし
一方、今季2026/27シーズンになると状況は変わった。
Jリーグ公式プロフィールでは、9月11日更新時点で、
J1リーグ0試合。
0得点。
0アシスト。
2026/27シーズンの出場履歴自体が記録されていない。
町田公式の今回の移籍コメントでも、増山自身が「なかなか出番が少なかった」と振り返っている。
なぜ町田では今季出番がなかった?
首位チームの競争に割って入れず
重要なのは、
町田自体が不調だったわけではない
ということだ。
町田は第7節終了時点で5勝2分。
19得点6失点。
J1首位。
9月12日の横浜F・マリノス戦も1-1で引き分け、開幕無敗を継続した。
結果が出ているチームでは、スタメンや主力ローテーションを大きく変更する必要性も小さい。
増山はその競争の中で、今季は出場機会をつかめなかった。
29歳という年齢を考えても、環境を変えて実戦へ戻る判断は理解しやすい。
増山朝陽のプレースタイル
最大の武器は「フィジカル」
町田の2025年公式プロフィールで、
「自分の武器は?」
という質問に対し、本人は、
「フィジカル」
と回答している。
173cm・72kg。
決して大型選手ではない。
それでも、
接触プレー。
球際。
身体を当てながらの突破。
ボールキープ。
で強さを見せられる。
長崎時代にデュエル勝利数を積み上げていたこととも一致する特徴だ。
縦方向へ局面を動かせる
ウイングバックとして前進力を発揮
増山はサイドでボールを受けた際、前方向へ仕掛けられる。
町田ではWBとして、
高い位置へ出る。
相手と1対1になる。
ゴール前へ進入する。
守備時には戻る。
といった上下動を担った。
長崎に戻った場合も、試合のテンポやサイドの推進力を変えるカードとして使える可能性がある。
ゴール前にも入れる
町田では天皇杯鹿島戦で得点
ウイングバックというと、タッチライン際でクロスを送る役割をイメージしやすい。
しかし増山には自らゴール前へ入る力もある。
2025年の天皇杯準々決勝・鹿島戦では15分に先制点。
町田の3-0勝利へ貢献した。
サイドからスタートしながら、最後は得点へ関われる。
長崎でも期待したい部分だ。
なぜ長崎は増山を呼び戻した?
理由① クラブへの適応リスクが小さい
シーズン途中の9月加入。
新加入選手に長い適応期間を与えられる時期ではない。
その点、増山は長崎で約2年半プレーしている。
クラブ。
スタジアム。
街。
サポーター。
クラブ文化。
すでに知っている。
さらに本人自身が長崎への強い愛着を示してきた。
「初めて加入する選手」と比べれば、環境面での適応リスクは小さいと考えられる。
理由② 長崎はJ1・14位
残留へ勝点を積み上げたい
長崎は第7節終了時点で、
2勝1分4敗。
勝点7。
14位。
9得点14失点。
直近の名古屋戦ではマテウス・ジェズスとチアゴ・サンタナのゴールで2-0と勝利。
開幕から苦しんだ中で重要な勝点3を手にした。
ただし順位表を見る限り、まだ残留争いから距離を取れた状況ではない。
戦力の幅を広げておく意味は大きい。
理由③ サイドに異なる特徴を追加できる
直近名古屋戦とは違う選択肢
9月12日の名古屋戦では、翁長聖がMFとして、米田隼也がDFとして先発している。
増山は町田で右・左のウイングバックを経験しているため、現在のメンバーと単純に同じ役割を担うとは限らない。
試合によって、
より縦への突破を強調する。
サイドの対人強度を上げる。
途中から運動量を追加する。
といった別タイプの選択肢として使える可能性がある。
高木琢也監督はどう使う?
パターン① 右ウイングバック
過去の公式戦実績を考えれば、最も分かりやすい起用法。
町田では主に右WB。
攻撃では高い位置へ出て、守備では最終ラインへ戻る。
増山のフィジカルと運動量を使いやすい。
パターン② 左ウイングバック
町田で実戦経験あり
2025年ACLEのジョホール戦では左WBでスタメン。
左右どちらでもプレーできることは公式戦ですでに確認されている。
連戦。
負傷者。
相手とのかみ合わせ。
さまざまな状況で使える。
パターン③ より前のサイド
長崎時代の経験も生かせる
町田ではWB色が強かった一方、長崎時代にはより高い位置から攻撃へ関与する場面もあった。
そのため試合展開次第では、
サイドMF。
ウイング。
に近い位置で使う選択肢も考えられる。
ただしこれは今後の高木監督の起用次第であり、現時点では予想の範囲となる。
長崎はジョナタン・ジュニオールも獲得
登録期限直前に前線を強化
長崎は増山加入前日の9月15日、ジョナタン・ジュニオールの完全移籍加入も正式発表している。
中央のストライカー。
サイドで強度と推進力を出せる増山。
特徴の異なる攻撃カードを立て続けに追加した。
J1で勝点を積み重ねるため、選手層を厚くしようという動きが見える。
町田への影響は限定的か
今季リーグ戦では出場していない
町田はJ1首位。
そして増山は今季J1出場0。
そのため、現在のリーグ戦スタメンから主力が一人抜ける形ではない。
少なくとも直近のリーグ戦への直接的な影響は限定的と見るのが自然だ。
一方、増山には左右WBをこなせるユーティリティ性がある。
複数大会や負傷者が出た場合の選択肢が一枚減るという意味では、選手層への影響はある。
増山本人には大きな再スタート
29歳、出場機会を取り戻せるか
増山は29歳。
若手育成のためのレンタルではない。
今すぐ試合へ出て、自分の価値を証明したい年代だ。
2025年は町田でJ1やACLE、天皇杯に出場。
しかし今季はここまでJ1出場0。
そこで戻るのが、自身が約2年半過ごした長崎。
環境を知っている。
サポーターとの関係もある。
本人も強い愛着を持っている。
再スタートの場所としては非常に分かりやすい。
今回の補強で重要なのは「即効性」
新戦力だが“初加入”ではない
増山獲得のメリットは、将来性というより即効性にある。
J1・J2合わせて228試合。
長崎在籍経験。
町田でのJ1・ACLE経験。
右・左WB対応。
そして29歳。
完全な未知数の選手ではない。
9月というタイミングで、
「ある程度計算できる選手を呼び戻した」
という性格の補強だろう。
不安材料は試合勘
今季ここまで公式戦出場履歴なし
最大のチェックポイントも明確だ。
2026/27シーズンのJリーグ公式プロフィールには出場履歴がない。
コンディションが良くても、
公式戦の90分。
J1の強度。
試合特有の判断速度。
はトレーニングだけでは完全には補えない。
加入直後からフル出場なのか。
途中出場で時間を伸ばすのか。
高木琢也監督の起用法に注目したい。
今後の注目ポイント
復帰初戦はどこで使われる?
最初の注目はポジション。
右WBなのか。
左WBなのか。
一列前なのか。
町田で増えた役割を、長崎でどう生かすのか。
2025年以上のインパクトを残せるか
増山は長崎を知っている。
しかし今回求められるのは、「懐かしい選手が帰ってきた」という話題性ではない。
現在14位。
求められるのは勝点だ。
ゴール。
アシスト。
突破。
守備。
どんな形でも試合結果へ直接影響できるかが重要になる。
まとめ
「1年ぶり」に長崎へ――増山朝陽が再び青とオレンジへ
FC町田ゼルビアMF増山朝陽が、V・ファーレン長崎へ期限付き移籍した。
期間は、
2027年6月30日まで。
期間中は町田とのすべての公式戦に出場できない。
増山は2025年7月7日に長崎から町田へ完全移籍。
そして2026年9月16日に長崎復帰が決定。
長崎とJリーグ公式はいずれも、
「1年ぶりの復帰」
と表現している。
29歳。
173cm・72kg。
J1通算62試合4得点。
J2通算166試合18得点。
町田では右WBを中心にプレーし、左WBでの先発経験もある。
2025年天皇杯では鹿島相手にゴールも決めた。
しかし今季はJ1出場0。
一方の長崎は、
2勝1分4敗。
14位。
9得点14失点。
町田では出場機会がなかった。
長崎は戦力の幅を広げたい。
そして増山は長崎を知っている。
非常に分かりやすく条件が噛み合った移籍だ。
本人は長崎復帰に際し、町田でうまくいかず「燻っていた」と率直に振り返った。
だからこそ、今回の古巣復帰には覚悟があるはずだ。
必要なのは、
昔の増山朝陽に戻ることではない。
長崎で経験を積み。
町田でJ1、ACLE、タイトル争いを経験し。
29歳になった今の増山が何を見せるか。
古巣復帰を“再スタート”ではなく、“もう一度飛躍する場所”にできるのか。
14位から上を目指す長崎にとっても、増山本人にとっても重要な期限付き移籍となる。
免責事項
本記事について
本記事は2026年9月17日時点で、V・ファーレン長崎、FC町田ゼルビア、Jリーグが公開している公式発表・選手情報・試合記録を中心にファクトチェックを行ったうえで作成しています。
増山朝陽選手のFC町田ゼルビアからV・ファーレン長崎への期限付き移籍は2026年9月16日に正式発表され、期間は2027年6月30日までです。また期間中はFC町田ゼルビアと対戦するすべての公式戦に出場できません。
復帰時期については、前稿では2025年7月7日の町田移籍から日数を計算して「約1年2カ月ぶり」と表現しましたが、V・ファーレン長崎、Jリーグ公式とも「1年ぶり」と記載しているため、本稿では公式表現に統一しています。
町田でのポジションについては、Jリーグ公式が「加入後は主に右ウイングバック」と記載し、2025年9月30日のACLEジョホール戦では左ウイングバックでの先発が確認されています。
長崎加入後のポジション、出場時間、既存選手との組み合わせ、戦術的効果などについては、過去の公式戦での起用実績を踏まえたワールドサッカーポータル独自の分析・予想を含みます。
最新情報についてはV・ファーレン長崎、FC町田ゼルビアおよびJリーグの公式情報をご確認ください。








