清水エスパルスが移籍市場の最終盤で大きな補強に動いた。
2026年9月15日夜、清水が京都サンガF.C.に所属するMF平戸太貴の獲得に動き、移籍成立が見込まれていることが報じられた。
スポニチの報道によると、近日中に正式発表される見通しで、9月16日の登録期間終了間際に成立する「駆け込み移籍」となる。
29歳の平戸は、両足から繰り出す高精度キックを最大の武器とする司令塔タイプ。
今季の清水はJ1第7節終了時点で2勝1分4敗の13位。特に7試合でわずか4得点と攻撃面で苦しんでおり、チャンスを作り出せる平戸の加入はチームに大きな変化をもたらす可能性がある。
では、なぜ清水はこのタイミングで平戸獲得へ動いたのか。
平戸の特徴、これまでのキャリア、清水で予想される起用法、京都への影響まで徹底分析する。
清水が京都MF平戸太貴を獲得へ
9月16日の移籍期限直前に成立か
今回の移籍は、まさに「駆け込み補強」だ。
報道が出たのは9月15日23時30分。
スポニチは清水が平戸を獲得することが判明し、近日中にも正式発表される見込みと伝えている。
清水の2026/27シーズンの移籍市場では、すでに小泉慶、ディエギーニョ、藤井智也、木下康介、ジャーメイン良ら多くの選手が加わっている。そこへさらにゲームメーカー型の平戸を加えることになる。
現時点ではまだ正式発表前
ここは注意しておきたい。
9月16日朝時点で、Jリーグ公式では平戸の所属先は京都サンガF.C.のままとなっており、清水・京都双方から移籍に関する正式リリースは確認されていない。
そのため本記事では、
「清水への移籍決定」ではなく「清水が獲得へ」
という表現で扱う。
平戸太貴のプロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 選手名 | 平戸 太貴 |
| 生年月日 | 1997年4月18日 |
| 年齢 | 29歳 |
| 出身地 | 茨城県 |
| ポジション | MF |
| 身長/体重 | 178cm/72kg |
| 利き足 | 右 |
| 現所属 | 京都サンガF.C. |
| 背番号 | 39 |
京都公式プロフィールによると、平戸は鹿島アントラーズのアカデミー出身。鹿島トップチーム、FC町田ゼルビアを経て、2023年から京都でプレーしている。
平戸太貴のこれまでのキャリア
鹿島アカデミー出身の技巧派MF
平戸は鹿島アントラーズJrユース、ユースと進み、2016年にトップチームへ昇格した。
しかし若手時代に大きく出場機会を増やしたのはFC町田ゼルビアだった。
2017年にJ2で26試合3得点。
翌2018年には40試合8得点。
さらに2020年42試合9得点、2021年40試合8得点、2022年38試合9得点と、J2屈指の攻撃的MFへ成長していった。
J2通算203試合39得点
2025年シーズン終了時点で、
J2通算203試合39得点。
中盤の選手としては非常に高い得点数だ。
単にボールを配るだけではない。
セットプレー。
ミドルシュート。
ゴール前への侵入。
ラストパス。
攻撃の最後の局面へ関われることが平戸の大きな特徴だ。
2023年から京都へ
2022年12月、町田から京都へ完全移籍。
2023年からJ1の舞台でプレーし、2024年には26試合2得点、2025年には34試合へ出場した。
2025年終了時点のJ1通算成績は74試合2得点。
J2時代とは役割も異なるが、京都でも中盤やサイドで起用されながらJ1で経験を積んできた。
今季は開幕3試合連続スタメン
長崎・川崎・水戸戦で先発
平戸は2026/27シーズンのJ1で開幕から3試合連続先発。
8月9日の長崎戦で45分。
8月15日の川崎戦では70分。
8月22日の水戸戦では45分間プレーしている。
今季リーグ戦の記録は3試合0得点0アシスト。
一方、Jリーグ公式の詳細スタッツではチャンスクリエイト5回を記録している。
つまり数字上の得点・アシストこそ生まれていないものの、チャンスを生み出す能力そのものは健在と言える。
平戸太貴はどんな選手なのか
最大の武器は高精度キック
今回の獲得報道でも、平戸の特徴として強調されているのがキック精度だ。
両足から質の高いボールを蹴れることが特徴で、セットプレーのキッカーとしても大きな価値を持つ。
コーナーキック。
直接FK。
間接FK。
サイドからのクロス。
低い位置からのロングフィード。
平戸を置くことで、清水はプレースキックの選択肢を一気に増やせる。
「ラストパス」を出せる司令塔
清水にとって、さらに大きいのがチャンスメーク能力だ。
相手DFラインの間へ縦パスを通す。
逆サイドへ展開する。
FWの動き出しに合わせて早いタイミングでボールを送る。
平戸は前線の選手を生かすタイプのMFでもある。
今季の清水にはオ・セフン、北川航也、ジャーメイン良、木下康介、千葉寛汰ら前線の選択肢がある。
彼らへどれだけ質の高いボールを供給できるか。
そこに平戸補強の大きな意味がある。
なぜ清水は平戸を必要としたのか
7試合でわずか4得点
最大の理由は得点力だろう。
第7節終了時点の清水は、
2勝1分4敗。
勝点7。
4得点7失点。
順位は13位となっている。
失点7は極端に悪い数字ではない。
問題は4得点だ。
1試合平均では1点にも届かない。
守備が耐えても、1点を奪えなければ勝点3につながらない試合が続いてきた。
第7節でようやく6試合ぶり勝利
清水は開幕の名古屋戦を1-0で勝利した後、
横浜FMに0-1。
C大阪に0-1。
柏に0-1。
FC東京に1-1。
川崎に1-3。
と勝利から遠ざかっていた。
9月12日の福岡戦を1-0で制し、ようやく6試合ぶりの白星を手にしたものの、依然として攻撃力不足という課題は残っている。
だからこそ必要なのは、
「ゴールを取る選手」だけではなく「ゴールを作る選手」。
平戸はまさにそこを補える存在だ。
清水で予想される起用法
① 4-2-3-1のトップ下
最も分かりやすいのがトップ下だ。
中央でボールを受け、
FWへの縦パス。
サイドへの展開。
ミドルシュート。
セットプレー。
と攻撃全体に関われる。
平戸を中央に置けば、清水の攻撃に「誰が最後のパスを出すのか」という明確な答えを作れる可能性がある。
② ボランチからゲームメーク
もう一つは少し低い位置からの起用だ。
相手が守備ブロックを敷いてくる試合では、最終ラインの前から正確なボールを入れられる選手が重要になる。
清水には弓場将輝、小塚和季、嶋本悠大ら中盤の選択肢がある。
その中に平戸が加われば、
守備強度重視。
ボール保持重視。
攻撃重視。
と相手に応じて中盤の組み合わせを変えられる。
③ サイドからクロス供給
平戸は中央だけの選手ではない。
京都ではサイドやインサイドハーフ的なポジションでプレーするケースもあった。
サイドから時間を作り、オ・セフンや木下といった高さのあるFWへクロスを送る形も考えられる。
特に試合終盤、相手が自陣へ引いた展開では有効な選択肢になりそうだ。
平戸加入で得をしそうな清水の選手
オ・セフン
最も恩恵を受ける可能性がある一人だ。
高さのあるストライカーへ正確なクロスを送り込めれば、平戸のキック精度が直接得点へ結びつく。
単純にハイボールを上げるのではなく、
ニア。
ファー。
DFとGKの間。
状況に応じて蹴り分けられる選手がいることは大きい。
ジャーメイン良
ジャーメインの特徴である前への推進力や裏への飛び出しとも相性が良さそうだ。
FWが動き出してからパスを考えるのでは遅い。
動く前にスペースを予測し、そこへボールを送る。
平戸がこうしたタイミングで縦パスを入れられれば、ジャーメインのスピードをさらに生かせる。
嶋本悠大
一方、19歳の嶋本にとっても平戸加入は大きな刺激になる。
ポジション争いは激しくなる。
しかし同じ中盤で、Jリーグ通算277試合以上を経験してきた選手から学べることも多い。平戸は2025年終了時点でJ1・J2通算277試合41得点を記録している。
若手と即戦力を両立させる意味でも興味深い補強だ。
京都にとっては痛い流出なのか
開幕3試合ではスタメンだった
平戸は今季開幕から3試合連続で先発している。
つまり、完全な構想外だった選手が移籍するわけではない。
現在の京都は第7節終了時点で1勝2分4敗、勝点5の17位。
降格圏18位の福岡とは勝点1差しかない。
その状況で経験豊富な29歳のMFをシーズン途中に失うことになるため、選手層という意味では小さくない。
一方で直近のリーグ戦では出場していなかった
平戸の今季リーグ戦出場は8月22日の水戸戦が最後。
Jリーグ公式の9月11日時点の記録では3試合出場にとどまっている。
つまり開幕当初はスタメンだったものの、その後はチーム内で序列が変化していた可能性がある。
京都側としても、出場時間が減っている選手を保持するより、本人の新たな挑戦を認める判断になったのかもしれない。
清水は今夏すでに京都から須貝英大を獲得
今回の移籍で興味深いのが、清水と京都の間で再び選手が動く可能性があることだ。
清水は今年6月、京都からDF須貝英大を完全移籍で獲得している。
つまり平戸まで加入すれば、短期間で京都から2人目の補強。
同じJ1クラブでプレーしているためリーグへの適応期間がほぼ必要なく、即戦力として計算しやすい点もメリットだ。
実は平戸は清水戦でもプレー経験が豊富
平戸は京都加入後、清水とも複数回対戦している。
2025年9月の対戦では先発して71分まで出場。
2026年2月の百年構想リーグでも後半開始から途中出場している。
清水側は対戦相手として平戸の特徴を実際にピッチ上で把握している。
その選手をシーズン途中に獲得するということは、スカウトだけでなく現場でも能力を評価している可能性が高そうだ。
清水の補強としてどう評価する?
World Soccer Portal補強評価:A-
今回の補強はかなり面白い。
最大の理由は、
「チームの弱点と選手の長所が分かりやすく一致している」
ことだ。
清水の課題は4得点という攻撃力。
平戸の武器はチャンスメークと高精度キック。
清水には高さのあるFWもいる。
しかも平戸はJ1経験があり、シーズン途中でも適応に長い時間を必要としにくい。
即効性の高い補強になり得る。
唯一の懸念は実戦感覚
一方で、今季リーグ戦では8月22日を最後に出場記録がない。
清水へ加入したとして、
すぐ90分プレーできるのか。
現在の試合勘はどうなのか。
吉田孝行監督の戦術へどれだけ早く合わせられるのか。
この部分は確認が必要になる。
それでも29歳という年齢、Jリーグでの経験、現在の清水に不足する特徴を考えれば、補強評価は**A-**としたい。
最大の武器はセットプレーになるか
Jリーグでは拮抗した試合ほどセットプレー1本が勝敗を決める。
清水は今季7試合を終えて4得点。
1点の価値が非常に大きいチーム状況だ。
そこで平戸のキックが加わる。
CKからCBへ。
FKから直接ゴール。
相手のファウルを得点機へ変える。
流れの中から崩せないゲームでも、セットプレーだけで勝点3を取れる可能性が生まれる。
これはシーズンを通じて非常に大きい。
移籍成立なら清水の中盤争いは一気に激化
平戸が正式加入すれば、中盤争いはかなり面白くなる。
小塚和季。
弓場将輝。
嶋本悠大。
大畑凜生。
鈴木奎吾。
そして平戸太貴。
タイプの違う選手が揃う。
平戸自身も京都で出場機会が減っていた以上、清水へ来ればレギュラーが約束されているわけではない。
むしろ移籍後すぐに競争が始まる。
だからこそチーム全体のレベルアップにもつながりそうだ。
今後の注目ポイント
① 正式発表はいつになるか
まずはこれだ。
報道では近日中の正式発表が予定されている。
背番号。
契約形態。
チーム合流日。
次節出場が可能なのか。
清水からの正式リリースを待ちたい。
② 9月19日の千葉戦に間に合うのか
清水の次戦は9月19日、ホームでジェフユナイテッド千葉と対戦する。
移籍が正式成立し、登録手続きとコンディションに問題がなければ、この試合からメンバー入りする可能性も注目される。
ただし加入直後でもあり、まずはベンチスタートという選択肢も十分考えられる。
③ 10月31日には古巣京都戦
さらに興味深いのが第13節。
10月31日、清水はアウェーで京都サンガF.C.と対戦予定だ。
移籍が成立すれば、約1カ月半後には早くも古巣対決となる。
平戸が紫のユニフォームではなく清水のユニフォームを着てサンガスタジアムへ戻ることになるのか。
大きな注目カードになりそうだ。
まとめ|「得点を取る選手」ではなく「得点を作る選手」を補強へ
清水エスパルスが京都サンガF.C.MF平戸太貴を獲得へ。
移籍市場終了直前に飛び込んできた、非常に興味深いニュースだ。
29歳。
J2通算203試合39得点。
J1でも74試合を経験。
そして最大の武器は、高精度キックとゲームメーク能力。
今季の清水は7試合4得点。
守備では粘れても、ゴールが奪えず勝点を落とす試合が続いた。
だからこそ必要なのは、単純にFWを増やすことだけではない。
FWへ良いボールを届ける選手。
セットプレーで試合を動かせる選手。
攻撃のテンポを変えられる選手。
平戸はそのすべてを補える可能性を持っている。
京都では今季開幕3試合に先発しながら、その後はリーグ戦出場から遠ざかっていた。
清水では再び中心選手になれるのか。
そして4得点にとどまる攻撃陣を活性化できるのか。
移籍が正式発表されれば、清水にとってシーズンの流れを変える可能性を持つ“駆け込み補強”となりそうだ。
免責事項
本記事は2026年9月16日朝時点の報道、Jリーグ、清水エスパルス、京都サンガF.C.などの公開情報をもとに作成しています。
記事作成時点では平戸太貴選手の清水エスパルス移籍について両クラブから正式発表されていません。スポーツ紙の移籍報道をもとにした内容であり、移籍形態、背番号、契約内容、登録状況などは正式発表によって変更・判明する可能性があります。
また、起用法、戦術的適性、選手への影響、補強評価などはWorld Soccer Portal編集部による独自の分析・予想です。最新かつ正式な情報については両クラブおよびJリーグの公式発表をご確認ください。








