「U-21 Jリーグを見るなら、誰に注目すればいい?」
2026年8月に始まったばかりの新大会だけに、そんな疑問を持っている人は多いはずです。
参加するのはわずか11クラブ。
しかし、そのピッチにはすでにトップチームとプロ契約を結んでいる選手、U-18年代でゴールを量産する高校生、年代別代表を狙う逸材など、数年後にはJ1や海外で名前を見ることになっても不思議ではない若手が揃っています。
Jリーグ自身も開幕前、全11クラブから21歳以下の選手を1人ずつ取り上げる特集「虎視眈々」を展開しました。つまり今季のU-21 Jリーグは、単なる若手の試合ではなく、各クラブが本気で育てようとしている選手を一足早くチェックできる場所でもあります。
今回は、その11クラブから注目選手を1人ずつピックアップ。
「どんな選手なのか」
「何が武器なのか」
「トップチーム昇格・定着へ何が必要なのか」
という3つの視点から掘り下げます。
U-21 Jリーグ「11クラブ注目選手」一覧
| クラブ | 注目選手 | ポジション | 注目ポイント |
|---|---|---|---|
| 川崎フロンターレ | 関 德晴 | DF | 186cmの大型サイドバック |
| 名古屋グランパス | 萩 裕陽 | GK | 189cm、名古屋アカデミー育ちの守護神候補 |
| 浦和レッズ | 田中 義峯 | DF | 18歳・186cm、早期プロ契約の大型DF |
| ファジアーノ岡山 | 千田 遼 | DF | 岡山生まれ岡山育ちの生え抜きSB |
| ヴィッセル神戸 | ウボング・リチャード・マンデー | GK | 194cmのナイジェリア出身GK |
| 清水エスパルス | 土居 佑至 | MF | 左足とドリブルで違いを作る技巧派 |
| V・ファーレン長崎 | 宮口 裕多 | FW | U-18で9試合11得点のストライカー |
| ジュビロ磐田 | 甲斐 佑蒼 | DF | 両足を扱える19歳センターバック |
| ガンバ大阪 | 中積 爲 | FW | アグエロを参考にする左利きFW |
| 東京ヴェルディ | 今井 健人 | MF | 走力を武器にトップ昇格した生え抜き |
| FC東京 | 菅原 悠太 | MF | 「魔法の左足」を持つ万能型レフティ |
1. 川崎フロンターレ|DF 関德晴
186cmのサイズでサイドを駆け上がる“大型SB”
まず注目したいのが川崎フロンターレの関德晴です。
2007年4月11日生まれ。身長186cm、体重77kgという、日本人サイドバックとしてはかなり恵まれたサイズを持っています。
川崎F U-12、U-15、U-18と育ってきた完全なアカデミー生え抜き。最大の特徴は、大柄な身体を持ちながらタッチライン際を一気に駆け上がれるダイナミックさです。Jリーグ公式も「大型サイドバック」と表現し、スピードとパワーを生かしたアグレッシブなプレーを特徴として挙げています。
U-21リーグ第1節の磐田戦でも90分フル出場。
川崎Fには技術力の高い選手が多いだけに、関がそこへ「サイズ」と「推進力」という違った個性を加えられれば面白い存在になります。
注目ポイントは、攻撃力だけではなくトップレベルで守備の1対1をどこまで磨けるか。
186cmのサイドバックが上下動を繰り返せるとなれば、日本代表まで見据えても希少価値の高いプロフィールです。
2. 名古屋グランパス|GK 萩裕陽
名古屋アカデミーが送り出す次世代GK
名古屋からは萩裕陽。
2007年6月12日生まれ、189cm・87kgのGKです。アクアJFC春日井から名古屋U-15、U-18を経てトップチームへ昇格しました。
Jリーグ公式は萩を、GKを数多く育ててきた名古屋アカデミーの「最新作」と紹介しています。
GKというポジションは若手にとって特に難しいポジションです。
フィールドプレーヤーなら途中出場から経験を積むこともできますが、GKは基本的に1枠。
だからこそU-21 Jリーグの存在意義が大きくなります。
トップチームの練習でJ1クラスのシュートを受けながら、週末には90分間ゴールを守る。
このサイクルを作れるだけでも成長スピードは変わるでしょう。
名古屋は第1節が試合なしだったため、9月13日の長崎戦がU-21リーグ初戦。萩にとっても本格的なアピールの場になりそうです。
3. 浦和レッズ|DF 田中義峯
高校2年時にプロ契約!186cm・85kgの18歳
浦和で覚えておきたい名前が田中義峯です。
2008年4月5日生まれ。
まだ18歳ながら186cm・85kg。
さらに、高校2年生の時点でプロ契約を結んだ大型DFです。
U-21リーグ第1節の清水戦では早くも先発し、90分フル出場。
浦和は1-2で敗れましたが、18歳で年上の選手も出場する公式戦をフルで経験できたこと自体、大きな財産です。
トップカテゴリーのセンターバックに求められるのは身体能力だけではありません。
ビルドアップ。
カバーリング。
ラインコントロール。
相手FWとの駆け引き。
若い時期にどれだけ失敗しながら経験できるかが重要です。
「大型DFが欲しい」という日本サッカー全体の課題を考えても、田中は長期的に追いかけたい一人です。
4. ファジアーノ岡山|DF 千田遼
「岡山から岡山のトップへ」を体現する生え抜き
岡山の注目株は千田遼。
2007年生まれ、174cm・69kgのサイドバックです。
何より象徴的なのが経歴。
岡山市出身で、ファジアーノ岡山U-15、U-18を経てトップチームへ。
まさに“地元クラブで育った選手がJリーガーになる”という地域密着型クラブの理想を体現する存在です。
第1節G大阪戦では先発フル出場。
岡山は0-1で敗れたものの、チームは前線から積極的にプレスをかけ、何度もゴールへ迫りました。
千田本人もU-21リーグ開幕前に「一番の目標はトップの試合に出ること」と語っています。
派手な海外帰りのスターではない。
だからこそ面白い。
地元アカデミーからトップの主力へ駆け上がれるか。
千田の成長はファジアーノの育成力そのものを映す存在になりそうです。
5. ヴィッセル神戸|GK ウボング・リチャード・マンデー
194cm!ナイジェリア代表を夢見る規格外GK
この11人の中でも、プロフィールのインパクトならトップクラスでしょう。
ヴィッセル神戸のウボング・リチャード・マンデーです。
2005年10月1日生まれ。
身長194cm、体重84kg。
ナイジェリア出身で、福知山成美高校を経て2025年に神戸へ加入しました。
長い手足を生かしたハイボール処理やクロス対応、シュートストップが特徴。
本人が掲げる夢はナイジェリア代表です。
トップチームには前川黛也ら実績豊富なGKがいるため、すぐレギュラーになるのは簡単ではありません。
だからU-21リーグが重要になります。
開幕の長崎戦では先発し、神戸は4-0で完勝しました。
さらに神戸には15歳の花元誉絆など若いタレントも登場しており、U-21リーグそのものを最も積極的に育成へ活用しそうなクラブの一つです。
6. 清水エスパルス|MF 土居佑至
第1節でいきなりゴール!“局面を変えるマジックレフティ”
現時点で「今すぐ見てほしい選手」を一人挙げるなら、清水の土居佑至は外せません。
2007年5月12日生まれ。
168cm・63kg。
左利きのアタッカーで、クラブ公式プロフィールには、
「局面を変えるマジックレフティ」
という紹介文がつけられています。
ドリブル、アジリティ、左足のキック、シュート。
狭い局面で違いを作れるタイプです。
そしてU-21リーグ開幕戦。
浦和を相手に14分、記念すべき先制ゴールを記録。
90分出場して2-1の勝利に貢献しました。
新リーグの目的はトップへのステップアップ。
その意味では、
「U-21で数字を残す→トップチームへ」
という最も分かりやすいルートを期待したくなる選手です。
7. V・ファーレン長崎|FW 宮口裕多
高校3年生で9試合11得点!U-18の得点マシン
長崎からはプロ選手ではなく、U-18所属の宮口裕多を推したいところです。
2008年6月30日生まれ。
身長180cm・70kgのFW。
そして注目すべきは得点数です。
2026年夏の時点でプリンスリーグ九州1部、
9試合11得点。
得点ランキング首位に立つ爆発力を見せていました。
U-21リーグ初戦の神戸戦にも先発。
チームは0-4で敗れたものの、宮口は83分までプレーし、シュート2本を記録しています。
この大会の面白さを象徴する選手でもあります。
まだU-18。
それでもプロ契約選手と同じピッチに立てる。
高校年代でゴールを量産しているFWが、20~21歳のDFを相手にどこまで通用するのか。
まさに“未来のJリーガーを先取り”できる存在です。
8. ジュビロ磐田|DF 甲斐佑蒼
左右両足を扱える次世代センターバック
磐田からは甲斐佑蒼。
2007年5月2日生まれ、179cm・67kgのDFです。
ジュビロ磐田U-15、U-18からトップへ昇格した生え抜きで、Jリーグ公式は左右両足を使えるセンターバックとして紹介しています。
現代のCBは守るだけでは評価されません。
相手プレスを外す。
縦パスを入れる。
左右どちらにも展開する。
後方から攻撃を作れるかどうかが重要です。
両足を扱える甲斐は、その意味で現代型CBとして面白い素材。
第1節では川崎Fに2-3で敗れましたが、こうした試合でスピードや技術のあるFWと何度も対峙することが、今後トップへ進むうえで大きな経験になります。
9. ガンバ大阪|FW 中積爲
すでにJ1デビュー!アグエロを参考にする左利きFW
G大阪では中積爲に注目です。
2007年12月19日生まれ、172cm・65kg。
ガンバ大阪門真ジュニアユース、ユースを経て2026年にトップ昇格した左利きFWです。
本人が参考にしているのは元アルゼンチン代表のセルヒオ・アグエロ。
決して大型ではない身体でCBと戦うフィジカル、裏への飛び出し、マークを外す動きを参考にしていると語っています。
しかも、すでにJ1でも出場。
8月22日の名古屋戦でJリーグデビューを果たし、9月2日の長崎戦では先発しています。
U-21リーグは彼にとって最終目標ではありません。
「ここでゴールを取ってトップへ戻る」
という立場です。
こういう選手が出てくることで、U-18だけの大会とは違う“プロ予備軍同士の競争”が生まれます。
10. 東京ヴェルディ|MF 今井健人
武器は「走る」。ヴェルディ育ちのトップ昇格組
東京Vの注目は今井健人。
2007年10月31日生まれ。
東京Vジュニアユース、ユースを経て2026シーズンからトップへ昇格しました。
本人がクラブ公式プロフィールで自分の武器として挙げているのは、
「走る」
という非常にシンプルな言葉です。
派手なテクニックだけで勝負するのではなく、運動量をベースに攻守へ関与するMF。
すでにポストユース年代の選手発掘・強化を目的としたU-19 Jリーグ選抜にも選ばれています。
U-21リーグ開幕戦ではFC東京を相手に90分出場。
チームは0-3で敗れましたが、今井自身はシュートも記録しています。
東京ヴェルディと言えば育成。
その“次のアカデミー出身主力”になれるか注目です。
11. FC東京|MF 菅原悠太
「魔法の左足」で違いを作るレフティアタッカー
最後はFC東京の菅原悠太。
2007年9月7日生まれ。
173cm・69kg。
FC東京U-15むさし、U-18からトップチームへ進んだ生え抜きです。
最大の武器は左足。
クラブ公式も「正確な左足」を特徴として挙げ、複数ポジションをこなせるユーティリティ性も評価しています。
Jリーグ公式の特集ではさらに踏み込み、
「魔法の左足を持つレフティアタッカー」
と紹介されました。
第1節東京V戦では90分フル出場。
FC東京は3-0で快勝しました。得点したのは永野修都、田中希和でしたが、その中で菅原も90分間ピッチに立っています。
本人もU-21リーグについて、結果を残して最終的にJリーグ出場へつなげたいという趣旨の目標を語っています。
左利き。
複数ポジション。
アカデミー育ち。
日本の若手市場でも人気が出やすいプロフィールだけに、ブレイクすれば一気に注目度が上がりそうです。
12. 11人の中で特に注目したい「3つのタイプ」
今回紹介した11人を見て面白いのは、全員が同じタイプではないことです。
まず**「すぐトップで見たい組」**。
中積爲、土居佑至、菅原悠太、今井健人など、すでにトップチームへ昇格し、あと一歩でJ1の出場時間を増やせそうな選手たちです。
次に**「身体的ポテンシャル組」**。
186cmの関德晴、同じく186cmの田中義峯、194cmのウボング・リチャード・マンデー。
日本代表の将来を考えても、大型選手が若いうちから公式戦経験を積める意味は大きいでしょう。
そして最後が**「まだアカデミーだけどプロを食うかもしれない組」**。
その代表格が長崎の宮口裕多。
まだ高校3年生ながら、プリンスリーグ九州で9試合11得点を記録し、U-21リーグにも先発しています。
こうした異なる成長段階の選手が同じ大会で戦うことこそ、U-21 Jリーグの最大の面白さです。
13. 第1節だけでもすでに“別の注目株”が登場
今回紹介した11人以外にも、開幕節から名前を覚えておきたい選手が出ています。
川崎Fの廣瀬寧生は磐田戦で2ゴール。
G大阪の城阪光喜は岡山戦の決勝点。
神戸では渡辺隼斗、瀬口大翔、西村水岐、井内亮太朗の4選手がゴールを記録しました。
そしてFC東京の田中希和は東京V戦で2得点。
つまり今後、
「開幕前の注目選手ではなかった選手が突然ブレイクする」
可能性も十分あります。
それこそ育成年代を見る醍醐味でしょう。
14. 未来の日本代表を探すなら“成績表”だけ見ない
U-21リーグを見る際、ゴールやアシストだけを追うのも面白いですが、それだけではもったいありません。
例えば、
18歳のCBが21歳FWとの競り合いで負けない。
高校生FWがプロDFの背後を何度も取る。
19歳MFが年上の相手からプレスを受けてもボールを失わない。
若手GKがハイボールをすべて処理する。
こうしたプレーには、ゴール数には表れない将来性があります。
数年後に日本代表へ入る選手を探すのであれば、
「現時点で一番上手い選手」より、「プロの強度の中でも自分の武器を出せている選手」
を見るのがおすすめです。
15. まとめ:今は無名でも、3年後にはJ1の主役かもしれない
今回ピックアップした11人。
関德晴。
萩裕陽。
田中義峯。
千田遼。
ウボング・リチャード・マンデー。
土居佑至。
宮口裕多。
甲斐佑蒼。
中積爲。
今井健人。
菅原悠太。
現在のサッカーファン全員が知っている名前ではありません。
むしろ、
「初めて聞いた」
という選手の方が多いかもしれません。
でも、だからこそU-21 Jリーグを見る価値があります。
J1で10ゴールを取ってから知る。
日本代表に選ばれてから知る。
海外移籍してから知る。
それもサッカーの楽しみ方です。
ただ、
「U-21の頃からこの選手を見ていた」
と言える楽しさは、また別物です。
特に今季は大会自体が始まったばかり。
選手だけでなく、リーグそのものの歴史のスタートを見ることができます。
ここで活躍し、
トップチームへ。
年代別日本代表へ。
海外へ。
そして2030年ワールドカップへ。
そんなルートを歩く選手が、この11人の中から出てくるかもしれません。
U-21 Jリーグは、「未来のスターが有名になる前」を見るためのリーグです。
次の試合ではぜひスコアだけではなく、今回紹介した選手たちの名前にも注目してみてください。
免責事項
本記事は2026年9月9日時点で確認できるJリーグ公式サイト、各クラブ公式サイト、U-21 Jリーグの試合記録などをもとに作成しています。
記事内の「注目選手」「将来性」「日本代表候補」などの表現には、選手の現在の実績やプレースタイル、育成状況などを踏まえた編集部による分析・考察が含まれます。将来のトップチーム定着、日本代表選出、海外移籍等を保証するものではありません。
また、U-21 Jリーグは新設大会のため、出場選手、登録状況、トップチームとの行き来などが今後変更される可能性があります。最新情報についてはJリーグおよび各クラブの公式発表をご確認ください。










