「せっかく育った選手が、また海外へ行ってしまうのか――。」
セレッソ大阪の若手選手が欧州へ移籍するたび、サポーターなら少なからずこんな気持ちになるのではないでしょうか。
試合で活躍する。
名前が全国区になる。
代表候補へ入る。
そして、
「海外クラブ移籍のお知らせ」。
嬉しい。
でも寂しい。
セレッソサポーターにとって、何度も経験してきた感情です。
ただ、今のセレッソ大阪を見ると、この海外移籍を単なる「戦力流出」ではなく、クラブ経営そのものの成長につなげようとしているように見えます。
2026年3月、セレッソ大阪の日置貴之社長は、クラブが現在「育成型クラブへと大きく舵を切っている」と説明しました。
高額な選手を獲得し続ける強化モデルはマネーゲームになりやすく、再現性も低い。
だからこそ、
自分たちで選手を育てる。
トップチームで価値を高める。
世界へ送り出す。
そんな方向へクラブそのものを変えようとしているのです。
さらに2026年8月には、金融工学を使ってサッカー選手の「契約価値」を評価する研究にも協力。
移籍市場、契約期間、契約解除条項、将来的な成長可能性まで数値で考える取り組みを進めています。
これは、かなり大きな変化です。
今回はセレッソ大阪がなぜ「育成+海外移籍」を重視するのか、北野颯太や毎熊晟矢の事例、クラブ経営に与えるメリット、サポーターとして感じる不安、そしてこの戦略の先に何があるのかを考えていきます。
1. セレッソ大阪が「育成型クラブ」へ本格転換
日置社長が明言したクラブの方向性
今回の話を考える上で最も重要なのが、クラブ自身の発言です。
2026年3月に開催されたカンファレンスで、日置社長はセレッソ大阪について、いわゆる**「育成型クラブ」へ大きく方向転換している**と説明しました。
ポイントは単純に、
「アカデミー選手を増やします」
という話ではありません。
従来のように外部から完成された選手を獲得して強化する方法だけでは、資金力の大きいクラブとのマネーゲームになってしまう。
そこで、
選手を自分たちで育て、その市場価値自体を高める。
これをクラブ経営の柱にしようとしているのです。
2026年にはアカデミー運営もトップチーム側へ一本化
その本気度を感じさせるのが、2026年1月の組織変更です。
これまで一般社団法人セレッソ大阪スポーツクラブが担っていた育成事業を、株式会社セレッソ大阪へ移管。
U-12からU-18、トップチームまで、より一貫した育成体制を作ることを目的としています。
つまり、
アカデミー。
トップ昇格。
プロでの出場。
契約。
海外移籍。
これまで以上に一本の線として管理しやすくなるわけです。
2. 理想形になりつつある北野颯太の海外移籍
小学生年代から育て、20歳でザルツブルクへ
この新戦略を象徴する存在が北野颯太でしょう。
北野はセレッソ大阪のエリートクラスを経てU-15、U-18へ進み、2022年にプロ契約。
2025年6月、20歳でオーストリアの強豪FCレッドブル・ザルツブルクへ完全移籍しました。
まさに、
育成
↓
トップチーム
↓
J1で価値向上
↓
欧州強豪へ完全移籍
という流れです。
しかも移籍後も北野は順調に成長。
2026年5月時点でザルツブルクのリーグ戦25試合6得点を記録し、主力としてプレーしていました。
セレッソからすれば、
「育てた選手を売った」
だけではありません。
セレッソ大阪から欧州へ行けば、その先でも成功できる。
という実績を作ったことになります。
これは次の世代の選手獲得にも効いてきます。
3. 毎熊晟矢も「価値を高めて海外へ」の成功例
長崎から獲得し、日本代表まで成長
アカデミー出身ではありませんが、毎熊晟矢も重要な成功事例です。
毎熊は2022年にV・ファーレン長崎から加入。
セレッソでJ1の主力となり、日本代表にも選出されるまで評価を上げました。
そして2024年夏。
オランダの強豪AZアルクマールへ完全移籍。
AZ移籍後も主力となり、2025年5月時点で公式戦44試合に出場していました。
これは北野とは少し違うモデルです。
北野は、
育てて売る。
毎熊は、
獲得して価値を高めて売る。
今後のセレッソにとっては、この2つを両輪にできればかなり強い。
4. 重要なのは「海外へ出すこと」ではなく「適正な移籍金を残すこと」
Jリーグが抱えてきた課題
日本人選手の欧州移籍が増えたこと自体は素晴らしいことです。
ただ、Jクラブ側には長年悩ましい問題がありました。
若い選手が活躍する。
海外から注目される。
本人は欧州挑戦を希望する。
結果として比較的安い金額で移籍する。
数年後には海外で市場価値が何倍にもなる。
これでは、
選手を育てたJクラブ側に十分な価値が残らない
ケースも出てきます。
セレッソが今後本当に「育成型クラブ」を成立させるのであれば、この部分を変える必要があります。
契約期間そのものがクラブの武器になる
そこで興味深いのが、2026年8月に発表された選手価値評価モデルです。
セレッソ大阪とヤンマーは東京理科大学の研究に協力し、
選手の将来的な成長。
移籍可能性。
契約期間。
契約解除条項。
パフォーマンス。
怪我リスク。
などを考慮して選手の契約価値を算出するモデルの開発に関わりました。
ここがものすごく重要です。
例えば海外からオファーが来ても、契約残り半年ならクラブは強気な交渉をしにくい。
一方、残り3年なら状況は変わります。
つまり、
選手が高く売れる瞬間だけを見るのではなく、その数年前から契約を設計する必要がある。
セレッソはそこまで踏み込もうとしている可能性があります。
5. 「高額移籍金」を得られれば何が変わる?
移籍金を次の育成へ再投資できる
理想的なのは、
育成
→トップ昇格
→活躍
→海外移籍
→移籍収益
→育成環境へ再投資
という循環です。
例えば海外移籍によって数億円規模の収益を継続的に得られるクラブになれば、
アカデミー施設。
指導者。
スカウト。
データ分析。
栄養。
海外遠征。
トップチーム補強。
さまざまな部分へ再投資できます。
そしてまた良い選手が育つ。
この循環ができれば、資金力だけで選手を買い続けるクラブとは違う成長モデルになります。
6. 海外との接点も意図的に増やしている
U-17年代から欧州遠征
2026年8月にはセレッソ大阪U-17がオランダへ遠征。
アルメレ・シティの施設を使ってトレーニングするなど、若い年代から海外環境を経験させています。
これも非常に興味深い動きです。
18歳。
20歳。
海外移籍が決まってから初めて欧州へ行くのではない。
育成年代から、
違う言語。
違うピッチ。
違う身体能力。
違うサッカー文化。
を経験させる。
海外移籍をクラブの成長モデルにするなら、こうした準備はかなり重要です。
髙橋仁胡はドイツへ期限付き移籍
現在もDF髙橋仁胡がドイツのホルシュタイン・キールへ期限付き移籍しています。セレッソ公式の2026/27選手一覧でも、海外へ期限付き移籍中の選手として掲載されています。
完全移籍だけが正解ではありません。
一度海外へ貸し出す。
経験を積ませる。
評価が上がれば再びセレッソで使う。
あるいは海外クラブへの完全移籍へつなげる。
こうした複数の出口を持つことも、「育成型クラブ」に必要な考え方でしょう。
7. サポーターからすれば「また主力が抜けるの?」という問題もある
クラブ経営では正解でも、現場では痛い
もちろん良いことばかりではありません。
サポーター目線なら、ここが一番気になります。
ようやく育った。
ようやくスタメンになった。
ようやくゴールを取り始めた。
そして半年後、
海外移籍。
「それでどうやってJ1優勝するんだ?」
と思うのも当然です。
特にJリーグはシーズン途中に欧州の夏の移籍市場が開きます。
そこで主力が抜ければ、順位争いへの影響は大きい。
北野が2025年6月にザルツブルクへ完全移籍した時も、シーズン途中での離脱でした。
クラブ経営として価値の高い移籍だったとしても、
その週末の試合を見るサポーターにとっては「戦力ダウン」
でもあります。
この矛盾をどう解決するか。
今後のセレッソにとって最大の課題だと思います。
8. 必要なのは「売るクラブ」ではなく「育てながら勝つクラブ」
海外移籍が目的になってはいけない
ここを間違えてほしくありません。
選手を海外へ送る。
移籍金を得る。
それ自体がクラブの最終目的になってしまえば、サポーターにとって面白いクラブではなくなります。
セレッソ大阪はサッカー選手の“販売会社”ではありません。
勝つためのクラブです。
J1優勝。
ルヴァンカップ。
天皇杯。
ACL。
サポーターが見たいのはタイトルです。
だから理想は、
若手を育てる。
その選手とタイトルを狙う。
適切なタイミングで海外へ送り出す。
十分な移籍金を確保する。
その資金で次の戦力を作る。
ここまで成立して初めて「育成型クラブ」の成功と言えるのではないでしょうか。
9. 次の「北野颯太」を何人作れるか
一人の成功ではクラブモデルにならない
北野颯太が成功した。
それだけなら、「良い選手が一人出た」で終わります。
重要なのは、
毎年。
あるいは2年に一度。
欧州クラブから高く評価される選手を継続的に生み出せるかです。
セレッソ大阪は過去にも、
香川真司。
南野拓実。
柿谷曜一朗。
杉本健勇。
丸橋祐介。
山口蛍。
清武弘嗣。
古くから多くの才能を輩出してきたクラブです。
「育成のセレッソ」は突然始まったものではありません。
ただし今までと違うのは、
その育成力をクラブ経営の仕組みとして再設計しようとしていること。
ここに今回の戦略転換の本質があると思います。
10. セレッソサポ目線|寂しい。でも「セレッソから世界へ」を誇れるクラブであってほしい
正直に言えば、
主力が海外へ行くのは寂しいです。
北野がいなくなる。
毎熊がいなくなる。
「もう少しセレッソで見たかった」
と思う。
当たり前です。
自分たちが毎週スタジアムで応援した選手です。
苦しい時も見た。
初ゴールも見た。
成長していく姿も見た。
それが一番良くなったところで海外へ行ってしまう。
サポーターとしては複雑です。
でも――。
ザルツブルクで北野が点を取る。
AZで毎熊が戦う。
海外中継で元セレッソの選手を見る。
その瞬間、
ちょっと誇らしくなるのも本音です。
「この選手、セレッソで育ったんやで」
と言いたくなる。
だったらクラブには、その別れを無駄にしてほしくない。
ただ安く送り出して、
「頑張ってこい」
だけではなく、
選手の夢を応援しながら、クラブにもきちんと価値を残す。
その移籍金で、
次の北野を育てる。
次の毎熊を見つける。
そしてセレッソ自身も強くなる。
それなら、送り出す意味があります。
サポーターが望んでいるのは、
「海外へたくさん選手を売るクラブ」
ではありません。
「世界へ選手を送り出しながら、セレッソも強くなっていくクラブ」
です。
そこまで実現できた時、
この戦略変更は本当の意味で成功したと言えるんじゃないでしょうか。
11. セレッソ大阪の新モデルはJリーグの未来にもなる?
もしセレッソが、
アカデミーで育てる。
トップチームで起用する。
選手価値をデータで管理する。
適切な契約を結ぶ。
欧州へ高い評価で移籍させる。
収益を再投資する。
という循環を確立できれば、これはセレッソだけの話ではなくなります。
欧州ほど放映権収入が大きくないJリーグでは、移籍市場をどう活用するかは今後ますます重要になります。
選手を「奪われる」のではない。
育成した価値を世界市場で正当に評価してもらう。
この考え方が広がれば、日本のクラブ経営そのものが変わっていく可能性があります。
12. まとめ|「育成のセレッソ」から「育成して世界へ、そしてクラブも強くなるセレッソ」へ
セレッソ大阪は2026年、クラブ自ら「育成型クラブ」へ大きく舵を切っていることを明らかにしました。
さらに、
アカデミー事業の株式会社セレッソ大阪への移管。
欧州への若手遠征。
海外クラブへの移籍・期限付き移籍。
金融工学を使った選手契約価値の研究。
と、その方針を支える具体的な取り組みも進んでいます。
北野颯太はアカデミーからザルツブルクへ。
毎熊晟矢は加入後に日本代表まで価値を高め、AZへ。
こうした事例を単発で終わらせず、
育成
→トップチーム
→海外
→移籍収益
→再投資
という循環を作れるか。
ここが今後の最大のポイントです。
もちろんサポーターとして、
良い選手を何でも海外へ売ってほしいわけではありません。
タイトルも欲しい。
強いセレッソも見たい。
だからこそ目指してほしいのは、
「選手を売って儲かるクラブ」ではなく、「選手を育てながら勝ち、その価値を次の強さへ変えられるクラブ」。
香川真司や南野拓実を生んだ「育成のセレッソ」。
次の時代は、
「セレッソから世界へ。そして世界へ送り出すほど、セレッソも強くなる」
そんなクラブモデルを期待したいと思います。
13. 免責事項
本記事は、2026年9月8日時点で確認できるセレッソ大阪公式発表、Jリーグ公式情報、選手移籍情報などをもとに、ワールドサッカーポータル編集部およびAIライティングサポートツールを活用して作成・編集しています。
セレッソ大阪は公式に「育成型クラブへ大きく舵を切っている」ことを表明していますが、本記事タイトルおよび本文中の「海外移籍で高額移籍金を確保する戦略」「育成→海外移籍→再投資モデル」などの表現には、クラブの公式発言や一連の取り組みをもとにした当サイト独自の分析・考察を含みます。
また、北野颯太選手、毎熊晟矢選手らの具体的な移籍金額についてはクラブから公表されていないため、本記事ではインターネット上の推定額を確定情報として使用していません。
セレッソ大阪が協力した選手価値評価モデルは、移籍期間、契約解除条項、選手の成長可能性などを定量的に研究する学術的取り組みであり、特定選手の売却や移籍金額を直接決定するものではありません。
選手契約、移籍方針、育成方針は今後変更される可能性があります。最新かつ正式な情報については、セレッソ大阪およびJリーグの公式発表をご確認ください。
- 【ガンバ大阪】新パートナーE-TABLEと契約!代表取締役も「遠藤保仁」!? ヤットさんと同姓同名の奇跡が話題に
- 【東京ヴェルディ緊急事態】宮原和也が前十字靭帯損傷で全治8~10カ月…怪我人続出をどう乗り越える?離脱者一覧と今後を徹底考察
- 【海外日本人】今、ウェステローの日本人が面白い!坂本一彩1G1A&齋藤俊輔2発|メヘレン4-0撃破、日本代表入りも見えてきた?
- 【カラバオ杯】チェルシー6-3リーズを徹底分析!0-2から衝撃6発、パーマー2得点&ロジャーズ4アシストで大逆転
- 【CL開幕!!】PSG6-1スロバン・ブラチスラバを徹底分析!フェラン・トーレスが圧巻ハットトリック|デンベレ2得点2アシストで王者が大爆発










