【J1第6節】セレッソ大阪vs東京ヴェルディ徹底分析|17本放つも0-0!C大阪が崩し切れなかった理由と東京Vの堅守を解説
「シュート17本を放ちながら、なぜセレッソ大阪は1点を奪えなかったのか?」
「開幕から苦しい戦いが続く東京ヴェルディは、何を変えて勝点1を持ち帰ったのか?」
2026年9月6日、YANMAR HANASAKA STADIUMで行われた明治安田J1リーグ第6節、セレッソ大阪対東京ヴェルディ。
試合は0-0のスコアレスドローに終わりました。
数字だけを見ると、ボール支配率61%、シュート17本を記録したC大阪が押し込んだ一戦です。しかし、枠内シュートはわずか2本。対する東京Vもシュート6本のうち2本を枠へ飛ばしており、単純な「C大阪の一方的な試合」ではありませんでした。
むしろ前半20分までは東京Vがシュート4本、C大阪が0本。東京Vが積極的な入りを見せ、その後C大阪が徐々に主導権を奪い返すという、時間帯によって表情が大きく変わる試合でした。最終的なゴール期待値(xG)もC大阪1.12、東京V0.97と、それほど極端な差はありません。
本記事では、両チームのスタメン・途中出場選手を独自採点するとともに、0-0となった理由、C大阪の攻撃が最後までゴールにつながらなかった原因、東京Vが手にした勝点1の価値、そして両チームが次戦までに修正したいポイントまで詳しく分析します。
1. はじめに:0-0でも見どころの多かった90分
スコアだけを見れば「0-0」。
派手さを感じない結果かもしれません。
ただし、中身を見れば攻守の駆け引きが詰まった一戦でした。
C大阪は前節、首位を走っていた柏レイソルを2-0で撃破。勢いに乗って連勝を狙うホームゲームでした。一方の東京Vは開幕5試合を終えて未勝利。何としても流れを変えたい状況で大阪へ乗り込んでいます。
両チームとも基本布陣は3-4-2-1。
C大阪は前節から奥田勇斗、香川真司、櫻川ソロモンを外し、中村拓海、小見洋太、横山夢樹を先発へ。東京Vも4人を変更し、佐古真礼、新井悠太、齋藤功佑、平尾勇人をスタートから起用しました。
連戦の影響もあり、両監督が選手のコンディションと戦術の両面を考えたメンバー選考だったことが分かります。
2. 試合結果・スタメン・全出場選手採点
試合結果
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 大会 | 2026/27 明治安田J1リーグ 第6節 |
| 開催日 | 2026年9月6日 |
| 会場 | YANMAR HANASAKA STADIUM |
| 結果 | セレッソ大阪 0-0 東京ヴェルディ |
| 前半 | 0-0 |
| 後半 | 0-0 |
| C大阪シュート | 17本 |
| 東京Vシュート | 6本 |
| 枠内シュート | C大阪2本/東京V2本 |
| ボール支配率 | C大阪61%/東京V39% |
| xG | C大阪1.12/東京V0.97 |
| 入場者数 | 16,939人 |
最終的にC大阪はシュート17本、東京Vは6本。パス成功率もC大阪81%、東京V69%と、ボールを動かす局面ではC大阪が優位に立ちました。
※以下の評価点はJリーグ公式採点ではありません。試合内容、攻守への貢献、決定機への関与などを踏まえた「ワールドサッカーポータル編集部独自採点」です。
セレッソ大阪|スタメン・途中出場選手採点
先発および交代選手は公式試合記録に基づいています。
| 選手 | 出場 | 採点 | 評価 |
|---|---|---|---|
| GK 中村航輔 | 先発 | 7.0 | 前半14分に立て続けに訪れた東京Vの枠内シュートを阻止。無失点に大きく貢献 |
| DF 井上黎生人 | 先発 | 6.5 | 前半からクロスを複数回処理。後方からも安定したプレー |
| DF ディオン・クールズ | 先発 | 6.5 | 攻撃時には積極的に前進。シュートやクロスでも存在感 |
| DF 畠中槙之輔 | 先発 | 6.5 | 東京Vのカウンターを警戒しながら最終ラインを安定させた |
| MF 中村拓海 | ~61分 | 6.5 | セットプレーのキッカーを担当し、右サイドから攻撃を組み立てた |
| MF 田中駿汰 | 先発 | 7.0 | 中盤で試合をコントロール。後半には奥田のパスから決定機にも顔を出した |
| MF 横山夢樹 | ~85分 | 7.0 | この日の攻撃で最も違いを作った一人。ドリブル成功を重ね、左サイドから何度も侵入 |
| MF ジャクソン・アーバイン | 先発 | 6.5 | 中盤の強度を保ち、セットプレーではゴール前にも侵入 |
| MF 小見洋太 | ~61分 | 6.0 | 積極的にゴールへ向かったが、決定的な仕事までは届かず。53分に警告 |
| MF 大畑歩夢 | ~85分 | 6.5 | 左サイドを上下動し攻撃参加。ミドルシュートも狙った |
| FW チアゴ・アンドラーデ | ~73分 | 6.5 | ドリブルで相手守備陣に圧力。ただ、シュート精度には課題が残った |
| DF 奥田勇斗 | 61分~ | 7.0 | 入った直後から攻撃を活性化。田中へのスルーパスなどチャンスを作った |
| FW 櫻川ソロモン | 61分~ | 6.5 | 大畑のボールからヘディングシュート。マテウスに阻まれたがゴール前の基準点に |
| MF ルーカス・フェルナンデス | 73分~ | 6.5 | CK、FK、ドリブルで終盤の猛攻を牽引 |
| MF 香川真司 | 85分~ | 6.5 | 短時間ながらPA内でボールを受け、狭い局面で攻撃を整理 |
| FW パブロ・サバック | 85分~ | 6.5 | 終盤に右からPA内へ侵入。得点にはならなかったが怖さを作った |
東京ヴェルディ|スタメン・途中出場選手採点
東京Vは佐古真礼、新井悠太らを先発起用。終盤まで5バック気味の守備ブロックを崩さず、C大阪の17本のシュートを無得点に抑えました。
| 選手 | 出場 | 採点 | 評価 |
|---|---|---|---|
| GK マテウス | 先発 | 7.5 | MOM候補。横山、櫻川のシュートを止め、最後までゴールを許さなかった |
| DF 鈴木海音 | 先発 | 7.5 | 再三のクロスをクリア。チアゴ、櫻川への対応でも存在感 |
| DF 佐古真礼 | 先発 | 7.5 | ゴール前で何度も決定的なクリア。C大阪の中央突破を最後まで許さず |
| DF 井上竜太 | 先発 | 7.0 | 終盤まで集中を切らさず、クロス攻撃への対応を続けた |
| MF 新井悠太 | 先発 | 7.0 | 前半14分に枠内シュート。守備でも横山らへの対応に追われながら粘った |
| MF 齋藤功佑 | ~64分 | 6.5 | 中盤からボールを引き出し、立ち上がりの良い流れに貢献 |
| MF 平川怜 | 先発 | 7.0 | セットプレーとゲームメークを担当。前半の主導権確保を支えた |
| MF 溝口修平 | 先発 | 6.5 | 左サイドで攻守に走り、C大阪のサイド攻撃にも粘り強く対応 |
| FW 平尾勇人 | ~64分 | 6.0 | 前線からの守備を遂行。攻撃面では大きな見せ場を作れず |
| FW 染野唯月 | 先発 | 6.5 | 前半12分、後半37分とゴールへ迫った。得点できれば評価はさらに上がった |
| FW 福田湧矢 | ~78分 | 7.0 | 前半14分に決定的な枠内シュート。攻撃と守備の両面で走り続けた |
| MF 食野壮磨 | 64分~89分 | 6.0 | 後半終盤にシュートチャンス。流れを変える役割を担った |
| MF 松橋優安 | 64分~89分 | 6.5 | ドリブルでC大阪陣内へ進入し、押し込まれる中でも攻撃の出口となった |
| FW 神田奏真 | 78分~ | 6.0 | 前線から守備を行い、セットプレーでもクリアに貢献 |
| FW 熊取谷一星 | 89分~ | 6.0 | 終盤の守備強度維持を目的に投入 |
| MF 柴戸海 | 89分~ | 6.0 | 試合を締める役割を果たした |
3. 前半分析:立ち上がりは東京V、その後C大阪が主導権
最初の20分は東京Vが完全に上回った
試合開始直後、意外にもペースを握ったのは東京Vでした。
12分、福田の左からのクロスに染野が反応。
14分には新井悠太がPA右から枠内シュートを放ち、中村航輔がセーブ。さらに直後、平川のパスから福田が中央で右足を振り抜き、再び中村が止めました。
20分時点の数字は、
C大阪:シュート0本/xG 0.00
東京V:シュート4本/xG 0.63
東京Vにとって、この時間帯は非常に良かったと言えます。
前線から無理に追い回すのではなく、C大阪の前進する場所を限定。ボールを奪えば福田、新井、染野を使って素早くゴール方向へ進みました。
開幕から結果が出ていないチームとは思えないほど、アグレッシブな立ち上がりでした。
30分以降はC大阪がボールを支配
流れが変化したのは前半半ばからです。
飲水タイムを挟むとC大阪は田中、アーバインを中心にボールを落ち着かせ、東京Vの守備ブロックを左右へ動かします。
30分にはポゼッションが直近15分で69%まで上昇。
そして同じ30分、横山が左からドリブルでPA内へ入り、左足でシュート。ここはマテウスに阻まれました。
その後も横山を中心に左サイドから突破を試み、ディオン・クールズは右からクロスを供給。
前半終了時にはC大阪の支配率が64%まで上昇しました。
ただしシュートはC大阪4本、東京V4本。
「ボールは持ったが、決定機はそれほど増えていない」。
これが前半のC大阪を端的に表していました。
4. 後半分析:C大阪17本までシュートを増やすも最後の壁を破れず
後半開始直後からC大阪が一気にギアを上げる
後半はC大阪が明確にペースを上げました。
開始1分、横山のスルーパスからチアゴ・アンドラーデ。
続く2分には小見が自陣から長い距離をドリブルしてPAまで侵入。
どちらも東京V守備陣にブロックされましたが、「前半より早くゴールへ向かう」という意図がはっきり見えました。
61分、奥田と櫻川を投入
パブロ・マチン監督は61分、中村拓海と小見洋太に代えて奥田勇斗と櫻川ソロモンを投入。
この交代によって攻撃の圧力はさらに強まります。
64分過ぎには大畑からのボールを櫻川がヘディング。
枠へ飛んだシュートでしたが、マテウスがしっかりセーブしました。
さらに68分には奥田が縦へ鋭いスルーパスを送り、田中駿汰がPA中央からシュート。
ただし、これはゴール左へ。
決定機は作れている。
しかし、最後の一振りがわずかに合わない。
C大阪にとって、この試合を象徴する場面でした。
横山夢樹のドリブルが最大の突破口に
この日のC大阪で最も相手守備陣を困らせたのが横山です。
公式速報では後半22分の時点でドリブル成功5回を記録。
左サイドから中へ、あるいは縦へ。
「パスを回すだけ」になりかけた攻撃の中で、個人の突破によって東京Vの守備陣形を動かしていました。
一方で、横山が突破した「その次」のプレーで味方と噛み合わなかった場面も少なくありません。
ここが今後のC大阪にとって重要なポイントでしょう。
香川、パブロ・サバックまで投入するも東京Vが耐える
終盤には香川真司、パブロ・サバックも投入。
ルーカス・フェルナンデス、奥田、櫻川らを含め、一気にゴールへ襲い掛かります。
香川のスルーパスからパブロ・サバックがPA内へ侵入する場面や、奥田のクロス、ルーカスのセットプレーなど、最後の最後までチャンスは作りました。
しかし、そのたびに佐古、鈴木海音、井上竜太らが体を投げ出して対応。
東京Vのゴールは最後まで割れませんでした。
5. なぜセレッソ大阪は得点できなかったのか?
理由①17本打っても「枠内2本」
最大のポイントはここです。
C大阪は17本のシュートを打ちながら、枠内は2本だけでした。
つまり、
シュート数=決定機の数ではなかった
ということです。
東京Vは中央を固め、C大阪にある程度ミドルシュートや角度のない位置から打たせることを許容していました。
C大阪が押し込んでいるように見えても、東京Vからすると「ここなら打たれても構わない」という場所だったケースも多かったと言えます。
理由②クロスに対する東京Vの対応が安定
C大阪は後半、奥田やディオン・クールズから多くのクロスを送りました。
しかし、
佐古真礼。
鈴木海音。
井上竜太。
この3バックがほとんど崩れませんでした。
特に佐古と鈴木は中央で何度もボールを跳ね返しています。
櫻川という高さのあるFWを投入しても、「良い状態でヘディングさせない」守備が徹底されていました。
理由③最後は「もう一つパス」が欲しかった
ボール保持率61%。
シュート17本。
数字を見ると攻撃が機能していたようにも映ります。
ただ、実際には東京Vの守備が整った状態でフィニッシュする場面も少なくありませんでした。
横山が一人をかわしたあと。
チアゴが運んだあと。
奥田が高い位置へ入ったあと。
そこで相手CBを完全に動かす「最後の横パス」「ワンツー」「マイナスへの折り返し」をもっと作れれば、より質の高いシュートにつながったはずです。
6. 東京ヴェルディが勝点1を持ち帰れた理由
最大の勝因は3バックの集中力
0-0の引き分けなので「勝因」という言葉は少し違うかもしれません。
ただ、アウェイで17本のシュートを受けながら無失点。
東京Vにとっては価値の高い勝点1です。
最大の功労者は守備陣でしょう。
特に佐古、鈴木海音、井上竜太の3バック。
さらにGKマテウス。
彼らは中央に入ってくるボールに対して最後まで集中力を保ちました。
守るだけではなかった前半
評価したいのは、東京Vが最初から0-0狙いで引いたわけではないことです。
最初の20分ではシュート4本。
新井と福田が中村航輔にセーブを強いるなど、むしろ先制できそうな時間帯もありました。
試合全体のxGが0.97まで伸びていることを考えても、「守っただけの勝点1」ではありません。
ここは城福浩監督にとって、今後につながる材料でしょう。
7. 両チームの課題と次戦への改善点
セレッソ大阪の課題:「支配」から「決定機」へ
C大阪が改善したいのは明確です。
ボールを持つことをゴールへ結び付けること。
61%の支配率、17本のシュートを記録しながら0点では、上位争いを続ける上で取りこぼしが増えてしまいます。
改善したいポイントは、
- PA内でのラストパスの精度
- クロス一辺倒にならない中央突破
- 横山のドリブル後に周囲が連動すること
- 櫻川を入れた後のセカンドボール回収
- シュートを「打つ」だけではなく「枠へ飛ばす」こと
この5点でしょう。
次節は9月12日、アウェイでサンフレッチェ広島と対戦します。
岡山戦で3失点した広島が相手だけに、東京V戦以上にゴール前の精度が問われそうです。
東京ヴェルディの課題:「耐える」から「勝ち切る」へ
東京Vにとって無失点は大きな収穫です。
一方で、リーグ戦では第6節終了時点でも勝利がありません。
守備だけで残留争いを抜け出すのは難しいでしょう。
特に改善したいのは、
- 前半の良い時間帯で先制する決定力
- ボールを奪った後のサポート人数
- 染野を孤立させない攻撃
- 押し込まれた時間帯でも相手陣内で休む時間を作ること
です。
前半20分までのサッカーを90分の中でもう少し長く続けられれば、勝点1を勝点3へ変えられる可能性は十分あります。
次節は9月13日、味の素スタジアムでジェフユナイテッド千葉と対戦します。
下位同士の直接対決となるだけに、東京Vにとって序盤戦の大きなポイントになりそうです。
8. 今後の順位予想
セレッソ大阪:最終予想5~9位
第6節を終え、C大阪は3勝1分2敗。順位は9位となっています。
守備については中村航輔を中心に安定感があります。
田中、アーバイン、香川、横山、奥田、櫻川、チアゴと、攻撃の選択肢も豊富です。
そのため大きく順位を落とす可能性は低いと見ます。
一方で今回の東京V戦のように、「押し込んだのに勝てない試合」をどれだけ減らせるかが上位進出への鍵。
現時点では最終5~9位を予想します。
フィニッシュ精度が上がれば、ACL圏を争う位置まで浮上する可能性もありそうです。
東京ヴェルディ:最終予想15~19位
東京Vは開幕から苦しいスタートを切っています。
ただ、このC大阪戦では明確な光も見えました。
マテウスを中心とした守備陣は簡単には崩れず、前半には相手ゴールへ迫る時間帯も作れています。
残留争いを抜け出すために必要なのは、やはり得点です。
守備で0に抑えても、自分たちが0なら勝点は1。
「1-0で勝つための1点」をどう奪うか。
染野、福田、新井、食野ら攻撃陣が数字を残し始めれば、順位を一気に上げる可能性があります。
現時点では最終15~19位と予想します。
9. まとめ:C大阪には「勝点2を逃したドロー」、東京Vには「次につながる勝点1」
セレッソ大阪0-0東京ヴェルディ。
同じ「勝点1」でも、両チームが受け取る感覚はかなり違うはずです。
C大阪にとってはホームでシュート17本、支配率61%。
それだけに、「勝てた試合だった」という悔しさが残ります。
一方の東京Vにとっては、ここまで結果が出ていない状況でアウェイのC大阪を無失点に抑えたことは大きな収穫です。
そして、この試合で改めて感じさせられたのは、
サッカーはシュート数を競う競技ではない
という当たり前の事実です。
17本打っても0点。
6本でも0点。
ゴール前で最後の一つを仕留められるか。
最後の一つを守り切れるか。
C大阪には「崩し切る力」。
東京Vには「仕留め切る力」。
0-0というスコアだからこそ、両チームに必要なものが非常にはっきりと見えた90分でした。
次節、このドローからどちらが先に一歩前へ進むのか。
C大阪の上位争い、東京Vの残留争いを占う意味でも、今後の戦いに注目です。
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「開幕から苦しい戦いが続く東京ヴェルディは、何を変えて勝点1を持ち帰ったのか?」
2026年9月6日、YANMAR HANASAKA STADIUMで行われた明治安田J1リーグ第6節、セレッソ大阪対東京ヴェルディ。
試合は0-0のスコアレスドローに終わりました。
数字だけを見ると、ボール支配率61%、シュート17本を記録したC大阪が押し込んだ一戦です。しかし、枠内シュートはわずか2本。対する東京Vもシュート6本のうち2本を枠へ飛ばしており、単純な「C大阪の一方的な試合」ではありませんでした。
むしろ前半20分までは東京Vがシュート4本、C大阪が0本。東京Vが積極的な入りを見せ、その後C大阪が徐々に主導権を奪い返すという、時間帯によって表情が大きく変わる試合でした。最終的なゴール期待値(xG)もC大阪1.12、東京V0.97と、それほど極端な差はありません。
本記事では、両チームのスタメン・途中出場選手を独自採点するとともに、0-0となった理由、C大阪の攻撃が最後までゴールにつながらなかった原因、東京Vが手にした勝点1の価値、そして両チームが次戦までに修正したいポイントまで詳しく分析します。
目次
- はじめに:0-0でも見どころの多かった90分
- 試合結果・スタメン・全出場選手採点
- 前半分析:立ち上がりは東京V、その後C大阪が主導権
- 後半分析:C大阪17本までシュートを増やすも最後の壁を破れず
- なぜセレッソ大阪は得点できなかったのか?
- 東京ヴェルディが勝点1を持ち帰れた理由
- 両チームの課題と次戦への改善点
- 今後の順位予想
- まとめ
1. はじめに:0-0でも見どころの多かった90分
スコアだけを見れば「0-0」。
派手さを感じない結果かもしれません。
ただし、中身を見れば攻守の駆け引きが詰まった一戦でした。
C大阪は前節、首位を走っていた柏レイソルを2-0で撃破。勢いに乗って連勝を狙うホームゲームでした。一方の東京Vは開幕5試合を終えて未勝利。何としても流れを変えたい状況で大阪へ乗り込んでいます。
両チームとも基本布陣は3-4-2-1。
C大阪は前節から奥田勇斗、香川真司、櫻川ソロモンを外し、中村拓海、小見洋太、横山夢樹を先発へ。東京Vも4人を変更し、佐古真礼、新井悠太、齋藤功佑、平尾勇人をスタートから起用しました。
連戦の影響もあり、両監督が選手のコンディションと戦術の両面を考えたメンバー選考だったことが分かります。
2. 試合結果・スタメン・全出場選手採点
試合結果
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 大会 | 2026/27 明治安田J1リーグ 第6節 |
| 開催日 | 2026年9月6日 |
| 会場 | YANMAR HANASAKA STADIUM |
| 結果 | セレッソ大阪 0-0 東京ヴェルディ |
| 前半 | 0-0 |
| 後半 | 0-0 |
| C大阪シュート | 17本 |
| 東京Vシュート | 6本 |
| 枠内シュート | C大阪2本/東京V2本 |
| ボール支配率 | C大阪61%/東京V39% |
| xG | C大阪1.12/東京V0.97 |
| 入場者数 | 16,939人 |
最終的にC大阪はシュート17本、東京Vは6本。パス成功率もC大阪81%、東京V69%と、ボールを動かす局面ではC大阪が優位に立ちました。
※以下の評価点はJリーグ公式採点ではありません。試合内容、攻守への貢献、決定機への関与などを踏まえた「ワールドサッカーポータル編集部独自採点」です。
セレッソ大阪|スタメン・途中出場選手採点
先発および交代選手は公式試合記録に基づいています。
| 選手 | 出場 | 採点 | 評価 |
|---|---|---|---|
| GK 中村航輔 | 先発 | 7.0 | 前半14分に立て続けに訪れた東京Vの枠内シュートを阻止。無失点に大きく貢献 |
| DF 井上黎生人 | 先発 | 6.5 | 前半からクロスを複数回処理。後方からも安定したプレー |
| DF ディオン・クールズ | 先発 | 6.5 | 攻撃時には積極的に前進。シュートやクロスでも存在感 |
| DF 畠中槙之輔 | 先発 | 6.5 | 東京Vのカウンターを警戒しながら最終ラインを安定させた |
| MF 中村拓海 | ~61分 | 6.5 | セットプレーのキッカーを担当し、右サイドから攻撃を組み立てた |
| MF 田中駿汰 | 先発 | 7.0 | 中盤で試合をコントロール。後半には奥田のパスから決定機にも顔を出した |
| MF 横山夢樹 | ~85分 | 7.0 | この日の攻撃で最も違いを作った一人。ドリブル成功を重ね、左サイドから何度も侵入 |
| MF ジャクソン・アーバイン | 先発 | 6.5 | 中盤の強度を保ち、セットプレーではゴール前にも侵入 |
| MF 小見洋太 | ~61分 | 6.0 | 積極的にゴールへ向かったが、決定的な仕事までは届かず。53分に警告 |
| MF 大畑歩夢 | ~85分 | 6.5 | 左サイドを上下動し攻撃参加。ミドルシュートも狙った |
| FW チアゴ・アンドラーデ | ~73分 | 6.5 | ドリブルで相手守備陣に圧力。ただ、シュート精度には課題が残った |
| DF 奥田勇斗 | 61分~ | 7.0 | 入った直後から攻撃を活性化。田中へのスルーパスなどチャンスを作った |
| FW 櫻川ソロモン | 61分~ | 6.5 | 大畑のボールからヘディングシュート。マテウスに阻まれたがゴール前の基準点に |
| MF ルーカス・フェルナンデス | 73分~ | 6.5 | CK、FK、ドリブルで終盤の猛攻を牽引 |
| MF 香川真司 | 85分~ | 6.5 | 短時間ながらPA内でボールを受け、狭い局面で攻撃を整理 |
| FW パブロ・サバック | 85分~ | 6.5 | 終盤に右からPA内へ侵入。得点にはならなかったが怖さを作った |
東京ヴェルディ|スタメン・途中出場選手採点
東京Vは佐古真礼、新井悠太らを先発起用。終盤まで5バック気味の守備ブロックを崩さず、C大阪の17本のシュートを無得点に抑えました。
| 選手 | 出場 | 採点 | 評価 |
|---|---|---|---|
| GK マテウス | 先発 | 7.5 | MOM候補。横山、櫻川のシュートを止め、最後までゴールを許さなかった |
| DF 鈴木海音 | 先発 | 7.5 | 再三のクロスをクリア。チアゴ、櫻川への対応でも存在感 |
| DF 佐古真礼 | 先発 | 7.5 | ゴール前で何度も決定的なクリア。C大阪の中央突破を最後まで許さず |
| DF 井上竜太 | 先発 | 7.0 | 終盤まで集中を切らさず、クロス攻撃への対応を続けた |
| MF 新井悠太 | 先発 | 7.0 | 前半14分に枠内シュート。守備でも横山らへの対応に追われながら粘った |
| MF 齋藤功佑 | ~64分 | 6.5 | 中盤からボールを引き出し、立ち上がりの良い流れに貢献 |
| MF 平川怜 | 先発 | 7.0 | セットプレーとゲームメークを担当。前半の主導権確保を支えた |
| MF 溝口修平 | 先発 | 6.5 | 左サイドで攻守に走り、C大阪のサイド攻撃にも粘り強く対応 |
| FW 平尾勇人 | ~64分 | 6.0 | 前線からの守備を遂行。攻撃面では大きな見せ場を作れず |
| FW 染野唯月 | 先発 | 6.5 | 前半12分、後半37分とゴールへ迫った。得点できれば評価はさらに上がった |
| FW 福田湧矢 | ~78分 | 7.0 | 前半14分に決定的な枠内シュート。攻撃と守備の両面で走り続けた |
| MF 食野壮磨 | 64分~89分 | 6.0 | 後半終盤にシュートチャンス。流れを変える役割を担った |
| MF 松橋優安 | 64分~89分 | 6.5 | ドリブルでC大阪陣内へ進入し、押し込まれる中でも攻撃の出口となった |
| FW 神田奏真 | 78分~ | 6.0 | 前線から守備を行い、セットプレーでもクリアに貢献 |
| FW 熊取谷一星 | 89分~ | 6.0 | 終盤の守備強度維持を目的に投入 |
| MF 柴戸海 | 89分~ | 6.0 | 試合を締める役割を果たした |
3. 前半分析:立ち上がりは東京V、その後C大阪が主導権
最初の20分は東京Vが完全に上回った
試合開始直後、意外にもペースを握ったのは東京Vでした。
12分、福田の左からのクロスに染野が反応。
14分には新井悠太がPA右から枠内シュートを放ち、中村航輔がセーブ。さらに直後、平川のパスから福田が中央で右足を振り抜き、再び中村が止めました。
20分時点の数字は、
C大阪:シュート0本/xG 0.00
東京V:シュート4本/xG 0.63
東京Vにとって、この時間帯は非常に良かったと言えます。
前線から無理に追い回すのではなく、C大阪の前進する場所を限定。ボールを奪えば福田、新井、染野を使って素早くゴール方向へ進みました。
開幕から結果が出ていないチームとは思えないほど、アグレッシブな立ち上がりでした。
30分以降はC大阪がボールを支配
流れが変化したのは前半半ばからです。
飲水タイムを挟むとC大阪は田中、アーバインを中心にボールを落ち着かせ、東京Vの守備ブロックを左右へ動かします。
30分にはポゼッションが直近15分で69%まで上昇。
そして同じ30分、横山が左からドリブルでPA内へ入り、左足でシュート。ここはマテウスに阻まれました。
その後も横山を中心に左サイドから突破を試み、ディオン・クールズは右からクロスを供給。
前半終了時にはC大阪の支配率が64%まで上昇しました。
ただしシュートはC大阪4本、東京V4本。
「ボールは持ったが、決定機はそれほど増えていない」。
これが前半のC大阪を端的に表していました。
4. 後半分析:C大阪17本までシュートを増やすも最後の壁を破れず
後半開始直後からC大阪が一気にギアを上げる
後半はC大阪が明確にペースを上げました。
開始1分、横山のスルーパスからチアゴ・アンドラーデ。
続く2分には小見が自陣から長い距離をドリブルしてPAまで侵入。
どちらも東京V守備陣にブロックされましたが、「前半より早くゴールへ向かう」という意図がはっきり見えました。
61分、奥田と櫻川を投入
パブロ・マチン監督は61分、中村拓海と小見洋太に代えて奥田勇斗と櫻川ソロモンを投入。
この交代によって攻撃の圧力はさらに強まります。
64分過ぎには大畑からのボールを櫻川がヘディング。
枠へ飛んだシュートでしたが、マテウスがしっかりセーブしました。
さらに68分には奥田が縦へ鋭いスルーパスを送り、田中駿汰がPA中央からシュート。
ただし、これはゴール左へ。
決定機は作れている。
しかし、最後の一振りがわずかに合わない。
C大阪にとって、この試合を象徴する場面でした。
横山夢樹のドリブルが最大の突破口に
この日のC大阪で最も相手守備陣を困らせたのが横山です。
公式速報では後半22分の時点でドリブル成功5回を記録。
左サイドから中へ、あるいは縦へ。
「パスを回すだけ」になりかけた攻撃の中で、個人の突破によって東京Vの守備陣形を動かしていました。
一方で、横山が突破した「その次」のプレーで味方と噛み合わなかった場面も少なくありません。
ここが今後のC大阪にとって重要なポイントでしょう。
香川、パブロ・サバックまで投入するも東京Vが耐える
終盤には香川真司、パブロ・サバックも投入。
ルーカス・フェルナンデス、奥田、櫻川らを含め、一気にゴールへ襲い掛かります。
香川のスルーパスからパブロ・サバックがPA内へ侵入する場面や、奥田のクロス、ルーカスのセットプレーなど、最後の最後までチャンスは作りました。
しかし、そのたびに佐古、鈴木海音、井上竜太らが体を投げ出して対応。
東京Vのゴールは最後まで割れませんでした。
5. なぜセレッソ大阪は得点できなかったのか?
理由①17本打っても「枠内2本」
最大のポイントはここです。
C大阪は17本のシュートを打ちながら、枠内は2本だけでした。
つまり、
シュート数=決定機の数ではなかった
ということです。
東京Vは中央を固め、C大阪にある程度ミドルシュートや角度のない位置から打たせることを許容していました。
C大阪が押し込んでいるように見えても、東京Vからすると「ここなら打たれても構わない」という場所だったケースも多かったと言えます。
理由②クロスに対する東京Vの対応が安定
C大阪は後半、奥田やディオン・クールズから多くのクロスを送りました。
しかし、
佐古真礼。
鈴木海音。
井上竜太。
この3バックがほとんど崩れませんでした。
特に佐古と鈴木は中央で何度もボールを跳ね返しています。
櫻川という高さのあるFWを投入しても、「良い状態でヘディングさせない」守備が徹底されていました。
理由③最後は「もう一つパス」が欲しかった
ボール保持率61%。
シュート17本。
数字を見ると攻撃が機能していたようにも映ります。
ただ、実際には東京Vの守備が整った状態でフィニッシュする場面も少なくありませんでした。
横山が一人をかわしたあと。
チアゴが運んだあと。
奥田が高い位置へ入ったあと。
そこで相手CBを完全に動かす「最後の横パス」「ワンツー」「マイナスへの折り返し」をもっと作れれば、より質の高いシュートにつながったはずです。
6. 東京ヴェルディが勝点1を持ち帰れた理由
最大の勝因は3バックの集中力
0-0の引き分けなので「勝因」という言葉は少し違うかもしれません。
ただ、アウェイで17本のシュートを受けながら無失点。
東京Vにとっては価値の高い勝点1です。
最大の功労者は守備陣でしょう。
特に佐古、鈴木海音、井上竜太の3バック。
さらにGKマテウス。
彼らは中央に入ってくるボールに対して最後まで集中力を保ちました。
守るだけではなかった前半
評価したいのは、東京Vが最初から0-0狙いで引いたわけではないことです。
最初の20分ではシュート4本。
新井と福田が中村航輔にセーブを強いるなど、むしろ先制できそうな時間帯もありました。
試合全体のxGが0.97まで伸びていることを考えても、「守っただけの勝点1」ではありません。
ここは城福浩監督にとって、今後につながる材料でしょう。
7. 両チームの課題と次戦への改善点
セレッソ大阪の課題:「支配」から「決定機」へ
C大阪が改善したいのは明確です。
ボールを持つことをゴールへ結び付けること。
61%の支配率、17本のシュートを記録しながら0点では、上位争いを続ける上で取りこぼしが増えてしまいます。
改善したいポイントは、
- PA内でのラストパスの精度
- クロス一辺倒にならない中央突破
- 横山のドリブル後に周囲が連動すること
- 櫻川を入れた後のセカンドボール回収
- シュートを「打つ」だけではなく「枠へ飛ばす」こと
この5点でしょう。
次節は9月12日、アウェイでサンフレッチェ広島と対戦します。
岡山戦で3失点した広島が相手だけに、東京V戦以上にゴール前の精度が問われそうです。
東京ヴェルディの課題:「耐える」から「勝ち切る」へ
東京Vにとって無失点は大きな収穫です。
一方で、リーグ戦では第6節終了時点でも勝利がありません。
守備だけで残留争いを抜け出すのは難しいでしょう。
特に改善したいのは、
- 前半の良い時間帯で先制する決定力
- ボールを奪った後のサポート人数
- 染野を孤立させない攻撃
- 押し込まれた時間帯でも相手陣内で休む時間を作ること
です。
前半20分までのサッカーを90分の中でもう少し長く続けられれば、勝点1を勝点3へ変えられる可能性は十分あります。
次節は9月13日、味の素スタジアムでジェフユナイテッド千葉と対戦します。
下位同士の直接対決となるだけに、東京Vにとって序盤戦の大きなポイントになりそうです。
8. 今後の順位予想
セレッソ大阪:最終予想5~9位
第6節を終え、C大阪は3勝1分2敗。順位は9位となっています。
守備については中村航輔を中心に安定感があります。
田中、アーバイン、香川、横山、奥田、櫻川、チアゴと、攻撃の選択肢も豊富です。
そのため大きく順位を落とす可能性は低いと見ます。
一方で今回の東京V戦のように、「押し込んだのに勝てない試合」をどれだけ減らせるかが上位進出への鍵。
現時点では最終5~9位を予想します。
フィニッシュ精度が上がれば、ACL圏を争う位置まで浮上する可能性もありそうです。
東京ヴェルディ:最終予想15~19位
東京Vは開幕から苦しいスタートを切っています。
ただ、このC大阪戦では明確な光も見えました。
マテウスを中心とした守備陣は簡単には崩れず、前半には相手ゴールへ迫る時間帯も作れています。
残留争いを抜け出すために必要なのは、やはり得点です。
守備で0に抑えても、自分たちが0なら勝点は1。
「1-0で勝つための1点」をどう奪うか。
染野、福田、新井、食野ら攻撃陣が数字を残し始めれば、順位を一気に上げる可能性があります。
現時点では最終15~19位と予想します。
9. まとめ:C大阪には「勝点2を逃したドロー」、東京Vには「次につながる勝点1」
セレッソ大阪0-0東京ヴェルディ。
同じ「勝点1」でも、両チームが受け取る感覚はかなり違うはずです。
C大阪にとってはホームでシュート17本、支配率61%。
それだけに、「勝てた試合だった」という悔しさが残ります。
一方の東京Vにとっては、ここまで結果が出ていない状況でアウェイのC大阪を無失点に抑えたことは大きな収穫です。
そして、この試合で改めて感じさせられたのは、
サッカーはシュート数を競う競技ではない
という当たり前の事実です。
17本打っても0点。
6本でも0点。
ゴール前で最後の一つを仕留められるか。
最後の一つを守り切れるか。
C大阪には「崩し切る力」。
東京Vには「仕留め切る力」。
0-0というスコアだからこそ、両チームに必要なものが非常にはっきりと見えた90分でした。
次節、このドローからどちらが先に一歩前へ進むのか。
C大阪の上位争い、東京Vの残留争いを占う意味でも、今後の戦いに注目です。
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