2026年9月23日にサンガスタジアム by KYOCERAで行われた天皇杯 JFA 第106回全日本サッカー選手権大会3回戦、京都サンガF.C.対藤枝MYFCは、京都が1-0で勝利した。
0-0のまま終盤を迎えた88分、途中出場のエベルトン・マセイオが均衡を破る決勝ゴール。京都は苦しい時間帯を耐えながら最後にJ1クラブとしての選手層を見せ、ラウンド16へ駒を進めた。公式記録ではシュート数8対5、枠内シュート4対3と大差はなく、内容としてはスコア以上に拮抗した一戦だった。
本記事では、試合展開、スタメン、交代策、勝敗を分けたポイント、選手評価、今後の課題まで詳しく分析する。
京都サンガF.C.vs藤枝MYFC 試合結果
試合概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 大会 | 天皇杯 JFA 第106回全日本サッカー選手権大会 3回戦 |
| 開催日 | 2026年9月23日 |
| 会場 | サンガスタジアム by KYOCERA |
| 結果 | 京都サンガF.C. 1-0 藤枝MYFC |
| 前半 | 0-0 |
| 後半 | 1-0 |
| 得点 | 88分 エベルトン・マセイオ(京都) |
| 観客数 | 6,359人 |
京都は前半を無得点で終えたものの、88分に決勝点。JFAの公式記録によると、得点は諸岡裕人→ラファエル・エリアス→エベルトン・マセイオと中央をつないだ形から生まれ、最後はエベルトンが右足で仕留めた。
両チームのスターティングメンバー
京都サンガF.C.
GKはハウス。最終ラインにはアピアタウィア久、永田倖大、加藤蓮、石田侑資が入り、中盤にはチアゴ、松田天馬、尹星俊、佐藤響。前線はラファエル・エリアスとアレックス・ソウザがスタートした。
スタメン
GK:ハウス
DF:アピアタウィア久、永田倖大、加藤蓮、石田侑資
MF:チアゴ、松田天馬、尹星俊、佐藤響
FW:ラファエル・エリアス、アレックス・ソウザ
普段の主力だけに頼る編成ではなく、天皇杯らしく複数の選手に出場機会を与えながら勝ち抜きを狙うメンバー構成だった。
藤枝MYFC
藤枝はGK吉田舜。森侑里、中川創、鈴木翔太が最終ラインに入り、北原槙、上畑佑平士、梶川諒太、青木俊輔が中盤。前線には松木駿之介、菊井悠介、金本毅騎が並んだ。
スタメン
GK:吉田舜
DF:森侑里、中川創、鈴木翔太
MF:北原槙、上畑佑平士、梶川諒太、青木俊輔
FW:松木駿之介、菊井悠介、金本毅騎
藤枝は基本的に3バックを土台とした構成。京都の前線に対して数的バランスを崩さず、ボールを持った際には中盤を経由しながら前進する形を狙った。
前半分析|京都の入りは良好も徐々に間延び
京都は高い位置でボールを奪う
試合序盤は京都が前から圧力を掛けた。
ランコ・ポポヴィッチ監督も試合後、立ち上がりについてプレッシャーからボールを奪い、決定機の一歩手前まで運べていたと振り返っている。一方で、最後のパスの精度を欠き、序盤の良い時間帯に得点へ結び付けることができなかった。
ラファエル・エリアスが前線で基準点となり、京都はサイドや中央から藤枝陣内へ進入したが、「ボールを奪うところ」から「決定機を作るところ」への接続部分で精度が不足していた。
藤枝が京都の中間スペースを利用
時間の経過とともに試合の構図が変わる。
京都は前線と最終ラインの距離が広がり、中盤にスペースを作ってしまった。
ポポヴィッチ監督自身も、1列目から最終ラインまでが間延びし、空いたスペースを藤枝に使われたことを前半の問題として挙げている。
これは藤枝にとって狙いどころとなった。
梶川を中心に中盤でボールを動かし、金本や菊井へボールを届けることで、京都のプレスを一度外してから前進する場面を作った。
0-0で前半終了
藤枝はJ1クラブ相手でも必要以上に引き過ぎなかった。
実際、試合全体のボール保持率は京都49%、藤枝51%。藤枝がわずかながら京都を上回っており、「京都が一方的に押し込んだ試合」ではなかったことが数字にも表れている。
前半は0-0。
京都にとっては試合の入りこそ悪くなかったものの、途中から試合をコントロールし切れない45分となった。
後半分析|諸岡裕人投入で京都のバランスが改善
京都はハーフタイムにチアゴ→諸岡裕人
京都は後半開始からチアゴを下げ、諸岡裕人を投入した。
一方の藤枝も上畑佑平士と菊井悠介を下げ、長尾優斗と川本梨誉を投入。両監督が0-0の段階で早く動いた。
京都にとって、この諸岡投入は大きかった。
ポポヴィッチ監督は後半について、チーム全体のバランスが改善し、交代選手が安定感と勢いをもたらしたと説明している。諸岡自身も尹星俊が前へ出た際に後方をカバーすることを意識していたと試合後に語った。
前半に広がっていた前後の距離が縮まり、京都はセカンドボールを回収しやすくなった。
60分の交代がさらに京都を活性化
エベルトン・マセイオ投入
60分、京都はアピアタウィア久に代えて鈴木義宜、さらに加藤蓮に代えてエベルトン・マセイオを投入した。
この交代によって、京都は攻撃的なカードを一枚増やす。
さらに73分には松田天馬から新井晴樹、アレックス・ソウザから長沢駿へ交代。前線に新しいエネルギーを注入した。
対する藤枝も68分に北原槙と金本毅騎を下げ、近藤優成と真鍋隼虎を投入。73分には松木駿之介から芹生海翔へ交代している。
互いに勝ち越し点を狙ったが、0-0の状態は終盤まで続いた。
88分、エベルトン・マセイオが試合を決める
諸岡→エリアス→エベルトン
均衡が破れたのは88分だった。
JFA公式記録では、
諸岡裕人 → ラファエル・エリアス → エベルトン・マセイオ
と中央でボールがつながり、エベルトンがペナルティーエリア付近から右足でシュート。これがゴールネットを揺らした。
この場面で重要なのは、単純なクロスやセットプレーではなく、中央のコンビネーションから藤枝守備陣の前を攻略したことだ。
前半から京都が課題としていた「アタッキングサードでの質」が、最後の最後で形になった。
エベルトン本人も試合後、ラファエル・エリアスからの落としを受けてシュートを決めたと説明。普段からエリア外からのシュートを練習していたことも明かしている。
スタッツから見る京都vs藤枝
数字以上に接戦だった一戦
| スタッツ | 京都 | 藤枝 |
|---|---|---|
| ボール保持率 | 49% | 51% |
| シュート | 8 | 5 |
| 枠内シュート | 4 | 3 |
| CK | 9 | 6 |
| FK | 12 | 15 |
| 警告 | 2 | 2 |
京都がシュート数、枠内シュート、CKでは上回ったものの、ボール保持率は藤枝が51%。
カテゴリー差を考えても、藤枝は十分に京都と渡り合ったと評価できる。
一方で藤枝は5本しかシュートを放てなかった。ボールを保持する時間は確保できても、それを決定機の量へ変換する部分では京都の守備を崩し切れなかった。
京都サンガが勝利できた3つの理由
1. ハーフタイムで中盤の距離感を修正
最大のポイントはここだろう。
前半の京都は前線と後方が離れ、藤枝に中央のスペースを使われた。
そこで諸岡を投入し、尹星俊との役割を整理。中盤のバランスを取り直したことで、後半はセカンドボールを回収しながら攻撃を継続できるようになった。これはポポヴィッチ監督の試合後コメントとも一致する。
2. ベンチから出た選手が結果を残した
決勝点を決めたエベルトンは60分からの途中出場。
その得点につながるパスを送った諸岡も途中出場だった。
試合を決めた局面に交代選手が複数絡んだことは、京都にとって非常に大きい。
リーグ、ルヴァンカップ、ACL Elite、天皇杯と複数大会を戦うシーズンだけに、スタメン11人だけではなく「途中から違いを作れる選手」の存在は今後さらに重要になる。
3. 藤枝に最後まで先制点を許さなかった
藤枝は3本の枠内シュートを記録したが、京都は無失点で試合を終えた。
天皇杯の一発勝負では先制されればゲームプランが大きく崩れる可能性がある。
攻撃がうまくいかない時間帯でも0-0を維持し、最後の一撃を待てたことが1-0勝利につながった。
京都サンガF.C.個人評価
※採点は公式評価ではなく、本記事独自の10点満点評価です。
| 選手 | 採点 | 評価 |
|---|---|---|
| ハウス | 6.5 | 枠内3本を無失点。接戦でクリーンシートを達成 |
| アピアタウィア久 | 6.0 | 60分まで最終ラインを支えた |
| 永田倖大 | 6.5 | 90分を通して中央の守備を安定させた |
| 加藤蓮 | 6.0 | 攻守でプレーし、60分まで役割を遂行 |
| 石田侑資 | 6.5 | 90分出場。サイドで粘り強く対応 |
| チアゴ | 5.5 | 13分に警告。中盤の距離感に苦しみHT交代 |
| 松田天馬 | 6.0 | 中盤で動きながらボール循環に関与 |
| 尹星俊 | 6.5 | 諸岡投入後は前へ出る役割も担い攻撃を活性化 |
| 佐藤響 | 6.5 | 攻守に運動量を発揮しシュートも記録 |
| ラファエル・エリアス | 7.0 | チーム最多4本のシュート。決勝点をアシスト |
| アレックス・ソウザ | 5.5 | 前線でプレーしたがシュートまで持ち込めず |
| 諸岡裕人 | 7.0 | HTから出場し中盤を安定。決勝点の起点にもなった |
| 鈴木義宜 | 6.5 | 60分から入り無失点でゲームを締めた |
| エベルトン・マセイオ | 7.5 | MOM。88分に値千金の決勝ゴール |
| 新井晴樹 | 6.0 | 終盤の攻撃に新しい推進力を加えた |
| 長沢駿 | 6.0 | 前線でターゲットとなり終盤の攻撃を支えた |
公式記録ではラファエル・エリアスが4本のシュートを記録。途中出場のエベルトンは自身唯一のシュートを決勝点へ結び付けた。
藤枝MYFC個人評価
| 選手 | 採点 | 評価 |
|---|---|---|
| 吉田舜 | 6.5 | 京都の攻撃を長時間無失点に抑えた |
| 森侑里 | 6.0 | J1の前線に対して粘り強く対応 |
| 中川創 | 6.5 | 中央で身体を張り88分まで京都を封じた |
| 鈴木翔太 | 5.5 | 守備で奮闘したが49分に警告 |
| 北原槙 | 6.0 | 中盤から前線につなぐ役割を担った |
| 上畑佑平士 | 5.5 | 前半のみ。中盤で京都の圧力と対峙 |
| 梶川諒太 | 6.5 | 主将としてボール循環の中心となった |
| 青木俊輔 | 6.0 | 中盤でバランスを取り続けた |
| 松木駿之介 | 5.5 | 前線で動いたが決定機は限定的 |
| 菊井悠介 | 6.0 | 枠内シュートを記録し前半の攻撃に関与 |
| 金本毅騎 | 6.5 | チーム最多3本のシュート。最もゴールへ迫った |
| 長尾優斗 | 6.0 | 後半から入り中盤を支えた |
| 川本梨誉 | 6.0 | 途中出場から枠内シュートを記録 |
| 近藤優成 | 6.0 | 68分からサイドに入って対応 |
| 真鍋隼虎 | 6.0 | 終盤の得点を狙って前線へ |
| 芹生海翔 | 5.5 | 73分から出場。限られた時間で突破口を探った |
JFA公式記録では金本が3本、菊井と途中出場の川本が各1本のシュートを記録している。
京都サンガの良かった点
控え組を含めて「勝つ形」を作れた
この試合で最も大きい収穫は、単純なラウンド16進出だけではない。
普段のリーグ戦とは異なる選手構成でも、試合中に修正しながら勝利へ持っていけた点だ。
ポポヴィッチ監督も、コンスタントに出場していない選手へ長い出場時間を与える意図があったと説明している。
その中で諸岡が公式戦デビューから流れを変え、エベルトンが決勝点。
チーム内競争という意味でも価値の高い90分になった。
天皇杯2試合連続の1-0
京都は2回戦でFCマルヤス岡崎を長沢駿のゴールで1-0で下し、今回も藤枝に1-0。
派手さこそないが、天皇杯では2試合続けて無失点勝利となった。
ノックアウト方式では「内容が悪い時間にも失点せず、最後に勝つ」という能力も重要だ。
京都サンガの課題
前線と最終ラインを間延びさせないこと
これは試合後にポポヴィッチ監督自身も明確に指摘した課題だ。
前線だけがプレスへ出て後方が連動できなければ、中盤に広大なスペースができる。
藤枝相手には失点せずに済んだが、J1上位クラスやACL Eliteの相手なら、そのスペースを一気にゴールまで運ばれる危険性がある。
ラストパスの精度
前半には良い位置でボールを奪う場面がありながら、最後のパスで決定機まで到達できない場面があった。
ポポヴィッチ監督とエベルトンの双方が試合後、アタッキングサードでの質を改善点として挙げている。
8本のシュートに対して得点は1。
より早い時間帯に先制できれば、試合運びは大幅に楽になる。
先制後のゲームコントロール
88分に先制した後、京都は安全策としてクリアを多用した。
しかしポポヴィッチ監督は、可能であればボールを保持して相手陣内でゲームを終わらせるべきだったと述べている。
わずかな時間ではあるが、今後タイトルを狙う上では重要なポイントだ。
藤枝MYFCの良かった点
J1京都と互角にボールを動かした
藤枝はボール保持率51%。
アウェイでJ1クラブと対戦しながら、自陣に完全に引きこもる戦い方ではなかった。
特に京都の陣形が間延びした時間には、中盤のスペースを使いながらボールを運ぶことができた。
槙野智章監督体制で取り組んでいる積極的なスタイルが、上位カテゴリー相手にも一定時間通用したと考えられる。
88分まで無失点
京都はラファエル・エリアスを中心に攻めたものの、藤枝守備陣は終盤までゴールを許さなかった。
カテゴリー差を考えれば、最後までアップセットの可能性を残した点はポジティブだ。
藤枝MYFCの課題
ボール保持をシュート数へ変えたい
最大の課題はここだ。
保持率では京都を上回りながら、シュート数は5対8。
さらに5本のうち3本を金本毅騎が放っており、攻撃が一部の選手へ偏った。
シャドー、ウイングバック、ボランチがよりペナルティーエリア周辺へ入れば、相手にとって守りにくい攻撃になる。
90分間の集中力
0-0で延長戦も見えていた88分に失点したことは重い。
決勝点の場面では諸岡からエリアスへ縦につながれ、エリアスの落としからエベルトンにシュートを許した。
中央で連続してボールをつながれた点は、藤枝として振り返る必要があるだろう。
次戦へ向けて
京都は10月3日に再び町田と対戦へ
京都の次の公式戦は、10月3日のJリーグYBCルヴァンカップ4回戦、FC町田ゼルビア戦。さらに10月10日のJ1第9節でも再び町田と対戦する予定となっている。
藤枝戦で出場機会を得た諸岡、エベルトンらが今後どこまで序列へ食い込んでくるかも注目ポイントとなる。
藤枝は中2日で大分戦
藤枝は9月26日にJ2第8節、大分トリニータとのアウェイゲームを控えている。京都戦からわずか3日後の試合となるため、コンディション管理も重要になる。
天皇杯敗退のショックを引きずらず、京都相手に見せたボール保持や守備の粘りをリーグ戦へつなげたい。
まとめ|京都が苦しみながらも「交代選手の力」で勝ち切る
京都サンガF.C. 1-0 藤枝MYFC。
結果だけを見ればJ1クラブがJ2クラブを下した試合だが、内容は決して一方的ではなかった。
藤枝が51%のボール保持率を記録し、京都も前半には陣形が間延び。0-0の状態が88分まで続いたことが、その難しさを物語っている。
それでも京都はハーフタイムから諸岡裕人を投入して中盤を修正し、60分からエベルトン・マセイオを投入。そして最後はその2人が決勝点の流れに絡んだ。
勝敗を分けた最大のポイントは、京都がベンチから流れを変えることができたことだ。
エベルトンの一撃で京都はラウンド16へ進出。天皇杯のラウンド16は12月9日に予定されている。
リーグ戦、ACL Elite、ルヴァンカップも並行して戦う京都にとって、この日の勝利は単なる「1勝」以上に、選手層の厚みを確認できた試合だったと言える。
免責事項
本記事はJFA、Jリーグ、京都サンガF.C.、藤枝MYFCなどの公式発表・公式記録を中心に情報を確認したうえで作成しています。選手評価および戦術分析については公開された試合記録を基にした独自分析であり、公式見解ではありません。また、記事制作にはAIライティングツールを活用し、公開情報との照合・ファクトチェックを行っています。








