アジアサッカー連盟(AFC)は2026年11月3日、サウジアラビアで開催予定だった「AFCアジアカップ2027」を約11か月半延期すると正式発表しました。
当初は2027年1月7日から2月5日に開催される予定でしたが、変更後は2027年12月23日から2028年1月21日となります。背景にはサウジアラビアの治安情勢悪化があり、日本代表の監督交代や2028年ロサンゼルス五輪予選にも大きな影響が出る見通しです。
アジアカップ2027の新しい開催日程
| 項目 | 当初の予定 | 変更後 |
|---|---|---|
| 開幕日 | 2027年1月7日 | 2027年12月23日 |
| 決勝日 | 2027年2月5日 | 2028年1月21日 |
| 開催国 | サウジアラビア | 変更なし |
| 出場国 | 24か国 | 変更なし |
| 開催都市 | リヤド、ジッダ、アル・コバール | 現時点で変更発表なし |
今回決定したのは大会の延期であり、中止や開催国の変更ではありません。大会名称も引き続き「AFCアジアカップサウジアラビア2027」が使用されています。
ただし、新しい日程は今後FIFA(国際サッカー連盟)の承認を受ける必要があります。また、個別の試合日時や会場については再調整が必要です。
開催延期が決まるまでの経緯
延期の最大の要因は、中東情勢の悪化と開催国サウジアラビアへの攻撃です。
2026年10月に入り、イエメンの親イラン武装組織フーシ派によるミサイルやドローン攻撃が相次ぎました。
首都リヤドの国際空港などが攻撃を受け、多数の死傷者が発生。10月22日には東部州の国際空港や石油施設への攻撃も報告されました。
この事態を受け、日本の外務省は10月22日、リヤド州、ジッダを含むマッカ州、アル・コバールを含む東部州などの危険情報をレベル3「渡航中止勧告」に引き上げました。
大会には24か国の選手団に加え、大勢の観客や報道関係者が訪れます。空港の安全確保や航空便の運航、都市間移動などに問題が生じれば、大会運営そのものが困難になります。
10月末までは予定通り開催する方針だった
サウジアラビア側は当初、予定通りの開催に向けて準備を進めていると説明していました。
実際にAFCは10月26日、全試合のキックオフ時刻と会場を確定したと発表しています。
しかし、安全面への懸念は解消されず、AFCと現地組織委員会、サウジアラビアサッカー連盟が協議を継続。その結果、11月3日に延期が正式発表されました。
AFCは地域情勢に伴う物流面の問題や渡航の混乱を理由に挙げ、参加チーム、関係者、観客の安全などを考慮した判断だと説明しています。
一方、サウジアラビア側は大会開催への準備が整っていたと強調。延期後も引き続き開催国として準備を進める方針を示しています。
日本代表の試合日程はどうなる?
日本代表は2026年5月の組み合わせ抽選でグループFに入り、以下の3か国と対戦することが決まっています。
- 第1戦:日本 vs インドネシア
- 第2戦:タイ vs 日本
- 第3戦:日本 vs カタール
現時点で組み合わせの変更は発表されていませんが、当初予定されていた2027年1月11日、16日、20日の試合日程は使用できなくなります。
新しいキックオフ日時や会場については、今後のAFCの発表を待つ必要があります。
森保監督から大岩監督への交代はどうなる?
日本代表にとって特に大きいのが監督人事への影響です。
日本サッカー協会(JFA)は2026年7月、森保一監督がアジアカップ終了まで指揮を執り、その後はU-21日本代表の大岩剛監督が後任として就任すると発表していました。
ところが大会が約1年延期されたため、当初の計画を見直す必要が生じています。
一部では森保監督が2026年内に退任し、2027年から大岩監督がA代表を率いる可能性も報じられています。
ただし、11月4日時点でJFAから監督交代時期の変更は正式発表されていません。
JFAの宮本恒靖会長は延期について、安全を最優先としたAFCの判断を尊重する考えを示し、日本代表が最良の準備を行えるよう関係各所と対応するとコメントしています。
2028年ロサンゼルス五輪予選と日程が重複!
今回の延期でもう一つ大きな問題となるのが、U-23日本代表の活動です。
2028年1月4日から22日には、日本で「AFC U23アジアカップ2028」が開催される予定です。この大会はロサンゼルス五輪のアジア予選を兼ねています。
しかし、延期されたA代表のアジアカップは2027年12月23日から2028年1月21日。両大会は2028年1月4日から21日までの18日間、完全に重なります。
大岩監督はA代表と五輪世代の代表を兼任する予定でしたが、同時期に別々の国で開催される大会を指揮することは現実的ではありません。
監督やコーチ陣の役割分担、選手招集、五輪に向けた強化計画など、JFAは大幅な調整を迫られる可能性があります。
欧州組の招集や国内リーグへの影響も
大会が年末年始に移ることで、海外クラブに所属する日本代表選手の招集にも影響が考えられます。
欧州では12月から1月もリーグ戦が行われる国があり、日本でもJリーグが秋春制に移行しています。
FIFAの承認は、各クラブが代表選手を大会に派遣する義務に関わる重要な手続きです。大会前の合宿期間やクラブとの調整、選手のコンディション管理が今後の課題となります。
また、現地観戦を予定していたサポーターにとっても、航空券や宿泊施設、休暇日程などの再検討が必要です。すでに予約している場合は、キャンセル条件などを確認する必要があります。
今後の焦点はFIFA承認と日本代表の新体制
今回の延期によって、大会が直ちに中止されるわけではありません。ただし、2027年末までにサウジアラビアの安全な開催環境が確保できるかは、引き続き重要な課題となります。
今後の注目点は、新日程のFIFA承認、試合日程の再発表、日本代表の監督交代時期、そして五輪予選との日程調整です。
まとめ
アジアカップ2027は中東情勢の悪化により、2027年12月23日開幕、2028年1月21日決勝へ延期されることになりました。
日本代表では森保監督から大岩監督への引き継ぎに影響が出るほか、2028年1月のU-23アジアカップと日程が重なるという新たな問題も浮上しています。
安全を最優先とする今回の決定を受け、アジア王座奪還を目指す日本代表がどのような新体制・日程で準備を進めるのか、今後の動向に注目です。










