2026年8月26日に行われた「天皇杯 JFA 第106回全日本サッカー選手権大会」2回戦、V・ファーレン長崎vs愛媛FC。
前半は0-0。ところが後半に入ると試合は一変し、53分から72分までのわずか19分間に両チーム合わせて5ゴールが生まれる壮絶な展開となりました。
最終スコアはV・ファーレン長崎 3-2 愛媛FC。J1の長崎がカテゴリーの違いを見せて順当に勝った――と結果だけを見ればそう映るかもしれません。
しかし実際の90分は、それほど単純ではありません。
長崎が2点を先行した直後、愛媛が交代策をきっかけにわずか7分で同点。完全に試合を振り出しへ戻した直後に、長崎の澤田崇が決勝点を奪いました。まさに天皇杯らしい、一発勝負の怖さが詰まった試合です。公式記録では長崎がシュート12本、愛媛が4本。数字では長崎優勢ながら、スコアは最後まで1点差でした。
本記事では、**2026年8月27日現在の公式記録をもとに、両チームのスタメン、試合の流れ、5つのゴール、そして「なぜ3-2という結果になったのか」**を詳しく振り返ります。
目次
- はじめに:前半0-0から一気に動いた19分間
- 長崎vs愛媛の試合結果・スタメン
- 【試合展開】前半から後半5ゴールまでを時系列で分析
- この試合の見どころとなった3つのシーン
- なぜ長崎が3-2で勝てたのか?勝敗を分けたポイント
- まとめ:愛媛を振り切った長崎の「選手層」と勝負強さ
- 免責事項
1. はじめに:前半0-0から一気に動いた19分間
試合は8月26日19時03分、PEACE STADIUM Connected by SoftBankでキックオフ。
公式記録によると観客数は5,578人。気温30.9℃、湿度73%という厳しいコンディションで、前後半ともに飲水タイムが設けられました。
長崎にとっては、直前のJ1リーグ柏レイソル戦で2-4と敗れた後の公式戦。しかも3日後の8月29日にはFC東京とのリーグ戦を控えており、ターンオーバーも必要な状況でした。柏戦からは先発8人を変更し、波多野豪、関口正大、澤田崇、松本天夢、洪怜鎭らが先発しています。
一方の愛媛は、8月22日のJ3松本山雅FC戦を2-2で終えたばかり。驚くべきことに、その松本戦から先発11人を一人も変更せず長崎戦に臨みました。GK辻周吾、3バックの黒石貴哉、杉山耕二、谷岡昌、中盤の日野翔太、そして最前線の田村翔太まで同じ顔ぶれです。
「選手を大幅に入れ替えたJ1長崎」と「リーグ戦と同じ11人で挑んだJ3愛媛」。
この対照的なメンバー構成も、後半の激しい展開を見る上で重要なポイントになりました。
2. 長崎vs愛媛の試合結果・スタメン
試合結果
天皇杯 JFA 第106回全日本サッカー選手権大会 2回戦
- 開催日:2026年8月26日
- 会場:PEACE STADIUM Connected by SoftBank
- 観客数:5,578人
- V・ファーレン長崎 3-2 愛媛FC
- 前半:0-0
- 後半:3-2
得点
V・ファーレン長崎
- 53分 洪 怜鎭
- 60分 関口 正大
- 72分 澤田 崇
愛媛FC
- 62分 樺山 諒乃介
- 67分 オウンゴール
V・ファーレン長崎 スターティングメンバー
GK
- 13 波多野 豪
DF
- 3 関口 正大(キャプテン)
- 17 高畑 奎汰
- 29 新井 一耀
- 50 進藤 亮佑
MF
- 19 澤田 崇
- 21 ディエゴ・ピトゥカ
- 22 翁長 聖
- 24 山田 陸
- 34 松本 天夢
FW
- 39 洪 怜鎭
監督
- 高木 琢也
愛媛FC スターティングメンバー
GK
- 36 辻 周吾
DF
- 5 黒石 貴哉(キャプテン)
- 50 杉山 耕二
- 6 谷岡 昌
MF
- 8 上村 周平
- 22 竹本 雄飛
- 23 宮本 航汰
- 49 阿部 稜汰
- 14 斉藤 涼優
- 38 日野 翔太
FW
- 17 田村 翔太
登録ポジションを見ると、長崎は4バックをベースに中盤へ人数を置いた構成。対する愛媛は3バック系の布陣で、日野ら中盤の選手がボールに関わりながら攻撃を組み立てる形でした。
3. 【試合展開】前半から後半5ゴールまでを時系列で分析
前半:長崎が押し込むも、愛媛が0-0で耐える
前半はスコアが動きませんでした。
ただし「互角の0-0」だったかというと、数字から見える内容は少し違います。
JFA公式記録では、前半のシュート数は長崎6本、愛媛1本。長崎がより多くフィニッシュまで持ち込みながらも、最後の部分でゴールを割り切れませんでした。
愛媛としては、J1チームのホームで早い時間帯に失点する展開だけは避けたいところ。押し込まれる時間がありながらもGK辻を中心に粘り、前半を無失点で終えたことはゲームプラン上、大きな意味がありました。
長崎は38分という比較的早い時間に松本天夢を下げ、長谷川元希を投入。さらにハーフタイムには高畑奎汰から米田隼也へ交代しています。
そして、この長谷川投入が後半開始早々の先制点につながります。
53分:洪怜鎭がバースデーゴール
均衡を破ったのは長崎でした。
53分、右サイドから関口正大がつなぎ、長谷川元希が中央へ運んで洪怜鎭へ。洪が中央からワンタッチの右足シュートを決め、長崎が1-0と先制します。
しかも8月26日は洪本人の23歳の誕生日。
試合後にはゴール後の雄叫びについて、得点した瞬間にさまざまな思いが込み上げ「喜びが爆発した」という趣旨のコメントを残しています。まさに文字通りのバースデーゴールでした。
60分:関口正大が追加点、長崎2-0
続く60分。
ディエゴ・ピトゥカから山田陸、そして関口正大へと中央で細かくつなぎ、最後は関口がワンタッチで右足シュート。
長崎が2-0とします。
この時点では「ここから長崎が一気に突き放すのでは」と感じた人も多かったはずです。
しかし、試合が本当に面白くなるのはここからでした。
60分:愛媛が一気に3枚替え
2点目を許した愛媛の大木武監督は、60分に勝負へ出ます。
- 谷岡昌 → 細谷航平
- 竹本雄飛 → 山下雄大
- 田村翔太 → 樺山諒乃介
一気に3人を交代。
そして、この采配が即座に結果へ表れます。
62分:投入された3人が絡み、樺山諒乃介が反撃弾
交代からわずか2分後。
細谷から山下へつなぎ、山下が中央へ運んで樺山へ。樺山もドリブルでゴールへ向かい、右足で仕留めました。
2-1。
驚くべきなのは、このゴールに60分から入った細谷、山下、樺山の3人全員が関わっていることです。
大木監督の3枚替えが、これ以上ないほど鮮やかに的中した場面でした。
67分:愛媛がわずか7分で2-2へ
さらに5分後。
日野翔太が中央から前進し、右サイドの阿部稜汰へ。阿部がゴール前へボールを送り、長崎守備陣に当たってオウンゴール。
愛媛が2-2に追いつきます。
60分に2-0。
そこから62分、67分と失点。
長崎にとっては、完全に自分たちの試合になりかけていた流れを、わずか7分間で失った形でした。
72分:澤田崇が試合を決める
しかし長崎は崩れませんでした。
同点からわずか5分後の72分。
相手陣で生まれたボールを澤田崇が拾うと、そのまま中央を前進。最後は左足でシュートを決め、3-2。
この得点が決勝点となりました。
派手な崩しというより、混乱したゲームの中で生まれた一瞬のスペースを見逃さず、自分で運んで仕留めたゴール。
経験豊富な澤田の判断力と決定力が光った場面でした。
4. この試合の見どころとなった3つのシーン
見どころ① 洪怜鎭のバースデーゴール
まず外せないのが53分の洪怜鎭です。
この日は23歳の誕生日。さらに長崎は前半6本のシュートを放ちながら得点できておらず、チームとしても嫌な空気になりかねない時間帯でした。
そこできっちり先制点を決めた価値は大きいでしょう。
試合後、洪はシーズンの目標として「5ゴール5アシスト」を掲げていることも明かしており、今後のリーグ戦で出場時間を増やすためにも大きなアピールとなる1点でした。
見どころ② 大木監督の「60分3枚替え」
この試合で戦術的に最も面白かった場面は、間違いなく愛媛の交代策です。
2点差にされた直後、3人を同時投入。
その2分後に、その3人すべてが関わる形から樺山が得点しました。
交代策には「流れを変える」という言葉がよく使われますが、これほど分かりやすく試合を変えたケースも珍しいでしょう。
カテゴリーが下のチームであっても、ベンチワーク一つでJ1クラブを一気に追い詰められる。天皇杯の怖さを象徴する場面でした。
見どころ③ 2-2直後に奪った澤田崇の決勝点
長崎にとって最も評価したいのは、追いつかれた後です。
2-0から2-2。
ホームで格下カテゴリーの相手に追いつかれれば、心理的には完全に愛媛側へ流れが傾いてもおかしくありません。
それでも長崎はわずか5分後に勝ち越しました。
ここで決めたのが、長く長崎で戦ってきた澤田。
「試合が壊れかけた時間帯に、経験のある選手が一本で落ち着かせた」という点で、このゴールは単なる3点目以上の価値がありました。
5. なぜ長崎が3-2で勝てたのか?勝敗を分けたポイント
① シュート12対4。最終的なチャンス量では長崎が上回った
最も分かりやすい数字がシュート数です。
長崎12本、愛媛4本。
愛媛は4本のシュートと相手オウンゴールを含めて2得点まで迫りましたが、90分を通してより多くゴールへ接近していたのは長崎でした。
愛媛の効率の良さは評価すべきですが、同時に「少ないチャンスをほぼ最大限に得点へ変えなければならなかった」という苦しい構図でもあります。
② 長崎は8人を入れ替えても勝てる選手層があった
直前の柏戦から長崎は先発8人を変更。
それでも先発にはピトゥカ、澤田、山田、関口らが入り、ベンチには山口蛍、チアゴ・サンタナ、保田堅心、岩崎悠人らを残していました。
57分にはチアゴ・サンタナと江川湧清、76分には山口蛍を投入。
一発勝負のカップ戦では、試合終盤になるほど「ベンチから誰を出せるか」が大きな差になります。
先発を大幅に入れ替えながらも、苦しい時間帯に主力級を追加できた長崎の選手層は、やはり大きな武器でした。
③ 愛媛の交代策は成功。ただし最後の1点を奪う余力が残らなかった
愛媛は松本戦から先発11人を変えず、中3日で長崎戦に臨みました。
30℃を超える暑さの中、J1長崎を相手に同じメンバーで戦うのは簡単ではありません。
60分の3枚替えによって一度は2-2まで持ち込みましたが、そこからさらにもう一段ギアを上げて3点目を奪うだけの余力を作れなかったことは、結果的に大きかったと考えられます。
それでも、J1クラブ相手にアウェーで2点差を追いついた内容は決して悲観するものではありません。
むしろ大木監督の交代策、途中出場した樺山や山下、細谷の働きには、今後のJ3リーグへつながる材料が見えました。
④ 最後は「決め切れる選手」がいる長崎が上回った
この試合を最終的に分けたのは、難しい局面でゴールを奪える個の力だったように映ります。
洪、関口、澤田。
長崎の3得点はすべて別の選手でした。
特定のストライカーだけに依存せず、DF、MF、FWそれぞれのポジションから得点者が出たことも大きな収穫です。
中でも2-2直後の澤田の一発は、ゲームの流れとは別に「一人の判断と技術で状況を変えられる」J1クラブの強みが出たシーンだったと言えるでしょう。
6. まとめ:愛媛を振り切った長崎の「選手層」と勝負強さ
2026年8月26日の天皇杯2回戦、V・ファーレン長崎vs愛媛FCは3-2で長崎が勝利しました。
前半は0-0。
53分に洪怜鎭が先制し、60分に関口正大が追加点。
しかし愛媛は60分の3枚替えから樺山諒乃介が62分に得点すると、67分にはオウンゴールを誘発して2-2まで追いつきます。
そして最後に試合を決めたのが、72分の澤田崇でした。
長崎からすれば、2点差を一度追いつかれた守備面には課題が残ります。一方で、柏戦から先発を8人変更しながら勝ち切り、洪や澤田ら普段から出場機会を争う選手が結果を残したことは、過密日程を戦う上で大きなプラス材料です。
愛媛も敗れはしたものの、J1相手のアウェーゲームで2点差を一度ひっくり返しかけました。特に60分の3枚替えから見せた反撃は、この試合最大の見せ場だったと言っていいでしょう。
スコアだけなら「3-2でJ1長崎が勝利」。
しかし90分を細かく振り返れば、長崎の選手層、愛媛のベンチワーク、そして2-2直後の勝負強さが複雑に絡み合った試合でした。
これこそ、カテゴリー差だけでは勝敗を語れない天皇杯の面白さです。
免責事項
当サイトのコンテンツは、2026年8月27日時点で公開されている日本サッカー協会(JFA)、Jリーグ、各クラブ公式サイトなどの公式記録・公開情報を中心に、複数のサッカー情報を確認したうえで、運営事務局およびAIライティングサポートツールを活用して作成・編集しております。
試合結果、得点時間、出場選手、交代時間、警告、各種スタッツ等については可能な限り正確な情報の掲載に努めていますが、公式記録の訂正、クラブ側の情報更新、集計方法の違いなどにより、後日内容が変更される場合があります。
また、試合内容や戦術、勝敗要因に関する記述には、公式記録をもとにした当サイト独自の分析・見解が含まれます。選手・監督・クラブの公式見解を示すものではありません。
最新かつ正式な試合記録については、日本サッカー協会(JFA)、JリーグおよびV・ファーレン長崎、愛媛FCの公式サイト等をご確認ください。本記事の情報を利用したことによって発生した損害・不利益等について、当サイトは責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。









