2026年9月24日に行われたUEFAネーションズリーグ2026-27・リーグAグループ2第1節、オランダ代表vsドイツ代表。
ヨハン・クライフ・アレナで行われた欧州屈指の伝統カードは、最後の最後にドラマが待っていた。
前半32分、フェリックス・ヌメチャのゴールでドイツが先制。
そのままユルゲン・クロップ新監督の初陣勝利が目前に迫ったが、後半アディショナルタイム90+2分、コーディ・ガクポが鮮やかなボレーシュートを叩き込み、オランダが土壇場で同点に追いついた。
オランダ1-1ドイツ。
クロップ率いる新生ドイツと、シャビ・エルナンデス監督率いる新生オランダ。
世界的な名将2人の代表監督デビュー戦は、両者が勝点1を分け合う劇的な結末となった。
オランダ代表vsドイツ代表|試合結果
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 大会 | UEFAネーションズリーグ2026-27 |
| ラウンド | リーグA・グループ2 第1節 |
| 開催日 | 2026年9月24日 |
| 会場 | ヨハン・クライフ・アレナ |
| 結果 | オランダ 1-1 ドイツ |
| ドイツ得点 | 32分 フェリックス・ヌメチャ |
| オランダ得点 | 90+2分 コーディ・ガクポ |
UEFA公式も、ガクポのアディショナルタイム弾によってオランダが勝点1を確保したと伝えている。
両国とも新監督の初陣
オランダはシャビ・エルナンデス体制がスタート
2026年ワールドカップ後、オランダ代表はロナルド・クーマン前監督からシャビ・エルナンデス監督へバトンタッチ。
バルセロナやスペイン代表で世界最高峰のMFとして活躍し、指導者としてもバルセロナを率いたシャビが、今度はオランダ代表の再建を託された。
シャビは就任時から、ボールを持つことだけではなく、高いインテンシティーと主体的なサッカーを求める姿勢を示していた。
その初戦が、いきなり宿敵ドイツ。
簡単ではない船出となった。
ドイツはユルゲン・クロップ時代へ
一方のドイツも新体制。
2026年ワールドカップ・ラウンド32敗退後、ユリアン・ナーゲルスマン前監督に代わり、ユルゲン・クロップが就任した。
リヴァプール、ドルトムントで数々の成功を収めたクロップが代表監督を務めるのは今回が初めて。
就任後は、自身の代名詞でもある高強度のサッカーを代表チームにも導入しようとしている。
そんな世界的名将同士の初陣が、オランダvsドイツだった。
試合開始前からドイツにアクシデント
ムシアラがウォーミングアップで離脱
ドイツはキックオフ前から予想外の事態に見舞われた。
ジャマル・ムシアラがウォーミングアップ中に太ももの違和感を訴え、先発を回避。
急きょナディーム・アミリがスターティングメンバーへ入った。
クロップ新体制の攻撃を担う存在として期待されたムシアラを試合直前に欠くこととなり、ドイツとしては難しいスタートだった。
前半13分|ファン・ダイクのゴールはVARで取り消し
オランダが先にネットを揺らす
試合序盤はホームのオランダが圧力を掛ける。
13分、ティジャニ・ラインデルスのCKからキャプテンのフィルジル・ファン・ダイクが頭で合わせ、ネットを揺らした。
スタジアムは大きく沸いた。
しかしVARが介入。
ブライアン・ブロビーがドイツGKマルク=アンドレ・テア・シュテーゲンのプレーを妨害したと判定され、ゴールは取り消しとなった。
新生オランダの初ゴールは幻となった。
ドイツに再びアクシデント|ハフェルツ負傷
30分に途中交代
さらに30分。
今度はカイ・ハフェルツが負傷し、プレー続行不可能となった。
クロップはユネス・エブヌタリブを投入。
ムシアラに続きハフェルツまで欠くこととなり、ドイツは攻撃陣の構成変更を余儀なくされた。
しかし、この交代直後に試合が動く。
32分|フェリックス・ヌメチャがドイツ先制
アデイェミのシュートからこぼれ球
32分。
ドイツが攻撃を仕掛ける。
カリム・アデイェミのシュートがブロックされると、そのこぼれ球に反応したのがフェリックス・ヌメチャだった。
ゴール前から確実に押し込み、
オランダ0-1ドイツ。
クロップ新体制最初のゴールが生まれた。UEFA公式も、アデイェミのシュートがブロックされた後にヌメチャが至近距離から仕留めた得点と記録している。
オランダ側はプレー続行に不満
この場面では、オランダFWブロビーが治療を必要とする状態になっており、オランダ側はドイツがボールを外へ出すことを期待していた。
しかしプレーは続行。
その流れから得点が生まれたことで両チームの選手がヒートアップし、タッチライン付近では小競り合いも発生した。
伝統のオランダvsドイツらしい緊張感が一気に高まった。
ドイツは追加点の絶好機を逃す
アデイェミが決め切れず
先制後、ドイツには試合を大きく有利にできるチャンスが訪れた。
ナサニエル・ブラウンのパスからアデイェミがゴール前でフリーに近い状態になる。
しかしシュートは枠外。
前半のうちに2-0とする絶好の機会を逃した。
結果的に、このミスが終盤まで響くことになる。
オランダにもアクシデント
ブロビーが負傷交代
オランダも無傷ではなかった。
先発CFブライアン・ブロビーが負傷し、メックス・メーディンクと交代。
シャビ監督は早い時間からプラン変更を求められた。
それでも後半、オランダは徐々に試合の主導権を握っていく。
後半|オランダがドイツを押し込む
テア・シュテーゲンが立ちはだかる
後半に入るとオランダの攻撃回数が増加。
ドイツゴールへ圧力を掛け続ける。
しかし、立ちはだかったのがテア・シュテーゲンだった。
60分前後には、メーディンクのヒールパスからデンゼル・ダンフリースが抜け出したが、テア・シュテーゲンが足で阻止。
さらにCKからもオランダがゴールへ迫ったが、ドイツ守護神が好セーブを見せた。
メーディンクにも決定機
途中出場のメーディンクにも大きなチャンスが訪れる。
ダンフリースからのクロス。
ゴール前で合わせれば同点という場面だったが、シュートは枠を外れた。
時計だけが進み、クロップの初陣勝利が現実味を帯び始める。
90+2分|ついにドラマ
ルベン・ファン・ボメルのクロス
後半アディショナルタイム。
ドイツはあとわずかで勝利というところまで来ていた。
しかし、オランダが最後まで諦めない。
右サイドからルベン・ファン・ボメルがアウトサイドを使った絶妙なクロスを供給。
ゴール前へ入ってきたのはコーディ・ガクポ。
ガクポが鮮やかなボレー
ガクポは落ちてくるボールに右足を合わせる。
強烈なボレーシュート。
ボールはゴールネットへ突き刺さった。
90+2分。オランダ1-1ドイツ。
ヨハン・クライフ・アレナが揺れた。
クロップの初陣勝利を止めたのは、皮肉にもクロップがリヴァプール時代に指導していたガクポだった。
クロップを止めたのが「元教え子ガクポ」というドラマ
リヴァプール時代の師弟関係
ガクポは2023年にリヴァプールへ加入。
当時チームを率いていたのがクロップだった。
ガクポをプレミアリーグへ迎え入れ、さまざまなポジションで起用した恩師。
そのクロップがドイツ代表監督として迎えた初戦。
勝利目前の90+2分に同点ゴールを奪ったのが、かつての教え子だった。
UEFAも「クロップの元リヴァプールFWガクポ」が土壇場でドイツの勝利を阻止したと紹介している。
サッカーならではの巡り合わせだった。
オランダ代表の評価
新体制初戦として見せた「最後まで攻める姿勢」
オランダにとって最大の収穫は、1点を追う状況でも最後まで攻撃姿勢を失わなかったことだ。
前半に先制されても焦らず、後半はドイツを押し込む時間を増やした。
ファン・ダイクの取り消されたゴール。
ダンフリースの決定機。
メーディンクのチャンス。
そして最後にガクポ。
得点は90+2分まで待たなければならなかったが、同点弾は突然生まれたわけではない。
後半に積み重ねた圧力の結果だった。
課題はフィニッシュ精度
一方で課題も明確。
もっと早い段階で追いつけるチャンスはあった。
特にメーディンクなどに決定機がありながら仕留められず、最後まで苦しい展開になった。
ボールを保持しチャンスを作るだけでなく、ゴール前での精度を上げることがシャビ体制の課題になる。
ドイツ代表の評価
クロップらしい強度は見えた
ドイツは前半、中央で強度を発揮。
ヌメチャを中心に中盤で存在感を示し、奪った後は素早く攻撃へ移った。
ムシアラの直前離脱、ハフェルツの負傷という想定外の状況でも先制できた点はポジティブだった。
新監督初戦で完璧な完成度を求めることは難しい。
それでも「強度を高め、素早く前へ」というクロップらしさの片鱗は感じられた。
追加点を取れなかったことが最大の反省
ただし、ドイツには試合を終わらせる機会があった。
アデイェミの決定機をはじめ、2点目を奪える場面は存在した。
そこで仕留められなかったことで、オランダを最後まで試合に残してしまった。
そして90+2分。
わずかな隙をガクポに突かれた。
1-0を守ることだけを考えるのではなく、2点目を奪って試合を決める力。
今後のクロップ・ドイツに求められる部分だろう。
注目選手① コーディ・ガクポ
大舞台で結果を残したエース
この試合の最大の主役はガクポだ。
ゴールは1本。
しかしその1本が90+2分の同点弾。
チームが最も苦しい時間に決めるのがエースの仕事だ。
新しい監督、新しいチーム作りが始まる中、経験豊富なガクポが結果を残した意味は大きい。
注目選手② フェリックス・ヌメチャ
クロップ体制最初の得点者
ドイツではヌメチャが大きな存在感を示した。
中盤でプレーしながらゴール前へ侵入し、こぼれ球を確実に仕留めた。
クロップ体制初ゴール。
中盤に得点力を加えられる選手として、今後さらに重要な存在になる可能性がある。
注目選手③ ルベン・ファン・ボメル
劇的同点弾を生んだクロス
ガクポのゴールを生み出したのが、ルベン・ファン・ボメルだった。
新生オランダで初招集された22歳。
父は元オランダ代表キャプテンのマルク・ファン・ボメルだ。
代表デビュー直後の若手が、90+2分という最もプレッシャーの掛かる時間帯で高品質のクロス。
シャビ体制にとって大きな新戦力が現れた。
両新監督に見えた収穫と課題
シャビ・オランダ
シャビ監督にとっては、最後まで攻撃的に戦って勝点1を取ったことが収穫。
一方で、チャンス数を得点へつなげる精度や攻撃の細かさはこれから高める必要がある。
新しいスタイルの完成には時間が必要だ。
クロップ・ドイツ
クロップ監督にとっては、アウェイのオランダ戦で勝利寸前まで進んだこと自体は悪いスタートではない。
ただし後半は押し込まれ、最後に守り切れなかった。
さらにムシアラとハフェルツのコンディションも今後の懸念材料になる。
次戦はともに9月27日
オランダの次戦は9月27日、アウェイでセルビア代表と対戦。
ドイツは同日、ホームでギリシャ代表と戦う。
UEFAネーションズリーグ・グループ2は短期間で次の試合が続くため、両新監督にとって修正する時間は多くない。
特にドイツは、負傷者の状態によっては再びメンバー変更を迫られる可能性がある。
まとめ|新時代の初戦にふさわしい劇的ドロー
フェリックス・ヌメチャの先制点。
ファン・ダイクの幻のゴール。
ムシアラとハフェルツのアクシデント。
テア・シュテーゲンの好セーブ。
そして90+2分。
最後に試合を動かしたのはコーディ・ガクポだった。
オランダ1-1ドイツ。
勝者はいない。
それでも、この試合を単なる「引き分け」と表現するのは少し惜しい。
シャビ・エルナンデス。
ユルゲン・クロップ。
新しい監督を迎えた欧州の伝統国同士が、互いの新時代をスタートさせた一戦。
そしてクロップの初勝利を阻止したのが、かつて自身がリヴァプールで指導したガクポというドラマまで待っていた。
90分を過ぎても何が起こるか分からない。
それを改めて示した、オランダとドイツの伝統カードらしい劇的決着だった。
11月16日には、今度はドイツホームで再戦が予定されている。
次に両国がぶつかる頃、新生オランダと新生ドイツはどこまで完成度を高めているのか。
早くも再戦が楽しみになる90分となった。
免責事項
本記事は、2026年9月25日時点で確認できるUEFA公式情報、試合記録、各種報道をもとに作成しています。
試合結果、得点者、得点時間などの基本情報についてはUEFA公式情報を優先して確認しています。戦術面、選手評価、両チームの課題等については公開されている試合内容をもとにした当サイト独自の分析・考察を含みます。
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