2026年W杯に向けたトリ・ペンソへの期待
サッカー界最大の祭典、W杯2026(北中米ワールドカップ)。アメリカ、カナダ、メキシコの3カ国共催となるこの記念すべき男子大会に向けて、ピッチ外でも歴史的な挑戦が始まろうとしています。その中心にいるのが、アメリカ出身の女性審判、トリ・ペンソ氏です。
トリ・ペンソ氏は、2023年のFIFA女子ワールドカップ(W杯)で決勝戦の主審という大役を見事に務め上げ、世界中にその名を知らしめました。そして今、彼女の視線は母国開催でもある男子の「W杯2026」へと向けられています。
近年、男子の最高峰レベルの大会でも女性審判の登用が急ピッチで進んでいますが、彼女が本大会のピッチで笛を吹くことになれば、サッカー界の歴史にまた新たな1ページが刻まれることになります。世界中のメディアやファンの間で、彼女の選出・活躍に対する期待と予想が早くも高まっています。
トリ・ペンソのプロフィールと主な経歴
まずは、世界屈指の実力派レフェリーであるトリ・ペンソ氏の基本的なプロフィールと、これまでの歩みを振り返ってみましょう。
- 本名:メアリー・ヴィクトリア・「トリ」・ペンソ(Mary Victoria “Tori” Penso)
- 生年月日:1986年7月8日(39歳)
- 国籍:アメリカ合衆国(フロリダ州出身)
- 国際審判員登録:2021年
トリ・ペンソ氏は高校時代に兄たちと一緒に審判の活動を始め、18歳の時にはすでに有望な若手として審判キャンプに招待されるなど、早くから頭角を現していました。
大学卒業後はマーケティングの世界でビジネスキャリアを積む傍ら、審判員としてのスキルも磨き続け、2013年に米国サッカー連盟(USSF)に登録。その後、女子プロリーグであるNWSLでの実績を重ねました。
そして2020年9月、アメリカ男子プロリーグのMLS(メジャーリーグサッカー)において、女性としては20年ぶりとなる歴史的な主審デビューを果たします。この出来事が、彼女のキャリアを大きく加速させる契機となりました。
これまでの主な実績と担当したビッグマッチ
トリ・ペンソ氏のレフェリング技術の高さは、これまでに担当してきた数々の国際的なビッグマッチが証明しています。
1. 2023年 FIFA女子ワールドカップでの大躍進
彼女のキャリア最大のハイライトは、なんといってもオーストラリア&ニュージーランド共同開催となった2023年の女子W杯です。彼女はグループステージから安定したジャッジを披露し、以下の重要試合を任されました。
- ラウンド16:フランス vs モロッコ
- 準決勝:オーストラリア vs イングランド
- 決勝:スペイン vs イングランド
アメリカ人、そしてCONCACAF(北中米カリブ海サッカー連盟)加盟国出身の審判として史上初の女子W杯決勝主審となっただけでなく、大会の「準決勝と決勝の両方」で笛を吹いた、世界でも極めて珍しいレフェリーの一人となりました。
2. 男子国際大会での抜擢
その卓越したゲームコントロール力は男子の国際大会でも評価され、2023年のFIFAクラブワールドカップ(サウジアラビア開催)では、日本の浦和レッズが出場した3位決定戦(浦和レッズ vs アル・アハリ)の主審も務めています。
レフェリングの特徴と傾向
サッカーファンが審判について気になるのが「その判定スタイルやゲームに与える影響」です。トリ・ペンソ氏のレフェリングには、以下のような際立った特徴があります。
安定したゲームコントロールと「対話」を重んじる姿勢
トリ・ペンソ氏の最大の強みは、選手との円滑なコミュニケーションです。
不必要な威圧感を与えず、毅然とした態度でありながらも、選手と対話しながら試合の温度感をコントロールします。感情が高ぶりがちなピッチ上において、彼女が冷静にゲームを落ち着かせる姿は多くのジャーナリストからも高く評価されています。
ファウルの基準とカードの頻度
- 基準の整合性:基本的にはタフなコンタクトを一定程度容認しつつも、選手の安全を脅かすラフプレーには厳しく対処します。
- カードの頻度:むやみにイエローカードを連発するタイプではありませんが、試合の流れを守るために必要な場面では、ためらわずに警告を提示します。
VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)との連携
テクノロジーの活用にも非常に柔軟で、VARとの交信時にも焦ることなく、ピッチ上の状況と客観的な映像をすばやく照合して、中立かつスピーディーな判断を下すことに長けています。
2026年ワールドカップで審判団に選出される可能性
それでは、本番が近づくW杯2026において、トリ・ペンソ氏が審判団に選出される可能性についてプロの視点から予想してみましょう。結論から申し上げると、選出される可能性は「極めて高い」と言えます。
その理由は以下の3つのポイントにあります。
- FIFAからの絶大な信頼女子W杯決勝という最高峰のプレッシャーがかかる舞台を完璧に裁いた実績は、FIFA(国際サッカー連盟)の審判委員会において最大の評価材料となっています。
- 男子トップリーグ(MLS)での日常的なタフな経験強度の高い男子のプレースピード、激しいコンタクトに日常的に対応しているMLSでのジャッジ実績は、男子W杯の舞台にそのままアジャストできる強みです。
- 地元・北中米開催というメリット今回のW杯2026は自身の母国アメリカを含む地域での開催です。時差や移動、環境への適応という観点からも、CONCACAFを代表するトップレフェリーである彼女が選ばれるのは自然な流れと言えます。
同地域には実力派の男性審判たちも数多く存在しますが、FIFAが近年進めている「審判の多様性推進(ジェンダーバランス)」の文脈を考慮しても、実力・人気ともにトップクラスの彼女は本大会のピッチに立つ最有力候補です。
まとめ
アメリカが生んだ世界的女性レフェリー、トリ・ペンソ氏。女子W杯での偉大な成功を経て、彼女の次のターゲットは誰もが憧れる男子のトップ舞台、W杯2026です。
- 2023年女子W杯決勝の主審を務めた確かな実力
- 男子プロリーグ(MLS)や男子クラブW杯でも証明済みのゲームコントロール能力
- 選手との丁寧なコミュニケーションによる高い求心力
これらすべての要素が、彼女を世界のトップレフェリーたらしめています。
2026年大会で彼女がピッチに現れ、華麗かつ厳格なジャッジでゲームをコントロールする瞬間は、サッカー史における「審判」の枠組みを超えた、偉大な歴史の一歩となるでしょう。今後の彼女の活躍から、一瞬たりとも目が離せません。
免責事項
この記事に掲載されている選出予想や評価は、執筆時点での公開情報、実績、および専門的な分析に基づく独自の考察です。FIFAによる公式な審判団の発表や、実際のW杯2026本大会での割り当て結果を保証するものではありません。最新の公式情報については、FIFA公式サイト等をご確認ください。









