2026年10月5日、東京・国立競技場でキリンカップサッカー2026決勝が行われ、日本代表はニュージーランド代表に2-1で勝利した。
日本は前半28分、上田綺世のゴールで先制。
しかし32分、クリス・ウッドを起点としたカウンターからベン・オールドに決められ、わずか4分後に1-1へ追いつかれた。
それでも後半71分、途中出場の中村敬斗が左サイドを突破してクロス。ファーサイドへ走り込んだ堂安律が押し込み、これが決勝点となった。
日本はそのままリードを守り切り、2-1で勝利。
2011年以来15年ぶり、通算12度目となるキリンカップ優勝を果たした。
日本代表vsニュージーランド代表 試合結果
試合概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 大会 | キリンカップサッカー2026 決勝 |
| 開催日 | 2026年10月5日 |
| 会場 | 国立競技場 |
| 結果 | 日本 2-1 ニュージーランド |
| 前半 | 1-1 |
| 後半 | 1-0 |
| 日本得点者 | 上田綺世(28分)、堂安律(71分) |
| NZ得点者 | ベン・オールド(32分) |
| 入場者数 | 61,812人 |
| 最終結果 | 日本代表 優勝 |
JFA公式でも日本の2-1勝利が記録されている。
日本代表のスターティングメンバー
森保監督が4バックを採用
日本は直近のエクアドル戦まで基本としていた3バックから変更し、この日は4バックを採用した。
堂安がキャプテンマークを巻いた。
今回の4バックは、単なる人数合わせではない。
ニュージーランドが自陣へ人数をかけて守る展開を想定し、ピッチ幅を使いながら相手守備ブロックを動かす狙いがあったと考えられる。
森保一監督も試合後、引いた相手への攻略というテーマの中で4バックを試したことに一定の手応えを示している。
前半|日本が立ち上がりから主導権
堂安律が開始直後から積極的にシュート
日本はキックオフ直後からニュージーランドを押し込んだ。
1分には久保建英の落としを受けた堂安がドリブルで前進し、そのまま左足でシュート。
6分にも堂安がミドルシュートを放ち、10分にもGKアレックス・ポールセンを脅かした。
右サイドの久保と堂安が内側でボールに触れ、その外側を中野が使う。
一方、左では前田大然が背後へのランニングを繰り返す。
序盤は日本が明確に試合のテンポを握った。
28分、上田綺世が先制ゴール
中野のクロスからエースが仕留める
待望の先制点は28分だった。
久保が右サイド深くでボールを戻し、中野がクロス。
ファーサイドから相手DFの前へ入った上田がボールを収め、素早く左足で押し込んだ。
日本が1-0。
エクアドル戦まで3試合すべて途中出場だった上田は、今シリーズ初先発で結果を残した。
上田にとって価値があったのは、単純に「ゴールを決めた」ことだけではない。
ニュージーランドにはタイラー・ビンドン、マイケル・ボクスオールらサイズのあるDFがいる。
空中戦だけで真正面から勝負するのではなく、クロスに対してDFの前へ入り、最後は足元で仕留めた。
上田らしいゴールだった。
32分、日本がカウンターから失点
前田大然のパスミスをウッドに拾われる
ところが先制からわずか4分後。
日本は自陣でのパスミスからボールを失う。
ボールを拾ったクリス・ウッドが前線で時間を作り、左から走り込んだベン・オールドへラストパス。
オールドがゴール右上へ決め、1-1となった。
この失点は、日本にとって今回の試合で最も大きな反省材料だろう。
日本が押し込んでいた時間帯。
先制した直後。
そこで自らのミスからカウンターを受けた。
ボールを保持する試合ほど、攻撃時のリスク管理が重要になることを改めて示した失点だった。
前半は1-1で終了
チャンス数では日本が優位
失点後も日本は攻撃を止めなかった。
前半終了間際には久保から上田へボールが入り、再びゴールへ迫ったがニュージーランド守備陣がブロック。
試合は1-1でハーフタイムを迎えた。
内容だけを見れば日本が優位。
ただしニュージーランドはウッドという明確なターゲットを持ち、少ない攻撃回数からゴールを奪った。
「ボールを持つ日本」と「一発で仕留めるニュージーランド」という構図がはっきりした前半だった。
後半48分、上田のヘディングはクロスバー
追加点まであと数センチ
後半も日本が主導権を握る。
48分、鈴木淳之介のクロスに上田が反応。
ヘディングシュートを放ったが、ボールはクロスバーを直撃した。
上田は先制点だけでなく、ポストプレーや背後への動きでも存在感を発揮。
日本の1トップとして改めて高い完成度を見せた。
64分、森保監督が3枚替え
伊東純也、中村敬斗、田中碧を投入
勝ち越し点を奪いたい日本は64分に動いた。
- 中野就斗 → 伊東純也
- 前田大然 → 中村敬斗
- 久保建英 → 田中碧
の3枚替えを実施した。
ここから日本の攻撃が再び活性化する。
特に大きかったのが中村敬斗。
左サイドでボールを受けた際に、自分で相手を剥がせる存在が入ったことで、ニュージーランド守備陣が横方向へ動かされるようになった。
71分、堂安律が決勝ゴール
中村敬斗が突破、ファーへ堂安
試合を決めたのは71分。
中村が左サイドでボールを受けると、ドリブルで前進。
ランドールをかわしてペナルティーエリア左の深い位置まで進み、低いクロスを送る。
ゴール前を横切ったボールへ、逆サイドから走り込んだ堂安が反応。
右足で押し込み、日本が2-1と勝ち越した。
このゴールは非常に完成度が高かった。
左サイドで中村が相手を引き付ける。
中央に上田。
そして右から堂安。
相手守備を横方向へ大きく動かし、最後は逆サイドの選手が仕留める。
「引いた相手をどう崩すか」というテーマに対する一つの答えとなった。
森保監督の交代策が的中
中村敬斗が投入7分後にアシスト
今回の決勝点を生み出した中村は64分から途中出場。
そこから約7分でアシストした。
森保監督はエクアドル戦でも途中出場選手を使って攻撃を変化させており、今回もベンチワークが結果につながった。
伊東純也も右サイドから積極的にクロスを供給。
試合終盤には、その伊東のクロスから塩貝健人がヘディングでゴールへ迫った。
77分には若手を一気に投入
荒木隼人、佐野航大、塩貝健人が登場
勝ち越した後も、日本は守り切るだけにはならなかった。
78分前後には、
- 鈴木淳之介 → 荒木隼人
- 鎌田大地 → 佐野航大
- 上田綺世 → 塩貝健人
と交代。
さらに終盤には堂安に代えて松木玖生、佐野海舟に代えて田中聡も投入。
若手選手に国際試合の経験を積ませながら、チームとして勝利も狙う采配となった。
最終スタッツ|日本がシュート21本
ニュージーランドを大きく上回る
Jリーグ公式集計では、日本はシュート21本を記録。
ニュージーランドは5本だった。
| スタッツ | 日本 | ニュージーランド |
|---|---|---|
| シュート | 21 | 5 |
| 枠内シュート | 9 | 1 |
| オフサイド | 0 | 1 |
| CK | 8 | 0 |
数字を見ても、日本が試合の大部分で主導権を握っていたことが分かる。
ただしニュージーランドは枠内シュート1本を得点に結びつけた。
日本としては、圧倒的に押し込んだ試合で一度追いつかれた点を軽視するべきではない。
日本代表 選手採点
※10点満点。本記事独自の評価であり、JFA公式採点ではありません。
| 選手 | 採点 | 評価 |
|---|---|---|
| 鈴木彩艶 | 6.0 | 失点は対応困難。その他は大きなピンチなく安定 |
| 中野就斗 | 7.0 | 上田の先制点につながるクロス。右SBとして攻撃参加 |
| 瀬古歩夢 | 7.0 | 4試合連続先発。ウッドへの対応も含め安定 |
| 伊藤洋輝 | 6.5 | 最終ラインを支え、ビルドアップでも貢献 |
| 鈴木淳之介 | 7.0 | 後半に上田のバー直撃ヘッドを演出 |
| 佐野海舟 | 7.0 | セカンドボール回収と切り替えで存在感 |
| 鎌田大地 | 6.5 | 4バックでの中盤を整理。攻撃のテンポを作った |
| 堂安律 | 8.5 | キャプテン。序盤から積極的にシュートを放ち決勝点 |
| 久保建英 | 7.0 | 先制点につながる攻撃を作り、ライン間で違い |
| 前田大然 | 5.5 | 運動量は高かったが失点につながるミス |
| 上田綺世 | 8.0 | 先制ゴール+バー直撃。1トップとして存在感 |
| 伊東純也 | 6.5 | 途中出場から右サイドを活性化 |
| 中村敬斗 | 8.0 | 途中出場直後から仕掛け、決勝点をアシスト |
| 田中碧 | 6.5 | 中盤で試合をコントロール |
| 荒木隼人 | 6.0 | 終盤の守備を安定させた |
| 佐野航大 | 6.5 | 短時間ながら積極的に前へ出た |
| 塩貝健人 | 6.5 | 伊東のクロスからヘディング。代表で存在感 |
| 松木玖生 | 6.0 | 終盤に投入され試合を締めた |
| 田中聡 | 6.0 | 終盤の中盤で強度を維持 |
MOMは堂安律
MOMには堂安律を選びたい。
キャプテン。
開始直後から何度もシュート。
そして71分の決勝点。
得点だけでなく、右サイドから中央へ入りながら攻撃を組み立て、日本の攻撃をけん引した。
なぜ日本は勝てたのか
勝因① 失点後も試合を崩さなかった
28分に先制。
32分に失点。
最も嫌な形で追いつかれた。
それでも日本は慌てなかった。
ボール保持を続け、自分たちの攻撃を継続。
前半終了間際にもチャンスを作った。
「失点したから戦い方を変える」のではなく、自分たちのやるべきことを続けられたことは大きかった。
勝因② 4バックでも攻撃の形を作れた
今回、日本は4バックを採用した。
直近の代表では3バックが基本だっただけに、システム変更は一つの大きなテーマだった。
それでも日本は21本のシュートを記録。
中野、鈴木淳之介の両サイドバックも高い位置へ出て攻撃に参加できた。
森保監督が試合後に手応えを示した通り、「3バックだけではない」という選択肢を持てたことは今後へ向けて大きい。
勝因③ 中村敬斗というジョーカー
ニュージーランドは人数をかけてゴール前を守った。
そうした相手には、パスだけでなく「個人で一人を剥がす選手」が必要になる。
中村はまさにその役割を果たした。
左サイドで1対1を制し、そのまま決勝点をアシスト。
硬直した試合を個の力で動かせる選手がベンチにいることは、日本代表の大きな強みだ。
勝因④ 上田綺世が1トップの基準を示した
今回の代表活動では途中出場が続いていた上田。
決勝で先発すると、28分に先制ゴール。
さらに48分にはクロスバー直撃のヘディング。
相手CBを背負う。
裏へ走る。
クロスに入る。
前線でボールを収める。
現在の日本代表1トップとして、総合力の高さを改めて示した。
日本代表の課題① 先制直後のゲーム管理
最も明確な課題はここだ。
28分に先制。
32分に失点。
わずか4分だった。
しかも相手に完璧に崩されたわけではない。
自分たちのパスミスからカウンターを受けた。
大きな大会では、先制直後の5分間が非常に重要になる。
ボールを安全に保持する。
相手の勢いを一度止める。
不用意な縦パスを避ける。
こうした試合運びは今後さらに磨きたい。
課題② 21本で2得点
シュート21本。
枠内9本。
2得点。
勝利したとはいえ、攻撃効率はさらに上げられる。
特に序盤には堂安が何度もシュートチャンスを作り、後半には上田のヘディングもバーを叩いた。
チャンスを作る段階までは非常に良い。
次はその回数を「3点、4点」というスコアへ変えられるかが重要になる。
課題③ 攻撃時のリスク管理
ニュージーランドの攻撃は非常にシンプルだった。
ウッドへボールを入れる。
ウッドが時間を作る。
周囲が走る。
失点シーンもこの形だった。
日本がボールを持つ時間が長いほど、CBとボランチは「攻めながらカウンターを止める準備」をしなければならない。
世界トップクラスとの試合では、この一瞬のミスがそのまま敗戦へつながる可能性がある。
4バックは今後の新たな武器になるか
3バックとの使い分けが可能に
今回の大きな収穫の一つが4バックだ。
森保監督も試合後、相手が引いた際の攻撃について考えながら4バックへ挑戦したことに手応えを口にした。
日本には、
3-4-2-1。
4-2-3-1。
どちらにも対応できる選手がいる。
相手に応じて形を変えられるようになれば、アジアカップや今後の国際大会で大きな武器になる。
4連戦すべて勝利
ウルグアイ、ベネズエラ、エクアドル、ニュージーランド
今回の日本代表活動では、
- ウルグアイ戦:3-1勝利
- ベネズエラ戦:2-1勝利
- エクアドル戦:0-0、PK5-4勝利
- ニュージーランド戦:2-1勝利
と4試合すべてで勝利した。JFA公式日程でもエクアドル、ニュージーランド戦を含む連勝が確認できる。
鎌田大地も、この4連戦で勝利を積み重ねたことについて、簡単ではない成果だとの認識を示している。
単に主力だけで勝ったわけではない。
谷村海那。
塩貝健人。
松木玖生。
佐野航大。
鈴木淳之介。
瀬古歩夢。
新しい選手にもチャンスを与えながら結果を残したことに価値がある。
15年ぶりのキリンカップ優勝
日本がキリンカップを制したのは2011年以来15年ぶり。
通算12度目の優勝となった。
今夏のワールドカップ後、新たなサイクルへ入った森保ジャパンにとって最初のタイトル。
もちろんキリンカップ優勝そのものが最終目標ではない。
しかし、新戦力を試し、システムにも変化を加えながら「タイトルを取る」という結果まで残したことは、新チームのスタートとして評価できる。
次は11月のブラジル&パラグアイ戦
JFA公式スケジュールでは、日本代表は11月14日にシンガポールでブラジル代表、11月17日にパラグアイ代表と対戦する予定となっている。
今回の4連戦とはさらに異なる難しさが待つ。
特にブラジルを相手に、
4バックで戦うのか。
3バックへ戻すのか。
誰が1トップを務めるのか。
今回台頭した新戦力を引き続き起用するのか。
多くのテーマがある。
まとめ|優勝以上に価値があった「勝ちながら試す」4試合
日本代表2-1ニュージーランド代表。
上田綺世。
堂安律。
2人のゴールで日本がキリンカップを制した。
だが、今回の試合で最も重要だったのは結果だけではない。
4バックへの変更。
中野就斗のサイドバック起用。
上田の1トップ。
途中出場の中村敬斗が試合を決める。
佐野航大、塩貝健人、松木玖生ら若手にも出場機会を与える。
さまざまなことを試しながら、それでも勝った。
これは現在の日本代表の選手層とチーム力を示すものだ。
一方で、
先制直後の失点。
21本で2得点だった決定力。
攻撃時のカウンター対策。
課題もはっきりした。
完璧な優勝ではない。
だからこそ次につながる。
勝ちながら課題を見つけ、競争を促し、新しい形まで試す。
キリンカップ2026は、森保ジャパンの次のサイクルにとって価値ある4試合となった。
15年ぶりの優勝を一つの通過点として、日本代表がここからさらにどこまで強くなるのか注目したい。
免責事項
本記事は、日本サッカー協会(JFA)、Jリーグ公式試合データ、FIFAおよび2026年10月6日時点で公開されている国内外の報道をもとに作成しています。
試合結果、得点者、得点時間、スターティングメンバー、交代、シュート数などについては公式記録を優先して確認しています。
なお、スタッツについてはデータ提供元ごとに集計基準が異なり、数値に差が生じる場合があります。
また、選手採点、戦術分析、勝因、日本代表の課題、今後の起用法については、公開されている試合記録や監督・選手コメントをもとにした本記事独自の評価・考察であり、日本サッカー協会や代表チームの公式見解ではありません。
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