沖縄女子サッカー界にとって、歴史的な一歩となった。
2026年9月27日、福島県のJヴィレッジで行われた「2026プレナスなでしこリーグ2部入替戦予選大会」で、FC琉球さくらが北海道リラ・コンサドーレを5-0で撃破。
前日のFC今治レディース戦でも2-0で勝利しており、2戦2勝・7得点無失点。
3チームによる総当たり戦で1位が確定し、2027シーズンのなでしこリーグ2部加盟の権利を獲得した。
FC琉球さくらは2024シーズンに本格始動したばかり。
わずか3シーズン目で、沖縄県の女子サッカーチームとして初めて、全国リーグであるなでしこリーグへの扉を開いたことになる。
しかも、このチームの特徴はサッカーだけではない。
選手たちは企業で働きながらトレーニングを続ける、いわば**「仕事×サッカー」の二刀流アスリート**。
競技成績だけでは語れないFC琉球さくらの歩みと、今回のなでしこリーグ参入が沖縄にもたらす意味を詳しく見ていく。
FC琉球さくらが2027年なでしこリーグ2部参入へ
入替戦予選を2連勝、7得点無失点
今回FC琉球さくらが出場したのは、2027年度のなでしこリーグ2部加盟を目指すチームによる**「2026プレナスなでしこリーグ2部入替戦予選大会」**。
会場は福島県のナショナルトレーニングセンター・Jヴィレッジ。
参加したのは、
- FC琉球さくら
- FC今治レディース
- 北海道リラ・コンサドーレ
の3クラブだった。
FC琉球さくらは初戦から、その力を見せつけた。
9月26日|FC今治レディースに2-0
仲松叶実が2ゴール
初戦の相手はFC今治レディース。
FC琉球さくらは前半12分、仲松叶実が先制ゴール。
さらに後半16分にも仲松が追加点を奪い、
FC琉球さくら 2-0 FC今治レディース
で勝利した。
大きなプレッシャーがかかる短期決戦。
その初戦で無失点勝利を収めたことが、その後の展開を大きく楽にした。
しかも仲松は沖縄県うるま市出身。
地元出身選手の2得点で、悲願の全国リーグ参入へ大きく前進した。
9月27日|北海道リラ・コンサドーレに5-0
前半だけで3得点
そして迎えた第2戦。
相手は北海道リラ・コンサドーレ。
ここでも琉球さくらの攻撃陣が爆発した。
前半13分、宇津木陽奈が先制。
38分にも宇津木が決めて2-0。
さらに43分には新城舞が加点し、前半だけで3点差をつけた。
後半3分には森迫あやめ。
終了間際の後半45+3分には橋本祥子が5点目を奪った。
結果は、
FC琉球さくら 5-0 北海道リラ・コンサドーレ。
得点者
| 時間 | 選手 |
|---|---|
| 前半13分 | 宇津木陽奈 |
| 前半38分 | 宇津木陽奈 |
| 前半43分 | 新城舞 |
| 後半3分 | 森迫あやめ |
| 後半45+3分 | 橋本祥子 |
2試合で7得点。
そして失点は0。
なでしこリーグ参入を懸けた大一番で、攻守ともに圧倒的な結果を残した。
なぜ2連勝だけで「参入権獲得」となったのか
2026年は通常と入替方式が異なる
今回の仕組みは少し特殊だ。
通常であれば入替戦予選を勝ち抜いた後、なでしこリーグ2部下位クラブとの入替戦を戦うケースがある。
しかし2026シーズン限りでJFAアカデミー福島がなでしこリーグから退会することになったため、制度が変更された。
2026年の規定では、
入替戦予選1位=入替戦なしで2027年なでしこリーグ2部加盟の権利を獲得
となっている。
FC琉球さくらは2試合を終えた時点で2勝。
他の2クラブが直接対決を残していたため、いずれが勝っても琉球さくらを勝点で上回れず、1位が確定した。
その結果、2部下位クラブとの入替戦を戦う必要がなくなった。
ただし「正式加盟」は12月の最終承認後
ここはニュースを見るうえで注意したい。
クラブは9月27日付で「なでしこリーグ2部参入決定」と発表している。
一方、発表本文では、
2027年なでしこリーグ2部加盟の権利を得た後、12月予定の日本女子サッカーリーグ理事会の最終承認を経て正式決定する
としている。
そのため厳密には、
競技上の参入条件をクリアし、加盟権を獲得した
という段階。
通常の手続きが進めば2027年からなでしこリーグ2部で戦うことになる。
FC琉球さくらとは?
2023年10月に発足を発表、2024シーズン始動
FC琉球さくらは、
「沖縄の未来をつくる女子チーム」
をコンセプトに誕生した。
チーム発足が発表されたのは2023年10月。
セレクションなどを経て2024年3月に加入選手が発表され、2024シーズンから本格的に活動を開始した。
つまり今回のなでしこリーグ参入権獲得は、
実質的な活動開始から3シーズン目
での達成ということになる。
2024年|初年度から九州女子リーグ2部を制覇
14試合無敗
スタートから勢いは圧倒的だった。
2024年、FC琉球さくらは九州女子サッカーリーグ2部へ参戦。
始動初年度ながらリーグを席巻した。
最終的には、
14試合13勝1分
という無敗成績で優勝。
九州女子リーグ1部への昇格を決めた。
新設チームが1年目から無敗優勝。
この時点ですでに、なでしこリーグ参入を目指すクラブとして明確な存在感を示していた。
2025年|九州女子リーグ1部で準優勝
カテゴリーが一つ上がった2025シーズン。
FC琉球さくらは九州女子サッカーリーグ1部で準優勝。
すぐに全国リーグへ到達したわけではなかったが、昇格初年度から上位争いを展開した。
そして2026年。
クラブは明確に、
「なでしこリーグ2部参入」
を最大目標に掲げることになる。
2026年|悲願の全国リーグへ
7月には九州サッカー協会の推薦を受け、なでしこリーグ2部加盟を申請。
8月には加盟基準審査を通過し、入替戦予選大会への出場が正式に認められた。
そして9月。
FC今治レディースに2-0。
北海道リラ・コンサドーレに5-0。
競技の結果によって自ら全国リーグへの切符をつかんだ。
最大の特徴は「仕事×サッカー」の二刀流
選手はプロサッカーだけで生活しているわけではない
FC琉球さくらの記事を作るうえで、最も興味深いポイントの一つがこれだ。
選手たちは、
サッカー選手としてプレーしながら、企業でも働いている。
クラブ自身も、この生活を「二刀流」と表現している。
2026年にクラブが沖縄県を表敬訪問した際には、選手から、
朝にトレーニングを行い、その後夜まで働く生活を送っている
という説明もあった。
別の自治体訪問でも、選手が午前中に練習し、午後から夜にかけて仕事をするハードな生活が紹介されている。
ある日のイメージは「朝練→仕事」
クラブが2026シーズン選手募集時に公表した参考スケジュールでは、平日の練習は、
火曜日~金曜日
9:00~11:00
とされていた。
トレーニングを終えた後、それぞれの勤務先へ向かう。
つまり選手は、
サッカー。
仕事。
コンディション管理。
遠征。
地域活動。
を同時にこなしている。
トップカテゴリーのプロクラブとは違う環境で、全国リーグを目指してきたことになる。
「ワークライフパートナー」という独自制度
企業が選手の競技生活とキャリアを支える
FC琉球さくらでは、企業との関係を単なるスポンサーシップだけで終わらせていない。
クラブには**「ワークライフパートナー」**という制度がある。
パートナー企業が選手の雇用などを通じ、
競技生活。
日常生活。
そして引退後のセカンドキャリア。
まで見据えて支援する仕組みだ。
女子サッカーでは、トップ選手を除けば競技だけで十分な収入を得ることが難しいケースも少なくない。
だからこそ、
「サッカーを続けたい選手」と「地域企業」をつなぐ
というモデルには大きな意味がある。
実際にクラブのフロントで働く選手も
小池雪月は2026年の沖縄県表敬訪問で、自身がクラブのフロントとしてパートナー営業を担当していることを明かしている。
ピッチで選手として戦いながら、クラブ運営にも関わる。
「二刀流」という言葉の意味は、単に会社員をしながら練習しているだけではない。
選手自身が地域社会との接点を持ち、
女子サッカーを広める側にも回っている。
沖縄外から移住して挑戦する選手も
選手の中には、沖縄県出身者だけでなく、
北海道。
新潟。
台湾。
など遠方から沖縄へ移住し、仕事とサッカーを両立する選手もいることがクラブ側から紹介されている。
つまりFC琉球さくらは、
「沖縄の選手だけを集めたチーム」
ではない。
沖縄という土地で女子サッカーに挑戦したい選手を全国・海外から受け入れる受け皿にもなり始めている。
なぜ地域活動にも力を入れるのか
「沖縄の未来をつくる女子チーム」
クラブが掲げるのは、単なる「強い女子サッカークラブ」ではない。
活動理念は、
「沖縄の未来をつくる女子チーム」。
そのためサッカー以外にも、
子ども食堂。
サッカー教室。
保育園・幼稚園訪問。
フードドライブ。
ビーチクリーン。
など地域活動を積極的に行ってきた。
なでしこリーグへの昇格も、クラブだけの成功ではなく、
女子スポーツを通じた地域づくりの一つの成果
として捉えることができる。
沖縄県初のなでしこリーグクラブへ
沖縄女子サッカーにとって歴史的な出来事
今回の結果によって、最終承認を経ればFC琉球さくらは沖縄県の女子チームとして初めて、なでしこリーグへ参入することになる。
これは単に一クラブがカテゴリーを上げるというだけではない。
沖縄で女子サッカーをする子どもたちに、
「地元から全国リーグを目指せる」
という具体的な進路が生まれることになる。
これまで県外へ進学・移籍しなければ高いレベルで競技を続けにくかった選手にとって、選択肢が一つ増える。
女子サッカー人口拡大への期待
なでしこリーグの試合が沖縄で開催されれば、
全国クラスの女子サッカーを地元で観戦できる。
子どもが選手を間近で見る。
サッカー教室で交流する。
「あの選手のようになりたい」と思う。
その積み重ねが、女子サッカーを始める子どもの増加につながる可能性がある。
FC琉球さくらが掲げる地域活動と、全国リーグ参入がつながれば、
競技人口を増やす好循環
を作れるかもしれない。
参入後は簡単ではない
九州リーグと全国リーグでは環境が変わる
もちろん、ここからが本当のスタートでもある。
なでしこリーグ2部へ入れば、
対戦相手。
遠征距離。
試合数。
競技強度。
クラブ運営。
必要な予算。
すべてが変わる。
特に沖縄を本拠地とするクラブにとって、全国各地への遠征費は大きな問題となる。
今回の入替戦予選大会でも、クラブは遠征費支援のためクラウドファンディングを実施していた。
全国リーグに入れば、この負担は一時的なものではなく毎シーズン続く。
「二刀流」をどこまで続けられるか
競技レベルが上がれば、練習量やコンディション管理の重要性も増す。
一方、選手は仕事も持っている。
平日に仕事。
週末に遠征。
翌週も練習。
この環境を持続可能なものにするためには、
雇用企業。
スポンサー。
自治体。
クラブ。
が連携する必要がある。
つまりFC琉球さくらの挑戦は、
「仕事をしながら全国リーグでどこまで戦えるのか」
という、日本女子サッカーの一つのモデルケースにもなる。
クラブ経営面でも次の段階へ
FC琉球さくらは2026年3月、第三者割当増資によって7,900万円を調達。
資金用途を組織体制の強化としており、なでしこリーグ参入を見据えてクラブ経営の基盤づくりも進めている。沖縄の未来をつくる女子チーム | FC琉球さくら【公式】
競技力だけ高くても全国リーグでは続かない。
選手を支える人。
営業。
運営。
広報。
地域連携。
スポンサー。
そのすべてが必要になる。
わずか3シーズンでの躍進の裏には、こうしたピッチ外の準備もある。
2027年のFC琉球さくらに注目したいポイント
① 全国レベルでも7得点無失点の強さを出せるか
入替戦予選では圧倒した。
しかし、なでしこリーグ2部には全国で経験を積んできたクラブが並ぶ。
今回の攻守の強さを毎週再現できるかが問われる。
② 沖縄開催のホームゲームをどこまで盛り上げられるか
全国リーグへの参入は、新しいファンを獲得する大きなチャンス。
FC琉球男子チームとの連携や地域イベントも含め、女子サッカーをどれだけ沖縄へ定着させられるか。
③ 「仕事×サッカー」を持続可能なモデルにできるか
これはクラブ独自の価値にもなり得る。
競技レベルを上げながら、選手が仕事でも経験を積む。
この仕組みを成功させれば、他地域の女子クラブにとっても参考になる。
④ 沖縄出身選手をさらに育てられるか
今回も仲松叶実、新城舞など沖縄出身選手が大一番でゴールを奪った。
地元選手が全国リーグで活躍する姿が増えれば、アカデミーや育成年代にも大きな刺激になる。
まとめ|発足3シーズン目。「仕事×サッカー」で沖縄女子サッカーの歴史を変えた
2024年。
FC琉球さくらは「沖縄の未来をつくる女子チーム」として本格始動した。
初年度は九州女子リーグ2部を14戦無敗で優勝。
2025年には1部で準優勝。
そして2026年。
なでしこリーグ2部入替戦予選で、
FC今治レディース 2-0。
北海道リラ・コンサドーレ 5-0。
2試合7得点無失点。
文句なしの結果で予選1位を確定させ、2027年なでしこリーグ2部加盟の権利をつかんだ。
そして、その選手たちの多くはサッカーだけをしているわけではない。
朝に練習。
その後は仕事。
週末には試合や遠征。
さらに地域活動にも参加する。
まさに、
「仕事×サッカー」の二刀流。
華やかな昇格ニュースの裏側には、選手、スタッフ、雇用企業、スポンサー、自治体、地域の人々による日々の積み重ねがある。
12月の理事会で最終承認されれば、沖縄県の女子サッカークラブとして初めてなでしこリーグへ。
これはゴールではない。
むしろ、
沖縄から全国へ。
FC琉球さくらの本当の挑戦が、ここから始まる。
免責事項
本記事は、FC琉球さくら、日本女子サッカーリーグなどが2026年9月28日時点までに公表している情報を確認し、作成しています。
FC琉球さくらは2026プレナスなでしこリーグ2部入替戦予選大会1位を確定させ、2027年度なでしこリーグ2部加盟の権利を獲得しています。正式加盟については、12月に予定されている日本女子サッカーリーグ理事会の最終承認を経る予定です。
また、本記事の文章作成、構成、情報整理および校正の一部にはAIライティングツールを使用しています。公開情報との照合・確認を行ったうえで編集していますが、今後の公式発表等によって内容が更新される場合があります。









