2026年9月2日、明治安田J1リーグ第5節でV・ファーレン長崎とガンバ大阪が激突しました。
試合結果は2-2の引き分け。
ただ、「引き分け」という4文字だけでは、この試合の激しさは到底伝わりません。
79分に保田堅心、84分にマテウス・ジェズスが決め、長崎が2-0。ホームのPEACE STADIUM Connected by SoftBankは「勝った」と思っても不思議ではない空気に包まれていました。
ところが90分、デニス・ヒュメット。さらに90+4分、イッサム・ジェバリ。
ガンバ大阪が土壇場で2点差をひっくり返すように追いつき、長崎にとっては勝点3が手からこぼれ落ちる、あまりにも悔しい結末となりました。公式記録でも、長崎19本、G大阪16本、計35本ものシュートが記録されたオープンな一戦でした。
今回は、この一戦を試合展開、スタッツ、全出場選手の採点、両チームの課題、そして今後の順位予想まで徹底分析します。

V・ファーレン長崎vsガンバ大阪 試合結果
試合基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 大会 | 2026/27 明治安田J1リーグ 第5節 |
| 開催日 | 2026年9月2日 |
| 会場 | PEACE STADIUM Connected by SoftBank |
| 結果 | V・ファーレン長崎 2-2 ガンバ大阪 |
| 前半 | 0-0 |
| 後半 | 2-2 |
| 入場者数 | 18,015人 |
| 主審 | 山下良美 |
得点は79分に保田堅心、84分にマテウス・ジェズス。対するG大阪は90分にデニス・ヒュメット、90+4分にイッサム・ジェバリが決めました。
主なチームスタッツ
| スタッツ | 長崎 | G大阪 |
|---|---|---|
| ボール保持率 | 48% | 52% |
| シュート | 19 | 16 |
| 枠内シュート | 10 | 6 |
| パス成功率 | 78.1% | 81.6% |
| 走行距離 | 117.252km | 114.268km |
| スプリント | 115 | 95 |
| CK | 5 | 5 |
| 警告 | 2 | 1 |
ボール保持率ではG大阪がわずかに上回りましたが、シュート数、枠内シュート、走行距離、スプリント数はいずれも長崎が優勢。少なくとも「昇格組が押し込まれ続けた試合」ではありません。むしろ多くの時間帯で、長崎が自分たちからゲームを動かしていました。
前半:長崎が主導権を握るも決め切れず
長崎の強度がG大阪を苦しめる
長崎は後藤雅明をGKに置き、関口正大、土肥幹太、進藤亮佑、高畑奎汰らを起用。中盤では山口蛍、山田陸がバランスを取りながら、岩崎悠人と長谷川元希が前線へ飛び出し、チアゴ・サンタナを支える形で試合に入りました。
一方、G大阪は一森純、中谷進之介、初瀬亮らを最終ラインに並べ、中盤には安部柊斗、鈴木徳真、倉田秋。前線には食野亮太郎、イーライ・アダムス、中積爲を起用しました。
試合序盤から目立ったのは長崎の出足の速さです。
前線から相手のパスコースを限定し、セカンドボールにも素早く反応。特に岩崎のスピードを生かした左サイドからの仕掛けは、G大阪守備陣に休む時間を与えませんでした。
前半だけで長崎は12本のシュートを放ったのに対し、G大阪は5本。スコアこそ0-0でしたが、内容的には長崎が一歩リードしていた前半だったと言えます。
G大阪の明神智和監督も試合後、相手の強度に押されたことや、守備をコンパクトに保つこと、ボールを奪い切ることが難しかったと振り返っています。
ただし、長崎にも大きな問題がありました。
これだけ攻めて0点だったことです。
良い時間帯で先制できなかったため、後半も試合を決めるためにエネルギーを使い続けなければならなくなりました。
後半:途中出場の保田&マテウスが試合を動かす
高木監督の交代策が次々と的中
後半に入ると両監督が積極的にカードを切ります。
G大阪はハーフタイムに中積と倉田を下げ、デニス・ヒュメットとイッサム・ジェバリを投入。
長崎も50分に米田隼也、61分にマテウス・ジェズス、66分には保田堅心とディエゴ・ピトゥカを送り込みました。
この交代が長崎に先制点をもたらします。
79分、保田堅心が均衡を破る
79分。
ペナルティーエリア手前でボールを持った保田が自らドリブルで中央へ進入。そのまま左足を振り抜き、長崎が待望の先制点を奪いました。
途中出場からわずかな時間でゲームを変える、まさに「切り札」と呼びたくなる一発でした。
84分、マテウス・ジェズスで2-0
さらに5分後。
米田から山口へボールが入り、山口がDFラインの背後へスルーパス。
抜け出したマテウス・ジェズスが冷静に左足で流し込み、2-0。
長崎ベンチもスタンドも大きく沸きました。交代出場の保田とマテウスが揃って得点するという、采配としてはこれ以上ない展開です。
残り時間を考えれば、長崎が勝点3を獲得する可能性は極めて高く見えました。
しかし、ここから試合が一変します。
90分から何が起きた?G大阪が驚異の追い上げ
90分、ヒュメットが1点差に
G大阪は最後まで前へ出る姿勢を捨てませんでした。
90分、左サイドから食野がクロス。ゴール前のこぼれ球に素早く反応したデニス・ヒュメットが右足でゴール右上へ叩き込みます。
2-1。
このゴールで長崎側に一気に「あと数分耐えなければ」という空気が生まれました。
ここが試合最大の分岐点です。
長崎は2点リードのときには前へプレッシャーを掛けられていましたが、1点差になると最終ラインが下がり、ペナルティーエリア周辺で相手を迎え撃つ形が増加。
G大阪にもう一度ゴール前へ入るチャンスを与えてしまいました。
90+4分、ジェバリが土壇場で同点弾
そして後半アディショナルタイム4分。
イーライ・アダムスからヒュメットへボールが入り、最後は中央のジェバリ。
右足で豪快に仕留め、スコアは2-2。
長崎にとっては悪夢、G大阪にとっては歓喜の同点ゴールでした。
2-0となったのが84分。
そこからわずか10分ほどで2-2。
この試合は「途中交代が成功した長崎」と「途中交代がさらに最後の最後で上回ったG大阪」という、ベンチワークの面でも非常に興味深い90分でした。
V・ファーレン長崎 全出場選手採点
※以下は当サイト独自採点です。Jリーグ公式の評価点ではありません。
| 選手 | 出場 | 評価 | 寸評 |
|---|---|---|---|
| 後藤雅明 | 先発 | 6.0 | 終盤2失点も、それまでゴールを守り続けた。 |
| 関口正大 | 先発→61分OUT | 6.0 | 前への守備でG大阪の攻撃を制限。 |
| 高畑奎汰 | 先発→50分OUT | 6.0 | 左サイドで攻守に積極的だった。 |
| 土肥幹太 | 先発→79分OUT | 5.5 | 強度は見せたが警告も受けた。 |
| 進藤亮佑 | 先発 | 5.5 | 長い時間安定も、終盤のゲーム管理には課題。 |
| 山口蛍 | 先発 | 7.0 | 中盤を統率。マテウスの得点を見事にアシスト。 |
| 岩崎悠人 | 先発 | 6.5 | スピードと運動量でG大阪守備陣を押し下げた。 |
| 翁長聖 | 先発 | 6.5 | 豊富な運動量でサイドを活性化。J1通算100試合の節目。 |
| 山田陸 | 先発→66分OUT | 6.0 | 中盤で攻守のバランスを取った。 |
| 長谷川元希 | 先発 | 6.5 | ライン間でボールを受け、攻撃のテンポを作った。 |
| チアゴ・サンタナ | 先発→66分OUT | 6.0 | 得点はなかったが前線で基準点になった。 |
| 米田隼也 | 50分IN | 6.5 | 2点目の起点。投入後に攻撃へ勢いを加えた。 |
| マテウス・ジェズス | 61分IN | 7.5 | 2点目を冷静に決め、攻撃の違いを生み出した。 |
| 保田堅心 | 66分IN | 7.5 | ドリブルから貴重な先制弾。長崎側のMOM候補。 |
| ディエゴ・ピトゥカ | 66分IN | 6.0 | 中盤に落ち着きを加えた。 |
| 江川湧清 | 79分IN | 5.5 | 守備固めで投入されたが、終盤2失点を止め切れず。 |
ガンバ大阪 全出場選手採点
| 選手 | 出場 | 評価 | 寸評 |
|---|---|---|---|
| 一森純 | 先発 | 6.5 | 長崎の枠内シュート10本を受けながら粘り強く対応。 |
| 中谷進之介 | 先発 | 6.0 | 難しい時間帯でも最終ラインを統率した。 |
| 池谷銀姿郎 | 先発 | 5.5 | 長崎の積極的な攻撃への対応に苦しんだ。 |
| 初瀬亮 | 先発→82分OUT | 5.5 | 攻撃参加は見せたが、前半に警告。 |
| 佐々木翔悟 | 先発→88分OUT | 5.5 | サイドで粘ったものの押し込まれる時間も多かった。 |
| 倉田秋 | 先発→HT OUT | 5.5 | 長崎のプレスを受け、持ち味を十分には出せず。 |
| 安部柊斗 | 先発 | 6.0 | 苦しい展開でも中央でバランスを保った。 |
| 鈴木徳真 | 先発→68分OUT | 5.5 | ボール保持の起点を狙ったが、前半は長崎の圧力に苦戦。 |
| 食野亮太郎 | 先発 | 6.5 | 終盤にヒュメットの得点につながるクロスを供給。 |
| イーライ・アダムス | 先発 | 6.5 | 最後までプレーを続け、同点弾につながる攻撃に関与。 |
| 中積爲 | 先発→HT OUT | 5.5 | 大胆に起用されたが前半のみで交代。 |
| イッサム・ジェバリ | HT IN | 7.5 | 90+4分に値千金の同点ゴール。 |
| デニス・ヒュメット | HT IN | 8.0 | 1得点に加え同点シーンにも関与。G大阪側のMOM。 |
| 吉原優輝 | 68分IN | 6.0 | 中盤に運動量を追加した。 |
| 中野伸哉 | 82分IN | 6.0 | 終盤の攻勢を支えた。 |
| 岡本新大 | 88分IN | 6.0 | 短時間ながら追撃ムードの中で積極性を見せた。 |
V・ファーレン長崎の課題と次節への改善点
課題①「勝ち切るための最後の10分」
この試合で最も重く受け止めなければならないのは、もちろん終盤です。
84分時点で2-0。
そこから勝点3を逃した以上、「良い試合だった」で終わらせてはいけません。
守備ブロックを下げること自体が悪いわけではありません。ただ、ラインを下げるのであれば、クロスを上げさせないこと、セカンドボールへの準備、ペナルティーエリア中央を空けないことを徹底する必要があります。
課題② 19本打って2得点という決定力
長崎は19本ものシュートを放っています。
しかも枠内は10本。
内容自体は悲観するものではありませんが、前半12本を打ちながら0-0だった点を考えると、もっと早い時間にゲームを動かすことができた可能性もあります。
次節の改善ポイント
次節は9月6日、アウェーでヴィッセル神戸戦です。
神戸相手に今回のようなシュート数を確保できるとは限りません。
だからこそ、
「少ないチャンスを決めること」
そして、
「リードした後に試合を眠らせること」
この2つが重要になります。
攻撃面では保田、マテウスという途中出場組が結果を残しただけに、選択肢は増えました。
ガンバ大阪の課題と次節への改善点
課題① 前半の入り方
G大阪の最大の課題は明確です。
後半のような強度を、なぜ最初から出せなかったのか。
前半はシュート数5対12。明神監督自身も、長崎の強度に押され、守備をコンパクトに保ったりボールを奪ったりする部分に難しさがあったと認めています。
毎試合90分から2点取れるわけではありません。
上位へ行くのであれば、「追い込まれてから強いチーム」ではなく、「試合開始から相手を追い込めるチーム」になる必要があります。
課題② 攻撃陣の組み合わせ
一方、ヒュメットとジェバリの投入後は明らかにゴールへの怖さが増しました。
前線でボールを収められる選手が入り、食野やアダムスもゴール方向へプレーしやすくなった印象があります。
誰を先発させ、誰をジョーカーとして残すのか。
ベストな攻撃ユニットを早い段階で見つけたいところです。
次節の改善ポイント
G大阪の次節は9月6日、アウェーでジェフユナイテッド千葉と対戦します。
長崎戦で見せたラスト10分の迫力を、キックオフ直後から出せるか。
そこが勝点3を取り戻す最大のポイントになりそうです。
現在順位と両チームの今季順位を予想
第5節終了時点で、G大阪は12位・勝点6(1勝3分1敗)。長崎は**17位・勝点4(1勝1分3敗)**となっています。
まだ5試合しか終わっていません。
したがって順位予想は大きく変動する可能性がありますが、今回の試合内容まで含めて現時点で予想するなら、次のように見ています。
V・ファーレン長崎:最終予想15位
現在は17位ですが、今回のG大阪戦で19本のシュートを放った攻撃力は決して降格圏レベルの内容ではありません。
岩崎、長谷川、チアゴ・サンタナに加えて、保田やマテウスがコンディションを上げてくれば、得点力はさらに改善できそうです。
問題は守備。
5試合で11失点を喫しており、今回も2-0から追いつかれました。
終盤の試合運びを改善できれば残留圏を確保できると予想し、最終15位前後と見ます。
ガンバ大阪:最終予想9位
G大阪は5試合で1勝3分1敗。
負けが少ない一方、引き分けが3試合と、勝点3を積み上げ切れていません。
ただ、長崎戦で見せたヒュメット、ジェバリ、食野、アダムスらの攻撃には上昇の余地があります。
前半の不安定さを減らし、90分を通して守備強度を維持できれば、一桁順位は十分狙える戦力。
現時点では最終9位前後と予想します。
まとめ:長崎には「失った勝点2」、G大阪には「拾った勝点1」
V・ファーレン長崎 2-2 ガンバ大阪。
同じ「勝点1」でも、両チームが感じている重さはまったく違うでしょう。
長崎からすれば、84分で2-0だった試合です。
内容でもシュート19対16、枠内10対6と上回りました。それだけに、勝点3を逃した悔しさは大きいはずです。
一方のG大阪は、90分時点で0-2。
そこからヒュメット、そしてジェバリがネットを揺らし、ほとんど失いかけていた勝点を取り戻しました。
ただしG大阪も、これで4試合連続で勝利なし。明神監督が試合後に示したように、勝点1だけで満足できる状況ではありません。
長崎に必要なのは「良いサッカーを勝点3に変える力」。
G大阪に必要なのは「最後の10分の迫力を最初の10分から出す力」。
第5節終了時点では17位と12位ですが、まだシーズンは始まったばかりです。今回の劇的な2-2が、両クラブにとって今季の分岐点になるのか。
次節の戦いにも注目です。
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