「そんなこと、同じ試合で起きる?」
思わずそう言いたくなる90分でした。
2026年9月6日に行われたイングランド・チャンピオンシップ、バーミンガム・シティ対ウォルバーハンプトン(ウルブズ)。
試合は2-2のドローに終わりましたが、結果以上に強烈なインパクトを残したのが、ウルブズに起きた2つの“まさか”です。
まず前半36分。
DFジャクソン・チャチュアがGKジョゼ・サへ戻そうとしたボールが、信じられない軌道を描いてそのまま自陣ゴールへ。
そして試合終盤の87分。
今度はウルブズFWアダム・アームストロングに、ほぼ無人となったゴールへ流し込むだけという絶好機が到来します。
距離は約10ヤード、約9メートル。
ところが――。
シュートはクロスバーの上。
「自陣のゴールには入ってしまうのに、相手の空っぽのゴールには入らない」
サッカーの神様が悪ふざけをしたとしか思えないような一戦となりました。ウルブズ公式は2-2のドローを記録し、英紙『Guardian』もアームストロングが終盤に約10ヤードから無人のゴールを外したと伝えています。
1. バーミンガムvsウルブズ、最初から普通の試合ではなかった
開始3分でウルブズが先制
舞台はバーミンガムの本拠地セント・アンドリュース。
実に9年ぶりとなった両クラブのウェスト・ミッドランズ・ダービーは、開始直後から動きます。
前半3分。
右サイドからロドリゴ・ゴメスが低いクロスを送り、そこへフェル・ロペスが飛び込んでゴール。
ウルブズがいきなり0-1とリードします。
早くも試合が動き、「今日は荒れそうだ」と感じさせる立ち上がりでした。
2. バーミンガムが追いつくも…ハンド疑惑?
スタンスフィールドが豪快に同点弾
前半22分。
バーミンガムのジェイ・スタンスフィールドがパトリック・ロバーツからのボールを受けると、豪快なシュートを突き刺して1-1。
ただし、このゴールにはひとつの疑惑が残りました。
ボールをコントロールする際、スタンスフィールドの腕に当たっていたのではないかというものです。
チャンピオンシップではVARが導入されておらず、得点はそのまま認められました。
試合後、ウルブズのセザール・ペイショート監督もVARが必要だと主張しています。
この時点でも十分に話題の多い試合。
しかし、本当の“珍事”はここからでした。
3. ウルブズが再び勝ち越し!ところが5分後…
クレイチーのヘディングで1-2
前半31分。
ウルブズはコーナーキックから再びリードします。
ウーゴ・ブエノのキックをアンドレが巧みにそらし、その先へ入ってきたラディスラフ・クレイチーが強烈なヘディング。
スコアは1-2。
ウルブズからすれば、
「よし、もう一度試合を落ち着かせよう」
という時間帯だったはずです。
しかし、そのわずか5分後。
誰も予想していなかった形で再び同点になります。
4. 衝撃のオウンゴール!チャチュアのバックパスが…
GKジョゼ・サを越えて、そのままゴールへ
前半36分。
バーミンガムのフィル・ノイマンが前線方向へ長いボールを送ります。
ウルブズDFジャクソン・チャチュアが対応。
相手に完全に追い込まれていたわけではありません。
危険な状況にも見えませんでした。
そこでチャチュアは、
「GKに戻してやり直そう」
と考えたのでしょう。
ところが、蹴り返したボールの力加減と方向が完全に狂います。
ボールは前へ出ていたGKジョゼ・サの頭上へ。
サも慌てて戻りますが、届かない。
そのままボールはゴールラインを越えました。
2-2。
ウルブズ公式は「バックパスが強すぎてGKの届かないところを越えた」と振り返り、BBCも両者のコミュニケーションが合わず、パスがGKを越えてゴールへ入ったと伝えています。
「相手のシュート」ではなく完全なバックパス
このオウンゴールが面白いのは、
猛烈なプレッシャーを受けていたわけでも、
クロスを必死にクリアした結果でも、
相手のシュートが当たったわけでもないことです。
普通のバックパス。
それが見事なループシュートのようになり、自陣ゴールへ吸い込まれてしまった。
狙って同じ軌道を再現しろと言われても、逆に難しいでしょう。
英メディアでも「comical」「bizarre」などと表現され、試合最大の珍プレーとして注目を集めました。
5. なぜあのオウンゴールが起きた?
要因① GKが前へ出ていた
最大のポイントはジョゼ・サのポジションです。
ウルブズがボールを保持する際、GKもビルドアップへ関わるため、ゴールラインから前へポジションを取ります。
通常なら何の問題もありません。
ところがチャチュアのバックパスが予想以上に高く、強くなった。
そのためサは後方へ戻りながら対応することになりました。
前向きに飛んでくるシュートを止めるのとはまったく違います。
後ろへ走りながら頭上を越えるボールを処理するのは非常に難しい。
わずかなキックミスが、最悪の結果につながりました。
要因② お互いのイメージがずれた
BBCはチャチュアとサの間にコミュニケーションの問題があったと伝えています。
チャチュアからすれば、
「GKはもっと後ろにいる」
と思っていた可能性があります。
一方、サからすれば、
「普通に足元へ戻してくれる」
という認識だったはず。
そのわずかなイメージのズレが、
誰もいないゴールへ完璧なループ
という衝撃映像を生んでしまいました。
6. 前半だけで4ゴール!後半はバーミンガム優勢
ウルブズは何度もピンチに
2-2で折り返した後半は、ホームのバーミンガムが攻勢を強めます。
ノイマンのシュートがクロスバーを叩き、スタンスフィールドやペク・スンホもゴールへ迫りました。
ウルブズはなかなか攻撃へ出られません。
それでもGKジョゼ・サを中心に耐え続け、試合は2-2のまま終盤へ。
そして87分。
今度はウルブズ側に、この試合最大とも言える勝ち越しチャンスが訪れます。
7. 今度は相手ゴールが空っぽ!アームストロングに絶好機
フェル・ロペスがボールを奪う
バーミンガムが攻撃へ出ようとしたところで、フェル・ロペスがデマライ・グレイからボールを奪います。
場所はすでにペナルティーエリア付近。
ロペスはそのままGKジェームズ・ビードルと向き合います。
GKは当然、ロペスへ寄せなければなりません。
そこでロペスはシュートではなく横パスを選択。
その先には、
アダム・アームストロング。
GKはすでにロペス側へ動いています。
ゴール中央付近には誰もいない。
距離は約10ヤード。
普通なら、
「決まった」
と思う場面です。『Guardian』もこれを「open goal」と表現しています。
8. まさかのクロスバー越え
ゴールに流し込むだけ…だったはずが
ロペスからのボールを受けたアームストロング。
目の前には空いたゴール。
シュートを大きく振り抜く必要すらありません。
しかし右足から放たれたボールは――。
クロスバーの上。
入らない。
先ほど自陣ゴールには、バックパスが簡単に入った。
しかし相手の無人ゴールには入らない。
あまりにも出来すぎた展開でした。
この瞬間、ウルブズの選手たちは頭を抱えます。
アームストロング自身も信じられなかったでしょう。
フットボールリーグで実績豊富なストライカーが、絶好機を逃しました。
9. なぜアームストロングは外した?
「簡単すぎるシュート」ほど難しくなることがある
サッカーでは時々、
難しいボレーは決めるのに、ゴール前2〜3メートルから外す。
そんなことが起こります。
今回の場面も似ています。
アームストロングには時間がありました。
GKもいません。
だからこそ逆に、
「絶対に決めなければいけない」
という意識が生まれます。
さらにロペスから横方向へ送られたボールに対して、走りながら身体の向きと足を合わせる必要もありました。
一見すると簡単。
しかし動いているボールをワンタッチで正確に押し込むには、身体のバランスとインパクトの調整が必要です。
わずかに足がボールの下へ入り過ぎれば、今回のように浮いてしまいます。
10. 「自陣には入る、相手には入らない」という残酷すぎる90分
そして、この試合を振り返ると何とも皮肉です。
前半36分。
チャチュアが自陣ゴールへ戻したボールは、
入れたくないのに入った。
後半87分。
アームストロングが無人の相手ゴールへ放ったシュートは、
入れたいのに入らなかった。
同じウルブズ。
同じ試合。
ここまでサッカーの残酷さを凝縮した展開も珍しいでしょう。
ペイショート監督も試合後、チャチュアのミスとアームストロングのミスを並べ、選手たちの自信を守りながら前へ進む必要性を強調しています。
11. それでも責められない――ペイショート監督が選手を擁護
「チームとして一緒にいなければならない」
試合後、ウルブズのペイショート監督はチャチュアを責めませんでした。
ミスを望んで犯したわけではない。
これまで良い仕事をしてきた選手であり、チームメートもドレッシングルームで彼を支えていたと説明。
アームストロングについても同様です。
FWであれば決定機を外すことはあります。
DFならバックパスをミスすることもある。
問題は、その後どう立ち直るか。
監督のコメントからは、珍プレーを個人への批判で終わらせず、チーム全体で受け止めようとする姿勢が感じられました。
12. 最後の最後まで終わらない“カオス”
バーミンガムにも決勝点のチャンス
実はアームストロングのミスで、この試合は終わっていません。
終了間際。
バーミンガムがFKを獲得。
マルヴィン・ドゥクシュが狙ったシュートをジョゼ・サがセーブし、その後も岩田智輝の至近距離からのチャンスを阻止しました。
結局、スコアは動かず2-2。
全4ゴールは前半。
しかし後半も何度も得点寸前まで行きながら、なぜか1点も入りませんでした。
これもまた、この試合らしい終わり方です。
13. 試合結果
チャンピオンシップ 2026年9月6日
バーミンガム・シティ 2-2 ウォルバーハンプトン
3分 フェル・ロペス(ウルブズ)
22分 ジェイ・スタンスフィールド(バーミンガム)
31分 ラディスラフ・クレイチー(ウルブズ)
36分 ジャクソン・チャチュア OG(バーミンガム)
会場:セント・アンドリュース@ナイトヘッド・パーク。
バーミンガムはこれでリーグ無敗を維持。
一方のウルブズにとっては、
「勝てたはずだった」
という感情が強く残るドローでしょう。
14. まとめ:「そんなことある?」が2回起きた伝説級の珍試合
サッカーでは何が起こるか分かりません。
だから面白い。
ただ、それにしても今回のバーミンガム対ウルブズは少しやり過ぎです。
まずチャチュア。
GKへ戻しただけのはずのバックパスが、美しいループシュートのようになって自陣ゴールへ。
そして試合終了3分前。
ウルブズには勝ち越しの絶好機。
ロペスがGKを引きつけ、アームストロングへパス。
目の前はほぼ無人。
距離は約10ヤード。
それでも、
入らない。
「入ってほしくないボールは入る」
「絶対に入ってほしいボールは入らない」
そんなサッカーの不条理を、わずか90分で両方見せてしまいました。
もしチャチュアのバックパスが普通にジョゼ・サへ届いていたら。
もしアームストロングが最後のシュートを冷静に流し込んでいたら。
ウルブズは勝点3を持ち帰っていたかもしれません。
しかし、そうならなかったからこそ、この試合は長く記憶に残るのでしょう。
スーパーゴールだけがサッカーの名場面ではありません。
「どうしてそうなった?」と何度も映像を見返したくなる瞬間もまた、サッカーの魅力です。
バーミンガム対ウルブズ。
2-2。
スコアだけを見れば普通の引き分け。
しかし中身は、
「そんなことある?」を2回も言わせた、とんでもない90分でした。
免責事項
本記事は2026年9月9日時点で確認できるウォルバーハンプトン公式サイト、BBC、The Guardian、Sky Sportsなどの公開情報をもとに、運営事務局およびAIライティングサポートツールを活用して作成・編集しています。
試合中の選手の意図、判断、ミスが発生した要因などについては、公開された試合映像・試合記録・報道内容をもとにした分析や考察を含んでおり、選手本人、監督、クラブ等の公式見解とは異なる場合があります。
また、試合記録や各種データについては後日訂正・更新される可能性があります。最新かつ正確な情報については、EFL、各クラブおよび大会主催者等の公式発表をご確認ください。










