いよいよ幕を開けた2026-27シーズンのプレミアリーグ。開幕節から各クラブの新戦力や新たな戦術が次々と姿を見せる中、注目を集めた一戦のひとつがエヴァートン対クリスタル・パレスでした。
2026年8月22日にヒル・ディキンソン・スタジアムで行われた一戦は、エヴァートンがクリスタル・パレスを2-0で撃破。キアナン・デューズバリー=ホールとティエルノ・バリーがゴールを奪い、デイヴィッド・モイーズ監督率いるエヴァートンが最高の形で新シーズンをスタートさせました。
ただし、この試合を「エヴァートンの完勝だった」の一言だけで片付けてしまうのは少し違います。
クリスタル・パレスは前半に何度も決定機を作り、2度ポストを叩く場面もありました。内容とスコアにはかなりの差があった試合だからこそ、2026-27シーズンの両クラブを占ううえで非常に興味深い90分だったと言えます。
本記事では、プレミアリーグ2026-27第1節「エヴァートンVSクリスタル・パレス」の結果、得点シーン、スタッツ、戦術、注目選手まで詳しく振り返ります。
目次
- はじめに:プレミアリーグ2026-27開幕!注目された第1節
- エヴァートンVSクリスタル・パレスの試合結果・スタメン
- 【重要】勝敗を分けたのは「決定力」とピックフォード
- エヴァートンが見せたモイーズ流の現実的な強さ
- クリスタル・パレスは本当に完敗だったのか?鎌田大地・冨安健洋にも注目
- まとめ:2-0以上に今季を占う材料が詰まった開幕戦
- 免責事項
1. はじめに:プレミアリーグ2026-27開幕!注目された第1節
2026-27シーズンのプレミアリーグは8月21日に開幕。翌22日には、エヴァートンが本拠地ヒル・ディキンソン・スタジアムにクリスタル・パレスを迎えました。プレミアリーグ公式日程でも、この試合は開幕節の8月22日に組まれています。
エヴァートンにとっては、昨季終盤の失速を払拭し、欧州カップ戦出場を狙うためにも重要なシーズン。そのスタートで勝点3を取れるかどうかは、数字以上に大きな意味を持っていました。
対するクリスタル・パレスは、ピエール・サージュ監督体制で迎える最初のプレミアリーグ公式戦。ドワイト・マクニールら新たな顔ぶれも加わり、どんなチームに生まれ変わるのか注目されていました。
終わってみればスコアは2-0。
しかし、試合開始からエヴァートンが圧倒していたわけではありませんでした。
むしろ最初に試合の主導権を握ったのはパレスでした。
2. エヴァートンVSクリスタル・パレスの試合結果・スタメン
試合結果
プレミアリーグ2026-27 第1節
エヴァートン 2-0 クリスタル・パレス
- 開催日:2026年8月22日
- 会場:ヒル・ディキンソン・スタジアム
- 42分:キアナン・デューズバリー=ホール(エヴァートン)
- 53分:ティエルノ・バリー(エヴァートン)
クリスタル・パレス公式マッチセンターでも、デューズバリー=ホールの42分、バリーの53分のゴールが記録されています。
エヴァートン先発
DF:メルリン・ロール、ジェームズ・ターコウスキ、ジャラッド・ブランスウェイト、ヴィタリー・ミコレンコ
MF:ヘイデン・ハックニー、ハリソン・アームストロング、キアナン・デューズバリー=ホール
FW:イリマン・エンディアイ、タイリク・ジョージ、ティエルノ・バリー
クリスタル・パレス先発
GK:ディーン・ヘンダーソン
DF:ジェイディー・カンヴォ、クリス・リチャーズ、チャディ・リアド
MF:ダニエル・ムニョス、鎌田大地、アダム・ウォートン、タイリック・ミッチェル
攻撃陣:ドワイト・マクニール、ジャン=フィリップ・マテタ、エディ・エンケティア
両チームの先発メンバーはクリスタル・パレス公式マッチセンターでも確認できます。
注目したいのは、パレスの中盤に日本代表MF鎌田大地が先発していたこと。そして冨安健洋もベンチ入りし、後半72分にチャディ・リアドとの交代で出場しています。パレスでのプレミアリーグ初戦となった冨安にとっても、2026-27シーズンのスタートを切る一戦となりました。
3. 【重要】勝敗を分けたのは「決定力」とピックフォード
この試合最大のポイントは、何と言っても両チームの決定力の差です。
結果だけを確認すると「エヴァートンが2-0で危なげなく勝利した試合」に見えます。しかし実際に試合を見ると、特に前半は全く違った景色が広がっていました。
開始早々の3分、エンケティアが相手のミスを突いてマテタへパス。いきなりパレスが決定機を作ります。
さらに12分にはムニョスがピックフォードを強襲。14分にはウォートンの背後へのパスからエンケティアがボレーを放ちましたが、ピックフォードが驚異的な反応でボールをポストへ逃がしました。
そして38分にも、マクニールからエンケティア、最後はマテタへとつないだ流れるような攻撃からシュート。しかしこれもポスト。
パレスは前半だけで2度ゴールポストを叩いています。
ここまで見れば、「先制するのはパレスだろう」と感じた人も少なくなかったはずです。
ところが42分、試合の流れが一変します。
ハリソン・アームストロングからボールを受けたデューズバリー=ホールがペナルティーエリア左から左足を振り抜き、ファーサイドの上隅へ豪快なシュート。
パレスが何度もチャンスを作りながら得点できなかった一方、エヴァートンは訪れた好機を一発で仕留めました。
サッカーではよく「決めるべき時に決めなければ流れが変わる」と言われますが、その典型のような45分間でした。
4. エヴァートンが見せたモイーズ流の現実的な強さ
後半に入ると、エヴァートンの強さがさらに際立ちます。
53分、エヴァートンは素早くプレーを再開すると、エンディアイが右からクロス。中央へ飛び込んだティエルノ・バリーが相手DFの背後から巧みに頭で合わせ、2-0としました。
この2点目は非常にシンプルな形でしたが、今季のエヴァートンを考えるうえで象徴的なゴールかもしれません。
無理にボール保持率を上げるのではなく、相手が整う前に素早く前進する。サイドから質の高いボールを入れ、中央でフィニッシュする。
派手さはなくても、相手が最も嫌がる瞬間を逃しませんでした。
実際、この日のボール保持率はエヴァートン42%、クリスタル・パレス58%。パス成功本数もエヴァートン343本に対してパレス505本で、ボールを長く持っていたのはパレスです。
一方でシュート数はエヴァートン16本、パレス11本、枠内シュートは5対4。エヴァートンは少ないボール保持時間から、より素早くフィニッシュまで持ち込んでいました。
つまり「ボールを持ったチーム」と「試合をコントロールしたチーム」が必ずしも同じではなかったということです。
2点目以降のエヴァートンは特に落ち着いていました。
モイーズ監督自身も試合後、前半は数点奪われていてもおかしくなかったと認めつつ、先制後は落ち着き、2点目以降はパレスを抑えながら試合を管理できたという趣旨のコメントを残しています。
昨季以上の順位を狙うのであれば、「内容が完璧でない試合でも勝点3を取る力」は不可欠です。
その意味で、この2-0はエヴァートンにとって非常に価値のある開幕勝利だったと言えるでしょう。
なお、エヴァートンがプレミアリーグの開幕戦で勝利するのは2021年以来。シーズンの入り方という意味でも、大きな一勝となりました。
5. クリスタル・パレスは本当に完敗だったのか?鎌田大地・冨安健洋にも注目
一方、敗れたクリスタル・パレスですが、悲観材料ばかりではありません。
特に前半の攻撃は非常に興味深いものでした。
ウォートンが中盤から前線へボールを供給し、エンケティアとマテタがエヴァートン最終ラインの背後や間を狙う。ムニョスも積極的に高い位置へ進出し、数的優位を作ろうとしていました。
実際にパレスは58%のボール保持率を記録し、前半にはポスト直撃を2度記録。データサイトの集計では、xG(ゴール期待値)もパレスが約2.04、エヴァートンが約1.16と、チャンスの質ではパレスが上回ったという数字も残っています。
それでも0点。
ここが最大の課題です。
内容が悪くないからこそ、「決め切れなかったこと」がより重く感じられる敗戦でした。
日本人選手では、鎌田大地が先発出場。30分にはファウルでイエローカードを受けましたが、中盤でボールを受けながら攻撃を組み立て、前半終了間際にはムニョスへ浮き球のパスを供給してチャンスを演出しました。
また、72分には負傷したリアドに代わって冨安健洋が投入されています。パレス公式マッチセンターでも、この交代は冨安のパレスでのデビューとして紹介されています。
パレスにとって心配なのはリアドの負傷です。
69分付近、バリーのシュートを防ごうとした際に膝を痛め、その後ストレッチャーで退場。シーズン序盤ということを考えると、今後の状態は注意して見ておきたいところです。
新監督、新戦力、新しい役割。
サージュ監督のチームが完成するまでには、もう少し時間が必要なのかもしれません。しかし少なくとも「何もできずに0-2で負けた」という試合ではありませんでした。
むしろ、チャンスを得点へ変える精度さえ上がれば、結果は大きく変わる可能性があります。
6. まとめ:2-0以上に今季を占う材料が詰まった開幕戦
2026-27シーズンのプレミアリーグ第1節、エヴァートン対クリスタル・パレスは2-0でエヴァートンが勝利しました。
数字だけを見ればホームチームの快勝です。
しかし試合を細かく振り返ると、この90分には両クラブの今季を占うヒントがいくつも詰まっていました。
エヴァートンは前半にピックフォードのスーパーセーブとポストに救われながら耐え、デューズバリー=ホールの一撃で先制。後半開始直後にはバリーが追加点を奪い、その後は無理をせず試合をコントロールしました。
対照的にパレスは、ボールを保持し、チャンスも作りながら得点できませんでした。
「チャンスを作ったパレス」と「チャンスを決めたエヴァートン」。
この差が、そのまま2-0というスコアになったと言っていいでしょう。
個人的に特に印象に残ったのは、エヴァートンの先制後の落ち着きです。開幕戦はどうしても選手に力が入りやすく、1点を取ったあとに前へ前へと行き過ぎるチームもあります。それでもエヴァートンは、2点目を奪った後はリスクを抑えながら時計を進めました。
これを38試合続けられるかどうかは別問題ですが、少なくとも「勝ち方」を知っているチームであることは示しました。
一方のパレスも、スコアだけを見て評価を下げる必要はないでしょう。攻撃の形そのものは作れています。
鎌田大地や冨安健洋を含め、新体制が試合を重ねる中でどこまで完成度を高められるのか。こちらも今後の大きな注目ポイントです。
エヴァートンの次節は8月29日のアウェー・ボーンマス戦。クリスタル・パレスは8月28日にホームでマンチェスター・シティ戦を迎える予定となっています。
開幕戦の2-0は「エヴァートンが強かった」というだけのゲームではありません。
決定力、GKの存在、試合の流れを読む力、そしてリード後のゲームマネジメント。
プレミアリーグで勝点を積み上げるために必要なものが凝縮された、非常に興味深い開幕戦でした。
「ワールドサッカーポータル」では、2026-27シーズンもプレミアリーグ各試合の結果だけでなく、スタッツや戦術、選手のパフォーマンスまで掘り下げて紹介していく予定です。
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