2026年にアメリカ、カナダ、メキシコの3カ国で共同開催される「W杯2026」。世界最高峰の選手たちが集うこの祭典において、試合の公平性を守る「審判」たちの存在は欠かせません。
その中で、中東のアラブ首長国連邦(UAE)から、極めて高い評価を得て大舞台へ挑む副審がいます。それが、モハメド・アル=ハマディ(Mohamed Al-Hammadi)氏です。
本記事では、彼がなぜ世界的なビッグマッチで重用されるのか、その経歴やレフェリングの特徴、そしてW杯2026に向けた活躍の予想を、プロのサッカージャーナリストの視点から詳しく解説します。
2026年W杯に向けたモハメド・アル=ハマディへの期待
W杯2026は、出場国が「48カ国」に拡大される歴史的な大会です。試合数が増えることに伴い、審判団のクオリティ維持はFIFA(国際サッカー連盟)にとって最重要課題の一つとなっています。
こうしたプレッシャーのかかる大会において、UAE出身のモハメド・アル=ハマディ副審への期待は非常に高まっています。彼はこれまで数々のアジア最高峰の戦いや、過去のワールドカップを経験してきた「百戦錬磨のラインズマン」です。
混戦が予想されるW杯2026のグループステージからノックアウトステージにかけ、彼の持つ一瞬の判断力と正確なフラッグ技術が、試合の命運を分けることになるでしょう。
モハメド・アル=ハマディのプロフィールと主な経歴
モハメド・アル=ハマディ氏は、UAEの国内リーグを中心に実績を積み上げてきた、経験豊富なベテラン副審です。
- 本名:モハメド・アフメド・ユスフ・アブドゥラ・アル=ハマディ(Mohamed Ahmed Yousuf Abdulla Al-Hammadi)
- 生年月日:1984年8月18日(41歳 ※2026年5月時点)
- 国籍:アラブ首長国連邦(UAE)
- 主な役割:アシスタントレフェリー(副審)
彼は、若くしてUAE国内のトップリーグ「UAEプロリーグ」で副審としてのキャリアをスタートさせました。鋭い走力と戦術理解度の高さから早くに頭角を現し、FIFAの国際審判員リストに登録されてからは、アジアだけでなく世界の主要大会へと活躍の場を広げていきました。
近年ではUAE国内のみならず、アジア最高峰のクラブを決める「AFCチャンピオンズリーグ(ACL)」などの大舞台でも、常に重要なポジションを任される存在となっています。
これまでの主な実績と担当したビッグマッチ
モハメド・アル=ハマディ副審のキャリアを振り返ると、国際的な「ビッグマッチ」の担当実績が非常に豊富であることが分かります。これまでに以下のような世界大会で実績を残しています。
- 2018年 FIFAワールドカップ ロシア大会
- グループステージの強豪フランス対ペルーなどの試合で副審を担当。
- 2022年 FIFAワールドカップ カタール大会
- 同じくUAEのトップ主審であるモハメド・アブドゥラ・ハッサン氏らとトリオを組み、スペイン対コスタリカ、カメルーン対セルビアなどの試合で副審を務めました。
- FIFAクラブワールドカップ
- 世界各大陸のクラブ王者が集う大会でも、重要な役割を全う。
- AFCアジアカップ
- アジアNO.1を決める大舞台において、準決勝や決勝トーナメントの緊迫したゲームをコントロールしました。
これらのビッグマッチを大きなトラブルなく乗り越えてきた実績こそが、FIFAが彼を絶大に信頼している最大の証拠です。
レフェリングの特徴と傾向
モハメド・アル=ハマディ副審のレフェリングスタイルは、「冷徹な正確性」と「主審とのシームレスな連携」にあります。特に、現代サッカーにおいて副審に求められる役割の変化に、誰よりも適応している審判の一人です。
1. オフサイド判定における抜群の見極め
現代サッカーは非常にスピードが速く、数センチメートルの差でオフサイドかどうかが決まります。モハメド・アル=ハマディ氏は、パスが出る瞬間のディフェンスラインとFWの飛び出しを捉える動体視力に優れており、フラッグをあげるタイミングの正確さには定評があります。
2. VAR(ビデオアシスタントレフェリー)との高い親和性
現在はVARの導入により、副審は「きわどいシーンではプレーが切れるまでフラッグをあげずに待つ(ディレイ・ザ・フラッグ)」という難しい対応を迫られます。彼はこのルール運用を完全にマスターしており、不用意にプレーを止めず、それでいて適切なタイミングで意思表示を行うため、ゲームのテンポを崩しません。
3. 主審との緊密なコミュニケーション
試合中、主審の見えづらい死角で起きたファウルや、ペナルティエリア内のラフプレーなどに対し、インカムを通じて的確に主審をアシストします。中立的な立場で常に冷静沈着な態度を崩さないため、選手や監督に余計なフラストレーションを与えないのも特徴です。
2026年ワールドカップで審判団に選出された背景と活躍予想
2026年4月、FIFAはW杯2026の本大会を担当する審判団を発表し、UAEからは主審オマル・モハメド・アルアリ氏らと共に、モハメド・アル=ハマディ氏が副審として選出されました。
この選出の背景には、これまでのW杯2大会連続出場という圧倒的な経験値と、アジア・チャンピオンズリーグなどの国際大会で見せ続けた「高いパフォーマンスの安定性」があります。FIFAの審判委員会チーフであるピエルルイジ・コリーナ氏が掲げる「クオリティ最優先」の基準を、見事にクリアしたと言えます。
本大会における彼の活躍の予想として、以下のようなポイントが挙げられます。
- グループステージの「難カード」への割り当て:実力が拮抗し、判定一つで勝敗が大きく左右されるプレッシャーの高い好カードを担当する可能性が極めて高いです。
- 決勝トーナメントでのさらなる登用:過去2大会の経験から、ベスト16やベスト8といったノックアウトステージでの重要な試合に選ばれることが期待されます。
長年培った経験をフルに活かし、UAE、ひいてはアジア・中東を代表する審判員として、大会のクオリティを高めてくれることは間違いありません。
まとめ
本記事では、W杯2026の副審として選出されたUAEのモハメド・アル=ハマディ氏について、その経歴やプレースタイル、そして本大会での展望について解説しました。
- 経歴・実績:過去2大会(2018年、2022年)のW杯を経験している、ワールドクラスのベテラン副審。
- 強み:極めて正確なオフサイド見極めと、VARルール下での抜群のディレイコントロール。
- 2026年の注目ポイント:その卓越した技術で、グループステージから決勝トーナメントの緊迫した一戦を冷静にコントロールできるか。
審判の「正確なフラッグ」一つが、世界王者を決めるドラマを生み出すこともあります。W杯2026を観戦する際は、ぜひ副審を務めるモハメド・アル=ハマディ氏の素晴らしい動きにも注目してみてください!
免責事項
この記事の内容は、執筆時点での公開情報、過去の実績、および独自の分析・予想に基づくものです。実際のW杯2026における具体的な担当試合、審判員割り当て、および公式発表の最新情報につきましては、国際サッカー連盟(FIFA)公式サイト等の公式リリースをご確認ください。



