FC町田ゼルビアが、移籍市場の最後にかなり面白い補強を持ってきました。
2026年9月1日、町田はオランダ1部NECナイメヘンからDFトーマス・アウエヤンを完全移籍で獲得したことを正式発表しました。
アウエヤンは29歳のオランダ人DF。AZアルクマールのアカデミーで育ち、イタリアのウディネーゼ、ドイツのシャルケ04、そしてNECと、欧州3カ国で経験を積んできた左利きの選手です。183cm・78kgで、左サイドバックだけでなく左センターバック、さらに左サイドの高い位置でもプレーできます。
今回の補強で特に興味深いのは、町田が8月30日にDF中山雄太をレッドスター・ベオグラードへ送り出した直後だったということ。
つまり今回のアウエヤン獲得は、単純な「外国人DFを一人追加した」というより、中山が抜けた左サイドの質を落とさないための明確な補強と見ることができそうです。
しかも今夏は同じNECから日本代表FW小川航基も獲得済み。小川に続いてアウエヤンまで加入したことで、町田とNECの間に太いルートができたようにも見えます。
今回は、町田ゼルビアの今夏補強一覧、トーマス・アウエヤンの経歴とプレースタイル、獲得した理由、想定される起用法、そして2026/27シーズンの最終順位予想まで詳しく考えていきます。
1. 町田ゼルビアがトーマス・アウエヤンを完全移籍で獲得
9月1日にNECから完全移籍加入を正式発表
FC町田ゼルビアは9月1日、NECナイメヘンからトーマス・アウエヤンを完全移籍で獲得したことを発表しました。
プロフィールは以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 選手名 | トーマス・アウエヤン |
| 英語表記 | Thomas Ouwejan |
| 生年月日 | 1996年9月30日 |
| 年齢 | 29歳 |
| 国籍 | オランダ |
| 身長・体重 | 183cm・78kg |
| ポジション | DF |
| 利き足 | 左 |
| 前所属 | NECナイメヘン |
| 主な経歴 | AZ→ウディネーゼ→シャルケ04→NEC |
クラブを通じてアウエヤンは「FC町田ゼルビアに加入できて光栄」「クラブのために全てを出してプレーします」とコメントしています。
一方、NEC側の発表も興味深いものでした。
NECによれば、アウエヤンは2024年の加入から2シーズンで公式戦40試合3得点7アシスト。ただし今季は出場機会を得られる見通しが少なく、今回の町田移籍は「双方にとって良い解決策」と説明されています。
つまり町田側からすれば、
欧州トップリーグ経験が豊富な29歳の左利きDFを、試合に飢えた状態で獲得できた。
かなり理にかなった補強に見えます。
2. 町田ゼルビアの今夏補強選手一覧
町田は今夏、かなり積極的に選手を動かしています。
ここでは2026/27シーズン開幕へ向け、6月以降に加入が発表された主な選手を整理します。
| 発表日 | 選手 | Pos. | 前所属 | 形態 |
|---|---|---|---|---|
| 6月7日 | アキ・コッホ・コバヤシ | GK | カールスルーエSC | 完全移籍 |
| 7月2日 | ギマラエス・ニコラス・ロドリゲス | GK | 市川サッカークラブ | 完全移籍 |
| 7月3日 | 松尾佑介 | MF | 浦和レッズ | 完全移籍 |
| 7月3日 | ミッチェル・デューク | FW | マッカーサーFC | 完全移籍 |
| 7月9日 | 明本考浩 | MF | OHルーヴェン | 完全移籍 |
| 7月14日 | テテ・イェンギ | FW | リヴィングストン | 完全移籍 |
| 8月24日 | 小川航基 | FW | NECナイメヘン | 完全移籍 |
| 9月1日 | トーマス・アウエヤン | DF | NECナイメヘン | 完全移籍 |
松尾は浦和から加入し、ミッチェル・デュークは町田へ復帰。明本もベルギーからJリーグへ戻ってきました。テテ・イェンギについては百年構想リーグでの期限付き移籍から完全移籍へ切り替わっています。
さらに8月には日本代表FW小川航基をNECから完全移籍で獲得。
これを見ると今夏の町田は、
「人数を増やす補強」ではなく、即戦力を各ポジションに配置する補強
をしていることが分かります。
一方で藤尾翔太が柏へ、中山雄太がレッドスター・ベオグラードへ移籍。
主力の流出もあります。
だからこそ、
藤尾→小川航基。
中山→アウエヤン。
と、穴が空いた直後に実力者を入れている強化部の動きはかなり素早いと言えるでしょう。
※2027年1月合流予定の西川楓人など、今夏すぐにトップチームへ加わらない選手はこの表から除外しています。
3. トーマス・アウエヤンの経歴
AZアカデミーで育ったオランダ産サイドバック
アウエヤンはオランダ・アルクマール出身。
2007年からAZアルクマールの育成組織に所属し、2015年にトップチームへ昇格しました。
AZといえば、オランダでも育成に定評のあるクラブ。
単純なフィジカルだけではなく、
ボールを扱う技術。
ポジショニング。
攻撃参加。
ビルドアップ。
といった部分を求められる環境で育っています。
セリエAのウディネーゼも経験
2020/21シーズンにはイタリア・セリエAのウディネーゼへ期限付き移籍。
プレースタイルの違うイタリアで守備戦術を経験しました。
その後はドイツのシャルケ04へ。
2021/22シーズンには2部でリーグ優勝を経験しています。ドイツ国内ではシャルケで公式戦77試合に出場しました。
シャルケ時代には「アシスト役」として存在感
町田サポーターに知っておいてほしいのはここです。
アウエヤンは単なる守備者ではありません。
シャルケ時代には左サイドから高精度のボールを供給し、2021/22シーズン途中の時点ですでに8アシストを記録。
クラブ公式インタビューでもセットプレーを毎週練習しており、そのFKから得点を演出したことが紹介されています。
そして2024年からNECへ。
2年間で40試合3得点7アシストを記録し、日本へやって来ることになりました。
4. アウエヤンはどんな選手?プレースタイルを分析
最大の武器は「左足のキック」
アウエヤンを一言で表すなら、
左足で試合を動かせるDF
でしょう。
左サイドからのクロス。
アーリークロス。
ロングフィード。
FK。
CK。
このあたりに明確な武器があります。
2025/26シーズンの記録でも、左サイドを主戦場としながら限られたリーグ戦出場で1得点2アシストを記録しています。
町田には高さのあるFWが多い。
小川航基。
ミッチェル・デューク。
テテ・イェンギ。
ここへアウエヤンの左足が加わる。
想像するだけで、かなり相性が良さそうです。
左SBだけではなく左CBもできる
もう一つ大きいのがポジションの幅です。
データ上、アウエヤンは、
左サイドバック。
左センターバック。
左ミッドフィルダー。
でプレーできます。
黒田剛監督にとって、このマルチ性は非常に使いやすいでしょう。
町田は相手や試合状況に応じ、守備時と攻撃時で選手の立ち位置を変えることがあります。
後方に残すこともできる。
外へ出すこともできる。
左足で長いボールも蹴れる。
アウエヤンは戦術変更の幅を広げられる選手です。
セットプレーでも新しい武器になる
黒田ゼルビアと言えば、セットプレーを細部まで準備するチームです。
そこに高精度なプレースキッカーが加わる意味は小さくありません。
シャルケ時代にもFKからアシストを量産していた選手。
小川、デューク、ドレシェヴィッチ、昌子源ら空中戦で強さを持つ選手に向けて、アウエヤンがボールを蹴る。
町田の「高さ」を最大限に生かせる補強になりそうです。
5. なぜ町田はアウエヤン獲得に動いたのか
理由① 中山雄太の移籍
まず一番分かりやすい理由です。
中山雄太が8月30日、セルビアのレッドスター・ベオグラードへ完全移籍しました。
中山は左利き。
センターバック。
サイドバック。
どちらもできる。
つまり今回入ってきたアウエヤンと、かなり特徴が重なります。
中山の海外挑戦が決まり、
左利きDFをそのまま補充したかった。
この意図は非常に分かりやすいでしょう。
理由② 攻撃力のある左DFが欲しかった
ただし、完全な「中山のコピー」ではありません。
中山が守備とビルドアップの安定感に特徴を持つなら、アウエヤンはよりクロスやセットプレーで攻撃へ直接関われるタイプです。
これは小川航基獲得とも関連しているように見えます。
小川は186cm。
デュークも186cm。
イェンギはさらに大型。
中央に高さがあるなら、
外から質の高いボールを入れられる選手が欲しい。
理にかなっています。
理由③ ACL Twoまで戦うための選手層
町田は今季、J1だけではありません。
AFCチャンピオンズリーグTwoにも出場し、上海申花、PKRスヴァイリエン、タンピネス・ローバーズとグループGを戦います。
国内リーグ。
ACL Two。
カップ戦。
当然、試合数は増えます。
一人離脱しただけで最終ラインが苦しくなるようでは、タイトルを複数狙うことはできません。
だからこそ、欧州で200試合以上の公式戦経験を持つ29歳を加えられた意味は大きいでしょう。
6. 黒田ゼルビアで考えられる3つの起用方法
起用法① 4バックの左サイドバック
最もオーソドックスな形です。
左SBにアウエヤン。
その前に相馬勇紀や松尾佑介。
かなり攻撃的な左サイドになります。
相馬が縦へ突破。
アウエヤンが追い越す。
あるいは相馬が相手を引きつけ、アウエヤンが早い段階からクロス。
町田の攻撃パターンを一つ増やせます。
起用法② 3バック左のセンターバック
個人的にはこちらもかなり面白いと思います。
左CBにアウエヤン。
中央に昌子源やドレシェヴィッチ。
右に望月ヘンリー海輝などを置く。
アウエヤンは後方から左足で直接前線へパスを出せます。
小川やデュークへ長いボール。
そのセカンドボールを相馬や西村拓真が拾う。
町田らしい縦に速い攻撃とも相性がいい。
起用法③ 左ウイングバック
相手を押し込みたい試合では、より高い位置で使う方法もあります。
例えば5バック気味に守る相手。
なかなか中央を崩せない。
そんな時に左WBとして起用し、クロスを連発させる。
NEC時代にも左サイドの高い位置までプレー範囲を広げています。
一人で3つの役割をこなせる。
黒田監督にとっては非常にありがたい選手でしょう。
7. アウエヤン加入で町田の弱点はどう変わる?
「中山流出」のダメージを最小限にできた
正直、中山雄太の移籍が発表された時には、
「このタイミングで抜けるのは痛い」
と思った町田サポーターも多かったのではないでしょうか。
しかし2日後にはアウエヤン。
このスピード感は評価したいところです。
しかも29歳。
欧州トップリーグ経験あり。
左利き。
複数ポジション対応。
即戦力として必要な条件がかなり揃っています。
小川航基との「NECライン」にも期待
そしてもう一つ面白いのが小川との関係です。
二人はNECで同じチームに所属していました。
アウエヤンはNECで40試合3得点7アシスト、小川も同クラブでプレーし、今夏に町田へ加入しています。
つまりアウエヤンのクロスの特徴やタイミングを、小川はすでに知っている可能性があります。
加入直後から、
「アウエヤン→小川」
というホットラインが見られても驚きません。
8. 2026/27シーズン町田ゼルビアの順位を予想
第4節終了時点で3位・無敗
2026/27シーズンの町田は非常に良いスタートを切っています。
第4節終了時点で、
3勝1分0敗。
勝点10。
13得点。
3失点。
得失点差+10。
順位は3位です。
しかも開幕から、
FC東京に5-1。
千葉に4-0。
浦和に3-1。
水戸とは1-1。
最初の3試合で12得点を奪いました。
これはかなり強い。
当サイト予想:最終2位
現時点での個人的な予想は、
最終順位2位。
優勝争いには最後まで残ると予想します。
理由は三つです。
まず攻撃力。
4試合13得点は十分すぎるスタートです。
次に選手層。
小川航基、松尾佑介、明本考浩、デュークに加えて、アウエヤン。
夏の補強で明らかに戦力は厚くなりました。
そして守備。
4試合3失点。
得失点差+10は、現在首位の柏や2位鹿島を上回っています。
最大の敵は過密日程
では、なぜ優勝予想ではなく2位なのか。
最大の理由はACL Twoとの両立です。
町田は9月からアジアの戦いにも入ります。
上海遠征。
カンボジア。
シンガポール。
国内移動とはまったく違う負担があります。
柏、鹿島、広島といったライバルも簡単には落ちないでしょう。
だからこそアウエヤンのような「即戦力として計算できる30歳前後の選手」を増やすことが重要になります。
ACL Twoを勝ち進みながらリーグでも勝点を落とさないことができれば、
優勝まで十分あり得る。
そう見ています。
9. まとめ:本気でタイトルを狙っていることが伝わる補強
FC町田ゼルビアは9月1日、NECナイメヘンからトーマス・アウエヤンを完全移籍で獲得しました。
29歳。
オランダ出身。
AZ育ち。
ウディネーゼ。
シャルケ。
NEC。
欧州で十分な経験を積んだ左利きDFです。
NECでは2シーズン40試合3得点7アシスト。
守備だけではなく、クロスとセットプレーから得点を生み出せる選手でもあります。
そして何より重要なのが獲得のタイミングです。
8月30日に中山雄太が海外移籍。
9月1日にアウエヤン加入。
主力が抜けても、その穴を数日のうちに埋める。
さらに今夏は、
松尾佑介。
明本考浩。
ミッチェル・デューク。
小川航基。
と、実績ある選手を次々加えています。
町田が今季、
「上位に行ければいい」
と思っているようには見えません。
狙っているのはタイトルでしょう。
リーグ第4節終了時点で3位。
無敗。
13得点3失点。
そこへ小川とアウエヤンが本格的に加わる。
町田サポーターにとっては、かなり楽しみな状況です。
特に期待したいのが、
アウエヤンの左足から、小川航基へ。
NECで同じユニフォームを着ていた二人が、今度は町田でゴールを生み出す。
そんなシーンが早い段階で見られるかもしれません。
リーグ優勝。
ACL Two。
そして国内カップ。
町田が本当に「タイトルを取るクラブ」へ変わるのか。
トーマス・アウエヤンの加入は、その本気度が伝わってくる補強と言えるでしょう。
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