FIFAワールドカップ2026は準々決勝までの全日程が終了し、ベスト4が出そろいました。準決勝に進出したのは、フランス、スペイン、イングランド、アルゼンチンの4カ国です。欧州からはフランス、スペイン、イングランドの3カ国、南米からは前回王者アルゼンチンが勝ち残りました。48カ国制となった今大会は、モロッコ、ノルウェー、スイス、パラグアイなどの健闘も目立ちましたが、最後の4強には優勝候補級の強豪がそろった形です。
ベスト4進出国一覧
| 国 | 地域 | ここまでの成績 | 準々決勝 |
|---|---|---|---|
| フランス | 欧州 | 6勝0分0敗 | モロッコに2-0で勝利 |
| スペイン | 欧州 | 5勝1分0敗 | ベルギーに2-1で勝利 |
| イングランド | 欧州 | 5勝1分0敗 | ノルウェーに2-1で勝利 |
| アルゼンチン | 南米 | 6勝0分0敗 | スイスに3-1で勝利 |
準決勝カード
| 日本時間 | 対戦カード |
|---|---|
| 7月15日 4:00 | フランス vs スペイン |
| 7月16日 4:00 | イングランド vs アルゼンチン |
フランス:攻撃力と勝負強さを兼ね備えた優勝候補筆頭
フランスはグループIでセネガルに3-1、イラクに3-0、ノルウェーに4-1と3連勝。グループステージから攻撃力の高さを見せつけました。決勝トーナメントに入ってからも、スウェーデンに3-0、パラグアイに1-0、モロッコに2-0と勝利。ここまで6戦全勝、16得点2失点という非常に安定した内容で準決勝へ進んでいます。
特に目立つのは、攻撃陣の厚みです。キリアン・エムバペを中心に、ウスマン・デンベレ、マイケル・オリーズ、デジレ・ドゥエらが絡む攻撃はスピードと個の打開力があります。パラグアイ戦では相手の粘り強い守備に苦しみましたが、エムバペのPKで1-0勝利。モロッコ戦でも前半はGKブヌの好守に阻まれましたが、後半にエムバペとデンベレが決めて2-0で勝ち切りました。
フランスの強みは、派手な大勝だけでなく、苦しい試合でも勝ち切れる点です。グループステージでは攻撃力、決勝トーナメントでは試合管理能力を見せています。準決勝の相手はスペイン。ボール保持に優れる相手に対して、フランスがどれだけ高い位置で奪い、エムバペらのスピードを生かせるかが焦点になります。
スペイン:堅守と保持力で勝ち上がる完成度の高いチーム
スペインはグループHでカーボベルデと0-0で引き分けた後、サウジアラビアに4-0、ウルグアイに1-0で勝利し、グループを突破しました。決勝トーナメントではオーストリアに3-0、ポルトガルに1-0、ベルギーに2-1で勝利。ここまで6試合で5勝1分、11得点1失点と、攻守のバランスが非常に優れています。
スペインの最大の特徴は、ボールを保持しながら試合をコントロールできることです。相手に長い時間攻め込まれる展開が少なく、中盤でテンポを作りながら、サイドやハーフスペースを使って相手守備を崩していきます。準々決勝のベルギー戦では、ファビアン・ルイスが先制し、デ・ケテラーレに同点弾を許したものの、終盤にミケル・メリーノが勝ち越し点を決めて2-1で勝利しました。
今大会のスペインは、派手な攻撃一辺倒ではなく、守備の安定感も大きな武器です。ベルギー戦で初失点を喫するまで長く無失点を続けており、組織的な守備とボール保持によるリスク管理が光ります。準決勝のフランス戦では、スペインがボールを握る時間をどれだけ作れるか、そしてフランスの高速カウンターをどう止めるかが最大のポイントになります。
イングランド:接戦を勝ち切る勝負強さが際立つ
イングランドはグループLでクロアチアに4-2、ガーナに0-0、パナマに2-0という成績で突破しました。決勝トーナメントではDRコンゴに2-1、メキシコに3-2、ノルウェーに2-1で勝利。ここまで5勝1分、13得点6失点でベスト4に進出しています。
イングランドは決してすべての試合を圧倒して勝ち上がってきたわけではありません。むしろ、決勝トーナメントでは苦しい試合が続いています。メキシコ戦は3-2、ノルウェー戦も延長戦の末に2-1。準々決勝ではノルウェーに先制を許しましたが、ジュード・ベリンガムが前半終了間際に同点弾を決め、延長戦でも再びベリンガムが勝ち越し点を奪いました。
今大会のイングランドを象徴する存在はベリンガムです。中盤で試合に関与しながら、最も重要な場面でゴール前に顔を出し、決定的な仕事をします。ハリー・ケイン、ブカヨ・サカ、アンソニー・ゴードンら攻撃陣もそろっていますが、勝負どころでベリンガムが試合を動かしている印象が強いです。
準決勝ではアルゼンチンと対戦します。ワールドカップの歴史でも因縁深いカードであり、注目度は非常に高くなります。イングランドとしては、アルゼンチンのメッシを中心とした攻撃を抑えつつ、ベリンガムやケインが決定機をものにできるかが鍵になります。
アルゼンチン:苦しみながらも勝ち上がる前回王者
前回王者アルゼンチンは、グループJでアルジェリアに3-0、オーストリアに2-0、ヨルダンに3-1で勝利し、3連勝で突破しました。ここまでは順調な勝ち上がりでしたが、決勝トーナメントに入ってからは苦しい試合が続いています。カーボベルデ戦は延長戦の末に3-2、エジプト戦は0-2から終盤に3点を奪って3-2、スイス戦も1-1から延長戦で突き放して3-1。結果としては6戦全勝ですが、内容面では何度も追い込まれています。
それでも勝ち上がっていることが、アルゼンチンの強さです。メッシはセットプレーや決定的なパスで存在感を示し続け、マック・アリスター、エンソ・フェルナンデス、フリアン・アルバレス、ラウタロ・マルティネスらが重要な場面で結果を出しています。スイス戦では前半にマック・アリスターが先制し、後半に追いつかれたものの、延長戦でアルバレス、さらに終盤の追加点で3-1と勝ち切りました。
アルゼンチンの課題は守備です。決勝トーナメント3試合で合計5失点を喫しており、毎試合のように相手に流れを渡す時間があります。一方で、終盤の勝負強さ、経験、メッシを中心とした精神的な支柱は健在です。準決勝のイングランド戦では、延長戦続きの疲労をどう回復し、試合の入りを安定させられるかが重要になります。
準決勝展望:フランス vs スペイン
フランス対スペインは、今大会屈指の完成度を誇る2チームの対戦です。フランスは縦への速さと個の破壊力、スペインはボール保持と組織力が武器。どちらも守備が安定しており、大量得点の打ち合いというよりは、1点目をどちらが取るかで試合の流れが大きく変わる可能性があります。
フランスはエムバペがスペインの背後を突けるかがポイントになります。スペインが高い位置でボールを動かす時間が長くなれば、フランスにはカウンターのスペースが生まれます。一方のスペインは、フランスの前線に簡単にボールを渡さず、中盤で主導権を握りたいところです。スペインがテンポを落ち着かせられれば、フランスの攻撃回数を減らすことができます。
展望としては、フランスの個の力とスペインの完成度がぶつかる試合です。フランスは少ないチャンスでも決め切る力があり、スペインは試合全体をコントロールする力があります。準決勝らしいハイレベルな一戦になりそうです。
準決勝展望:イングランド vs アルゼンチン
イングランド対アルゼンチンは、歴史的にも注目度の高いカードです。今大会の勝ち上がり方を見ると、どちらも接戦を勝ち切る力があります。イングランドはメキシコ、ノルウェーとの接戦を制し、アルゼンチンもカーボベルデ、エジプト、スイスとの苦しい試合を乗り越えてきました。
イングランドの鍵は、ベリンガムの自由度をどれだけ確保できるかです。中盤で前を向き、ゴール前に入っていく形を作れれば、アルゼンチン守備陣にとって大きな脅威になります。ケインが前線でボールを収め、サカやゴードンが幅を取る形も重要です。
一方のアルゼンチンは、メッシの使い方が焦点になります。メッシが中央で前を向ける時間を作れれば、イングランド守備陣にとっては非常に危険です。また、セットプレーも大きな武器になります。マック・アリスターの先制点のように、CKやFKから試合を動かす力があります。
両チームとも延長戦を経験しているため、コンディション面も重要です。イングランドはノルウェー戦、アルゼンチンはスイス戦で延長戦を戦っており、消耗は少なくありません。試合終盤の選手交代、ベンチワーク、そして集中力が勝敗を分ける可能性があります。
まとめ
ワールドカップ2026のベスト4は、フランス、スペイン、イングランド、アルゼンチンの4カ国となりました。欧州勢が3カ国、南米勢が1カ国という構図で、いずれも優勝候補として十分な実力を持つチームです。
フランスは6戦全勝で攻守に安定し、スペインは堅守と保持力で勝ち上がってきました。イングランドは接戦をものにする勝負強さが光り、アルゼンチンは苦しみながらも前回王者らしい底力を見せています。
準決勝はフランス対スペイン、イングランド対アルゼンチン。どちらも決勝戦と言ってもおかしくない好カードです。ここから先は、内容だけでなく、試合の一瞬を決め切る個の力、守備の集中力、そして勝負どころの経験がより大きな意味を持つことになります。





