ヨシプ・ユラノヴィッチの現在地|アマチュアからW杯の英雄へ。プレースタイル、来歴、2026年への可能性
クロアチア代表DFヨシプ・ユラノヴィッチを徹底解説。アマチュアから這い上がった来歴、攻撃的なプレースタイル、そして怪我に苦しむ現在の状況と2026年W杯選出の可能性を分析します。
泥の中から這い上がった英雄は、再びピッチを駆け抜けられるか。ヨシプ・ユラノヴィッチ、不屈の魂が試される時。
クロアチア代表の右サイドバック、ヨシプ・ユラノヴィッチのキャリアは、現代サッカーにおける「不屈の精神」を体現する物語だ。アマチュアリーグから這い上がり、欧州のトップリーグ、そしてワールドカップ準決勝という大舞台まで登り詰めた。彼の歩みは、単なるサクセスストーリーじゃなく、サイドバックというポジションの戦術的な進化を考える上でも、非常に興味深いものと言える。
この記事では、ユラノヴィッチのプレースタイル、壮絶な来歴、そして2026年ワールドカップに向けた現在の立ち位置を、多角的に分析していく。
| 選手名 | 年齢 | ポジション | 所属クラブ | 市場価値 | 選出可能性 |
|---|---|---|---|---|---|
| ヨシプ・ユラノヴィッチ | 30 | 右サイドバック、右ウィングバック、左サイドバック | 1.FCウニオン・ベルリン | 4億5,000万円 | 低い (20%以下) |
選手プロフィール
ヨシプ・ユラノヴィッチは1995年8月16日、クロアチアの首都ザグレブで生まれた。現在30歳、ディフェンダーとして肉体的にも精神的にもピークを迎える時期にいる。身長173cm、体重68kgとサイドバックとしては大柄ではないが、その低い重心と強靭な下半身が、爆発的な推進力と粘り強い守備を生み出しているんだ。
現在はドイツ・ブンデスリーガの1.FCウニオン・ベルリンに所属し、背番号18を背負う。彼の最大の武器は、複数のポジションをこなせるユーティリティ性。主戦場の右サイドバックや右ウィングバックだけでなく、左サイドバック、さらには中盤のサイドまで高いレベルでプレーできる能力を持っている。
来歴
ユラノヴィッチのキャリアは、エリート街道とは程遠い場所から始まった。彼の物語は、埋もれた才能がいかにして自らの力で運命を切り拓いていくか、そのものだ。
ザグレブのドゥブラヴァ地区で育ち、地元の3部リーグに所属するNKドゥブラヴァでキャリアをスタートさせた。転機が訪れたのは2014年初頭。アマチュア選手を対象としたスカウトコンテスト「Nike Chance」のクロアチア大会で優勝したんだ。この勝利がメディアに取り上げられ、「3部リーグにすごい才能がいる」と国内に知れ渡ることになった。
この活躍がクロアチアの強豪HNKハイドゥク・スプリトの目に留まり、2015年にプロ契約。すぐにトップチームに定着し、5年半で165試合に出場、キャプテンも務めるなど、チームの顔として成長した。
2020年にはポーランドの名門レギア・ワルシャワへ移籍し、リーグ優勝に貢献。そのわずか1年後にはスコットランドのセルティックFCへステップアップ。ここでは、アンジェ・ポステコグルー監督(現トッテナム監督)のもとで、内側に絞ってプレーする「インバーテッド・フルバック」として才能を開花させ、リーグ優勝とリーグカップの2冠を達成した。
そして彼のキャリアのハイライトが、2022年カタール・ワールドカップ。特に準々決勝のブラジル戦でのパフォーマンスは圧巻だった。当時世界最高のドリブラーと評されたヴィニシウス・ジュニオールを完璧に封じ込め、クロアチアのベスト4進出に大きく貢献。この活躍で彼の評価は世界的なものとなり、2023年1月に現在のウニオン・ベルリンへ移籍を果たした。移籍金は約15億円にも上り、クラブ史上初のチャンピオンズリーグ出場権獲得の原動力となったんだ。
プレースタイル
ユラノヴィッチのプレーを特徴づけるのは、圧倒的な「チャンス創出能力」と「戦術的知性」だ。
攻撃面では、その精度の高いクロスが最大の武器。ゴール前で変化する軌道のクロスは、ストライカーにとってまさに「メッセージ付きのパス」。ブンデスリーガでのクロス成功率は36.7%を記録しており、厳しいプレッシャーの中でも質の高いボールを供給できることを証明している。さらに、フリーキックやコーナーキックのキッカーも務め、セルティック時代にはPKの第1キッカーを任されるなど、キックの精度と精神的な強さには定評がある。
守備では、スピードを活かしたカバーリングと鋭い読みからのインターセプトが光る。1対1では簡単には飛び込まず、相手をじっくりと追い込むクレバーさも持ち合わせている。一方で、身長がそこまで高くないため、空中戦では不利になる場面も見られる。これは彼の課題の一つと言えるだろう。
彼の戦術的な賢さを示すのが、セルティック時代に見せた「インバーテッド・フルバック」としての動きだ。サイドに張るだけでなく、中央のエリアに入り込んでゲームの組み立てに参加し、まるで司令塔のようにラストパスを供給した。本人が「相手が誰にマークさせるか戸惑っているのが見えた」と語るように、相手の守備を混乱させるインテリジェンスも彼の魅力だ。
ワールドカップの選出可能性
2026年ワールドカップの開催が迫る中、あれだけ英雄的な活躍を見せたユラノヴィッチだが、代表選出の可能性は非常に厳しい状況にあると言わざるを得ない。
最大の原因は、度重なる怪我だ。2025/2026シーズンはキャリアで最も困難な時期を過ごしている。足首の手術に始まり、復帰しては別の箇所を痛めるという悪循環に陥っている。最新の情報では、再び足首の状態が悪化し、「年内の復帰は不可能」という報道さえ出ている始末だ。ワールドカップという最高のコンディションが求められる舞台に、万全でない選手を連れて行くリスクは大きい。
さらに、彼が離脱している間に、強力なライバルが出現した。バイエルン・ミュンヘンに所属するヨシプ・スタニシッチだ。スタニシッチは守備の安定感とビルドアップ能力で監督の信頼を完全に掴み、右サイドバックのポジションを不動のものにしている。世代交代の波が、ユラノヴィッチに厳しく押し寄せている格好だ。
こうした状況から、彼が2026年のメンバーに選ばれる確率は20%以下と、かなり低いと見られている。
まとめ
ヨシプ・ユラノヴィッチは、アマチュアリーグから這い上がり、ワールドカップで世界を驚かせた、クロアチアサッカー史に残るサイドバックだ。彼の正確なクロス、戦術的な柔軟性は、現代サッカーが求めるサイドバックの理想像の一つを体現している。
しかし、輝かしいキャリアは今、最大の危機に瀕している。相次ぐ怪我は彼の市場価値をピーク時の4分の1以下である約4億5,000万円まで下げ、代表での居場所も失わせた。2026年大会への道は、限りなく険しいと言わざるを得ない。
それでも、彼の「不屈のキャリア」を振り返れば、この困難を乗り越える可能性もゼロではないだろう。泥まみれのピッチから世界の頂点まで登り詰めた男が、再びクロアチアのユニフォームを纏ってピッチを疾走する。もしそんな姿が見られたなら、それこそがサッカーというスポーツが持つ最高のドラマになるはずだ。
免責事項:この記事は、2026年4月14日時点の公開情報および最新データに基づいて作成されています。今後の選手の回復状況や所属クラブでの出場機会により、評価が変動する可能性があります。記載されている通貨換算は、指定された1ユーロ=180円のレートに基づいています。
| 選手名 | 年齢 | ポジション | 所属クラブ | 市場価値 | 選出可能性 |
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| ヨシプ・ユラノヴィッチ | 30 | 右サイドバック | 1.FCウニオン・ベルリン | 4億5,000万円 | — |
