2026年10月3日、第20回アジア競技大会(愛知・名古屋2026)男子サッカー決勝が豊田スタジアムで行われ、U-21日本代表はU-23韓国代表と対戦した。
日本は前半から韓国と互角以上に渡り合い、後半には先制点へ迫る時間帯も作った。
しかし61分、韓国の右サイドからの攻撃を止め切れず、最後はスウォンジー・シティ所属のオム・ジソンに決勝点を許す。
その後、日本は石井久継のシュートがポストを直撃するなど最後まで韓国ゴールへ迫ったものの、得点を奪えず0-1でタイムアップ。
2010年広州大会以来、16年ぶりとなる金メダルには届かなかった。
日本代表vs韓国代表 試合結果
試合概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 大会 | 第20回アジア競技大会 男子サッカー決勝 |
| 開催日 | 2026年10月3日 |
| キックオフ | 19:30 |
| 会場 | 豊田スタジアム |
| 結果 | U-21日本代表 0-1 U-23韓国代表 |
| 前半 | 0-0 |
| 後半 | 0-1 |
| 得点者 | 61分 オム・ジソン(韓国) |
| 日本最終成績 | 準優勝 |
韓国はこの勝利によって2014年大会からアジア大会4連覇を達成。
さらに日本との決勝対決では、2018年、2023年、2026年と3大会連続で勝利した。
U-21日本代表のスターティングメンバー
準決勝から10人を変更
大岩剛監督は、PK戦までもつれたウズベキスタンとの準決勝から先発10人を変更。
2試合連続で先発したのは石井久継のみだった。
| POS | 選手 |
|---|---|
| GK | 荒木琉偉 |
| DF | 梅木怜 |
| DF | 市原吏音 |
| DF | 佐藤海宏 |
| DF | 岡部タリクカナイ颯斗 |
| MF | 石井久継 |
| MF | 大関友翔 |
| MF | 中島洋太朗 |
| MF | 嶋本悠大 |
| FW | 横山夢樹 |
| FW | ンワディケ・ウチェブライアン世雄 |
キャプテンは市原吏音が務めた。
前半|韓国の強度に耐えながら日本もチャンスを作る
開始6分、ビルドアップのミスからピンチ
立ち上がりは韓国の強度が目立った。
6分、日本陣内でボールを奪われると、オム・ジソンがそのままドリブルでペナルティーエリアまで進入。
右足でシュートを放たれたが、ボールは枠を外れた。
決勝という独特の緊張感に加え、韓国の前線からの激しいプレッシャー。
日本にとって簡単な立ち上がりではなかった。
9分、日本はセットプレーから反撃
日本もすぐに反撃する。
9分、右CKから佐藤海宏がクロスを供給。
中央で岡部タリクカナイ颯斗が合わせたものの、シュートは枠の上へ外れた。
序盤こそ韓国の強度を受けた日本だったが、時間の経過とともにボールを動かせるようになった。
28分、ンワディケが負傷交代
前線の基準点を早い時間帯で失う
日本にアクシデントが起きたのは前半23分。
最前線に入っていたンワディケ・ウチェブライアン世雄が足を痛め、プレー続行が困難となる。
26分には担架でピッチを離れ、28分に福永裕也と交代した。
日本にとっては大きな誤算だった。
ンワディケは身体の強さを生かして韓国CBと競り合い、前線でボールを収める役割を担っていた。
決勝の早い時間帯で、その基準点を失うことになった。
前半終盤、日本が韓国ゴールへ迫る
横山夢樹の突破から福永がフィニッシュ
37分には左サイドの横山夢樹がドリブルで突破。
ペナルティーエリア左へ進入してクロスを送ると、ファーサイドで福永が回収してシュートを放つ。
惜しくもゴール左へ外れた。
さらに39分にも右サイドからのクロスを嶋本悠大が落とし、福永が左足を振ったものの再び枠外。
日本は徐々にサイドから韓国守備陣を押し込み始めた。
前半は0-0。
韓国のフィジカルと強度に屈することなく、日本も十分に勝機を感じさせる45分だった。
後半|日本が先制点へ迫る
福永、横山、市原と立て続けにチャンス
後半に入ると、日本が攻勢を強めた。
48分には福永が右サイドからドリブルでペナルティーエリアへ進入してシュート。
55分には横山がペナルティーエリア左から右足を振る。
57分には左CKから市原がヘディングシュート。
いずれも得点には結び付かなかったものの、明らかに日本が韓国ゴールへ圧力を掛ける時間帯だった。(nikkansports.com)
しかし、その直後だった。
61分、一瞬の隙をオム・ジソンに突かれる
日本が押し込んでいた時間帯で痛恨の失点
決勝点が生まれたのは後半16分。
韓国のヤン・ミンヒョクが右サイド深い位置まで進入し、クロスを入れる。
GK荒木琉偉が一度はボールを弾いたものの、こぼれ球をオム・ジソンに拾われる。
オム・ジソンはゴール前で日本選手を一人かわし、左足でシュート。
ボールはゴールネットへ突き刺さった。
日本が0-1とリードを許した。
試合の流れだけを考えれば、日本がゴールへ近づいていた時間帯だった。
だからこそ、この一瞬の守備の乱れは痛かった。
市原自身も試合後、「押し込んでいる時間帯での失点」を悔やみ、もっと周囲へ声を掛けるべきだったという趣旨で振り返っている。
失点後も日本が反撃
大関、横山がシュート
67分には大関友翔がペナルティーエリア手前から左足でシュート。
GK正面となった。
70分には横山が左から仕掛け、自ら右足で狙ったが、こちらも韓国GKに阻まれた。
日本は失点後もボールを前へ運ぶことはできていた。
しかし韓国はリードを奪ったことで守備ブロックをより明確にし、日本に簡単なシュートを打たせなくなった。
79分、石井久継のシュートはポスト直撃
この日最大の決定機
最もゴールへ近づいたのは後半34分だった。
石井久継がペナルティーエリア手前からシュート。
鋭いボールは韓国GKも届かないコースへ飛んだが、無情にも右ポストを直撃した。
わずか数センチ。
ここで決まっていれば1-1。
試合展開は大きく変わっていた可能性がある。
石井は今大会3得点を挙げ、日本の攻撃をけん引したが、最後の決勝ではゴールを奪うことができなかった。
日本は4人を投入して同点を狙う
石橋、石渡、道脇、保田を投入
74分、日本は、
- 中島洋太朗 → 石渡ネルソン
- 福永裕也 → 石橋瀬凪
と交代。
さらに81分には、
- 石井久継 → 保田堅心
- 嶋本悠大 → 道脇豊
を投入した。(jfa.jp)
終盤はクロスを繰り返してゴール前へ人数を掛けた。
しかし韓国は最後まで中央を固め続け、日本の攻撃を跳ね返した。
そのまま0-1で試合終了。
日本は金メダルを逃した。
選手採点|韓国戦
※10点満点。本記事独自の評価であり、大会公式採点ではありません。
| 選手 | 採点 | 評価 |
|---|---|---|
| 荒木琉偉 | 6.0 | クロスを一度は弾いたが失点につながった。その他は安定 |
| 梅木怜 | 6.5 | 右サイドで積極的に上下動。終盤もクロスを供給 |
| 市原吏音 | 6.5 | 最終ラインを統率。セットプレーでもゴールへ迫った |
| 岡部タリクカナイ颯斗 | 6.5 | 空中戦、対人守備で奮闘。序盤にはCKからシュート |
| 佐藤海宏 | 6.0 | 積極的に攻撃参加したが、決勝点の場面では右サイドを突破された |
| 中島洋太朗 | 6.5 | 中盤でボール循環を支え、日本の攻撃を組み立てた |
| 嶋本悠大 | 6.5 | ゴール前へ積極的に侵入し、攻撃の厚みを作った |
| 大関友翔 | 6.5 | 中盤からゲームを組み立て、後半にはシュートも放った |
| 石井久継 | 7.0 | 大会を通じた攻撃の中心。79分のポスト直撃が惜しかった |
| 横山夢樹 | 7.0 | 左サイドの1対1で何度も韓国守備陣を突破。最大の攻撃源 |
| ンワディケ | 5.5 | 序盤で負傷交代。十分に持ち味を発揮する時間がなかった |
| 福永裕也 | 6.5 | 急きょ投入されながら複数回シュート。攻撃を活性化 |
| 石渡ネルソン | 6.0 | 終盤に中盤の強度を高めた |
| 石橋瀬凪 | 6.0 | ゴール前で積極的に得点を狙った |
| 保田堅心 | 6.0 | 終盤から入り攻撃の土台を作った |
| 道脇豊 | 6.0 | 最前線で高さを生かし同点ゴールを狙った |
なぜ日本は韓国に敗れたのか
敗因① チャンスを作っても仕留められなかった
この試合最大の敗因は、やはり決定力だ。
日本は、
福永。
横山。
市原。
大関。
そして石井。
と複数の選手がシュートチャンスを作った。
特に後半開始から失点までの時間帯は、日本が先にゴールを奪ってもおかしくなかった。
それでも0点。
一方の韓国は、日本に生まれたわずかな守備のズレを利用して先制した。
大岩監督も大会終了後、より強度の高い相手を倒すためには最終的に「ゴール」という結果が必要だと、決定力を課題として挙げている。
敗因② 攻めている時間帯のリスク管理
「攻撃している=安全」ではない
失点シーンは、この試合の大きな教訓になる。
日本は後半、韓国を押し込んでいた。
しかし攻撃人数を増やした分、ボールを失った瞬間にはサイドにスペースが生まれる。
そこでヤン・ミンヒョクに右サイドを突破された。
クロスに対するファースト対応。
GK荒木が弾いた後のセカンドボール。
オム・ジソンへの寄せ。
いくつもの小さなズレが一つの失点へつながった。
世界レベルでは「良い時間帯だからこそ守備への準備をする」という意識がさらに重要になる。
敗因③ ンワディケ負傷でゲームプランが狂った
先発したンワディケが28分で負傷交代したことも無視できない。
韓国にはフィジカル能力の高いCBが揃っていた。
その相手に対して身体を張り、前線でボールを収められるンワディケは重要な存在だった。
福永は途中から素晴らしい働きを見せたものの、開始30分も経たない段階で本来準備していた攻撃の形を変更する必要が生まれた。
決勝という舞台では大きな影響だった。
敗因④ 韓国の「1点を守る力」
韓国は先制すると試合の戦い方を明確に変えた。
中央を締める。
ペナルティーエリア内の人数を確保する。
危険な場所では無理にボールをつながない。
日本のサイド攻撃には最後まで身体を寄せる。
日本はボールを運ぶことはできても、「最後の一線」を突破できなかった。
韓国がアジア大会4連覇を達成した背景には、こうした勝負所でのゲームマネジメントもあった。
「日本U-21 vs 韓国U-23+OA」という違い
ただし年齢差だけを敗因にはできない
今大会の日本は、2028年ロサンゼルス五輪を見据えて大会規定より2歳若いU-21世代でチームを編成した。
一方、韓国はU-23をベースに、24歳以上のオーバーエージ枠3人をすべて使用。
海外クラブ所属選手も9人招集していた。
当然、フィジカルや国際経験という部分では韓国にアドバンテージがあった。
それでも日本は決勝で十分に戦えた。
だからこそ「2歳若かったから仕方ない」で終わらせるべき試合ではない。
むしろ年上の相手を押し込む時間帯を作れたからこそ、
どうすれば勝ち切れるのか
という次の課題が明確になった。
またしても韓国の壁
アジア大会決勝で3大会連続敗戦
日本にとって悔しいのが、またしても決勝で韓国に敗れたことだ。
2018年ジャカルタ大会。
2023年杭州大会。
そして2026年愛知・名古屋大会。
3大会連続で決勝の相手は韓国。
そして3大会すべて、日本は敗れた。
さらに今世代だけを見ても、2026年3月29日の国際親善試合では韓国U-23に1-2で敗れている。
ただし、2026年1月のAFC U-23アジアカップ準決勝では日本が韓国を1-0で下している。
「韓国には勝てない」という単純な構図ではない。
一発勝負の決勝で、どう相手を上回るか。
そこが重要になる。
今後のU-21日本代表の課題① フィニッシュの質
最優先で改善したいのはゴール前だ。
準々決勝・朝鮮民主主義人民共和国戦は1-0。
準決勝・ウズベキスタン戦は120分で1-1。
そして韓国戦は0-1。
大会序盤には大量得点できた日本だが、ノックアウトステージで相手のレベルが上がると、得点数が大きく減った。
ロサンゼルス五輪予選や本大会でも、同じ問題に直面する可能性がある。
シュートを「打つ」から「決める」へ。
ゴール前の基準をもう一段階引き上げる必要がある。
今後の課題② クロスの質と入り方
日本は韓国戦終盤、何度もサイドからクロスを供給した。
しかし中央で韓国DFを上回ることができなかった。
単純にクロスの本数を増やすだけではなく、
ニアへ走る選手。
ファーへ回る選手。
マイナス方向で待つ選手。
ゴール前へ遅れて入ってくる選手。
それぞれの役割を整理し、相手の守備をずらす必要がある。
今後の課題③ 「良い時間帯」に点を取る勝負強さ
サッカーでは、自分たちが良い時間帯だから勝てるとは限らない。
韓国戦はその典型だった。
日本が押していた。
日本にチャンスが続いていた。
しかし得点したのは韓国。
この差は大きい。
ロサンゼルス五輪でメダルを狙うなら、
流れが来た10分間でゴールを奪う
という勝負強さが必要になる。
今後の課題④ 失点後の攻撃パターンを増やす
先制された後、日本はサイド攻撃を中心に反撃した。
しかし韓国に中央を固められると、攻撃が徐々にクロス中心になった。
引いた相手を崩すには、
ミドルシュート。
縦パス。
ワンツー。
中央での細かいコンビネーション。
セットプレー。
複数の手段が必要になる。
「負けている時にどう点を取るか」は、この世代にとって大きなテーマになるだろう。
大会を通して見えた大きな収穫
U-21で決勝まで到達
結果は銀メダル。
しかし大会全体を見れば、多くの収穫もあった。
グループステージでは、
香港に2-0。
キルギスに7-0。
タイに3-0。
3試合12得点無失点で突破。
準々決勝では朝鮮民主主義人民共和国を1-0で下し、準決勝ではウズベキスタンに先制されながら88分に追いつき、PK戦9-8で勝利した。
大岩監督も大会を通じ、若い選手たちが一戦一戦成長したと評価している。
23人で戦えたことも大きな財産
大岩監督は大会前から「23人全員で戦う」ことを強調していた。
実際、試合ごとに大幅なメンバー変更を行いながら決勝まで到達。
準決勝で120分を戦った直後の韓国戦では先発10人を変更しても、試合の主導権を握る時間を作った。
一部の主力だけに依存せず、複数の選手が国際大会を経験できたことは、ロサンゼルス五輪へ向けて大きな財産になる。
まとめ|「また韓国に負けた」で終わらせてはいけない
2026年10月3日。
豊田スタジアムで行われたアジア大会決勝。
U-21日本代表はU-23韓国代表に0-1で敗れた。
61分のオム・ジソンのゴール。
日本は石井久継のポスト直撃など何度も同点へ迫ったが、最後まで1点を奪えなかった。
これでアジア大会決勝の日韓戦は3大会連続で韓国が勝利。
日本にとっては、またしても目の前で金メダルを逃す悔しい結果となった。
しかし内容を見れば、「韓国に圧倒された」という試合ではない。
むしろ日本が押し込む時間も長かった。
だからこそ課題はより明確だ。
チャンスをゴールにする。
攻めている時間帯でも一瞬の隙を作らない。
先制された後の攻撃にさらに多くの選択肢を持つ。
現在のチームは、ロサンゼルス五輪を見据えたU-21世代。
あと2年ある。
豊田スタジアムで味わった銀メダルの悔しさを、本番で勝つための経験へ変えられるか。
今回の0-1は終着点ではない。
ロサンゼルス五輪で世界と戦うために、この日韓戦で感じた「あと一歩」を埋める2年間にしてほしい。
免責事項
本記事は、日本サッカー協会(JFA)の公式試合記録、日本国内外の報道機関、および2026年10月5日時点で公開されている情報をもとに作成しています。
試合結果、スターティングメンバー、交代時間、得点時間などについてはJFA公式記録を中心に複数の公開情報を照合しています。
なお、一部報道では試合スコアに誤記が確認されるため、本記事では**JFA公式記録の「韓国1-0日本」**を正式な結果として採用しています。
また、選手採点、戦術分析、敗因、今後の課題については、公開された試合記録および試合経過をもとにした本記事独自の分析・考察であり、日本サッカー協会や代表チームの公式見解ではありません。
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